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Pixel 6は誰のために作られたの?

塚本直樹

テクノロジー・宇宙ジャーナリスト

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米グーグルが日本時間10月20日にオンラインイベントにて発表した、新型スマートフォン「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」。興味深いソフトウェア機能があれこれ盛り込まれていますが、個人的にはどこかピントがずれている印象を受けたのも事実です。

人工知能に特化したスマホ

Pixel 6シリーズの最大の特徴となるのが、グーグルが独自開発したプロセッサ「Tensor」です。実はグーグル、人工知能(AI)の一種となるディープラーニングに特化したサーバー向けチップ「TPU(Tensor Processing Unit)」を製造しています。そんなTPUの名称の一部を譲り受けたTensorは、当然のことながら人工知能や機械学習(ML)に強いという特性を引き継いでいます。

人工知能や機械学習の応用の幅は広いのですが、Pixel 6シリーズでは画像処理と音声認識にその能力が活用されています。

使わなそうな画像編集機能

PIxel 6シリーズの具体的なソフトウェア機能に目を向けましょう。例えば「消しゴムマジック」では、背景に写り込んだ人物を指で数回タップするだけで消すことができます。この消す対象の識別に、機械学習が利用されているそうです。一度くらいは試してみたいですが、なかったらそれで問題のない機能のように思えます。

「モーションモード」では、例えば「アクションパン」や長時間露光などの機能を使って、動きのある被写体をブレなく捉えつつ、背景をボカすことが可能です。カメラの撮影技術でいうところの「流し撮り」ってやつですね。グーグルによれば、この機能にも機械学習が活用されているとのこと。必要がない機能とまではいいませんが、このために新たにスマートフォンを購入しようとは思えません。

海外旅行で使いたいリアルタイム翻訳

しかしこのPixel 6シリーズ、海外旅行へ持ち出すと俄然と輝きだします。リアルタイム翻訳機能では、英語やフランス語、ドイツ語、日本語など、さまざまな言語でのやり取りが可能に。さらにLINEやFacebookなどのチャットアプリでは、相手と自分のメッセージを自動で翻訳してくれるんです。

リアルタイム翻訳はメッセージアプリだけでなく、音声や動画の自動字幕起こしの翻訳(日本語はベータ版)、Google レンズを使ったレストランのメニューなどの翻訳、通訳をサポートする通訳モードでの翻訳にも利用されています。

記者待望のレコーダーアプリ

Pixel 6シリーズでは、レコーダーアプリが日本語に対応。音声の録音だけでなく、その文字変換(書き起こし)、音声ファイルの検索ができます。この機能、インタビューの書き起こしにヒジョーに役立つはずです。なにせ人力での書き起こしって、とにかく時間がかかりますからね。近い将来、この機能のために記者がこぞってPixel 6シリーズを持ち歩くようになるかもしれません。

Google アシスタントの音声入力も進化し、ハンズフリーでの句読点の追加、修正、絵文字の挿入などが可能に。また、これまで以上にメッセージを素早く入力、編集、送信できるようになりました。普段から音声入力を利用している文筆家や、あるいはアイディアを素早く記録に残したいビジネスマンにとっても、ありがたい機能強化といえるでしょう。

意外と尖ったスマートフォン

Pixel 6シリーズは海外旅行先や外国人の友達と積極的にコミュニケーションを取りたい方、あるいは書き起こしや音声入力を活用する記者や文筆家など、特徴的なソフトウェア機能を活かせる場合には魅力的なスマートフォンです。しかし、「グーグルのスマートフォンだからいいものだろう…」となんとなく選ぶと、不満が残る結果にもなりえます。

市場には、Pixel 6シリーズよりも安くて高性能なスマートフォンはいくらでも存在します。それでも購入する場合はその真価を見極めて、手元へとお迎えしたいものです。

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塚本直樹:テクノロジー・サイエンスジャーナリスト

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