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宇宙人はいない!?最初の生命発生がいかに奇跡なのか

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どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は宇宙ヤバイchと並行で運営している生物ヤバイchより、「最初の生命発生がいかに奇跡なのか」というテーマで記事をお送りしていきます。

東京大学の研究者は、「RNAワールド仮説」が正しければ、生命発生の確率がどれくらいで、この宇宙にどれくらいの生命体が存在するかを研究し、去年2020年に発表しました。

核酸(DNA,RNA)とは

Credit:Hbf878
Credit:Hbf878

今回の本題に入る前に、簡単に核酸について解説します。

DNAやRNAは、地球上の多くの生命の遺伝情報にまつわる、核酸と呼ばれる物質です。

両者とも塩基、糖、リン酸から成る「ヌクレオチド」と呼ばれる物質が構成単位となり、

このうちリン酸と糖が結合して多数のヌクレオチドが連なることで、DNAやRNAといった核酸となります。

DNAとRNAはどちらもヌクレオチドが構成単位ですが、糖の種類が異なります。

そして塩基の部分がDNAではチミンという塩基が使われるのに対し、RNAではウラシルという塩基が使われる点で異なります。

またDNAは塩基同士で結合し、2本鎖の構造を形成しますが、RNAは1本鎖で存在する点も異なります。

RNAワールド仮説

RNAワールド仮説は、最初の生命は自己複製能力を持つRNAから始まったとする、生命の起源を説明する有力な仮説の一つです。

現在の生物は、タンパク質を触媒としてDNAやRNAといった核酸を合成し、逆に核酸の配列を基にタンパク質を合成しています。

これらのうちどれが起源となるのかについては、現在でも明確な答えは出ていません。

ですが本来はタンパク質が担う触媒の役割まで果たし、自己複製が可能な「リボザイム」と呼ばれるRNAが発見されたことで、まず最初にRNAが誕生し、その後その役割を他の物質が担うようになったとする、RNAワールド仮説が誕生しました。

地球外生命は存在するのか

DNAやRNAは、それぞれが持つ4種類の塩基の配列によって、複雑な遺伝情報を保存することができています。

これまでの研究から、自己複製が可能な、生命の起源として機能するようなRNAとなるには、少なくともヌクレオチドが40個、あるいは100個以上連なり、特定の塩基配列が実現する必要があると考えられています。

生命がいない状態からヌクレオチドが化学反応でランダムに連なり、特定の塩基配列が実現され、自己複製が始まる確率は、「猿がタイプライターを打って、偶然シェイクスピアの小説ができあがる」のと同等の、つまりは現実的には起こりえないほど低確率な現象であると考えられてきました。

Credit:概要欄記載の出典元より
Credit:概要欄記載の出典元より

ですがその確率に対し、宇宙にある恒星の数がさらに十分に多ければ、その中から偶然に地球のように生命が発生する惑星が存在してもおかしくないことが示されそうです。

そんな考えの元、東京大学の研究者は独自の方程式を作り、具体的に宇宙に何個の恒星が存在すれば、自己複製が可能なRNAが自然に発生し得るかを計算しました。

その結果、40個という最も単純なヌクレオチドが必要とした場合でも、10^40個もの恒星が必要という結果が得られたそうです!

当然、より多くのヌクレオチドが必要とした場合、確率はさらに低まり、より多くの恒星が必要となります。

100個のヌクレオチドが必要な場合、恒星は実に10^180個必要という結果になります!

地球から約465億光年以内の観測可能な宇宙にある恒星の数は10^22個程度と考えられているので、10^40個にすら全く足りていません。

この時点でいかに生命の発生が奇跡的なほど低確率なのかがわかります…

Credit:NASA's Goddard Space Flight CenterCI Lab
Credit:NASA's Goddard Space Flight CenterCI Lab

ですが、宇宙が誕生した直後にはインフレーションが起こり、空間が急激に膨張したと考えられています。

つまりこの宇宙は観測可能な宇宙の遥か彼方まで広がっている可能性が十分に考えられるというわけです。

具体的には、実際の宇宙はインフレーションによって、観測可能な宇宙の10^78倍の体積以上にまで広がっているという説もあります。

この場合も宇宙の恒星の密度はマクロなスケールでは一定と考えられるので、観測可能な宇宙にある恒星の数(10^22個)に、実際の宇宙が観測可能な宇宙の何倍広いのか(10^78倍)を掛け合わせて、宇宙にある恒星の数は10^100個以上存在すると推定されます。

Credit:概要欄記載の出典元より
Credit:概要欄記載の出典元より

インフレーションの継続期間がさらに長ければ、実際の宇宙はさらに広く、100個のヌクレオチドが連なり自己複製ができるRNAが誕生するのに必要な恒星の数である、10^180個を遥かに超えるほどの恒星が存在している可能性も、十分にあります。

宇宙人は存在しないかも

Credit:Springel et al. (2005)
Credit:Springel et al. (2005)

RNAワールド仮説が正しいとするためには、ヌクレオチドの結合によって特定の塩基配列が実現するという、極めて低い確率を実現する必要がありました。

ですが今回紹介した研究によって、宇宙の広さの前ではそのような確率の壁も超えることができ、RNAワールド仮説が正しい可能性が示されたことになります。

一方で、生命の発生確率がいかに低く、奇跡的な現象であるのかも同時に示しています。

仮にRNAワールド仮説が正しい場合、観測可能な宇宙の中に地球外生命が存在する確率は、極めて低いのかもしれません。

もちろん、他のシナリオで生命が誕生した可能性もありますし、地球とは全く異なるメカニズムで誕生した生命がどこかに存在する可能性もあります。

それは今後の生命探査で明らかになることでしょう!

生命の起源については別の動画でより詳しく解説しているので、今回の動画が面白かったら、ぜひ以下の動画をご覧になってみてください!

●情報参照元:https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/info/6688/
https://xn--ols97e46f0m4a7qr.xyz/2016/03/11/post-188/
https://news.nicovideo.jp/watch/nw6713514
●サムネイル画像クレジット:hubble/ESA

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