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私達が生きている間に見れそうな「世紀の天体ショー」がヤバイ

宇宙ヤバイchキャベチ

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どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「生きている間に起こりそうな大爆発現象」というテーマで動画をお送りしていきます。

爆発といえばベテルギウスのイメージが強い方も多いのではないかと思います。

よく寿命が終わりに近づいていて、最期に超新星爆発を起こして散ると言われています。

ですがベテルギウスが爆発するのは宇宙規模では最近でも、人類基準で言えば遥か彼方の未来かもしれません。

最近では、ベテルギウスは現在ヘリウムで核融合を起こす段階にあり、核融合を起こす物質が尽きて爆発するのは少なくとも10万年以上先のことだという発表もありました。

ですがベテルギウスは無理でも、私たちが生きている間にもしかしたら超特大の爆発を見せてくれるかもしれない、かなり期待度の高い天体が発見されています。

今回はそちらの天体について紹介していきたいと思います!

急激に増光中の「や座V星」

Credit:Schaefer, B.E. (2020)
Credit:Schaefer, B.E. (2020)

生きている間に爆発してくれるかもしれない天体とは、はくちょう座とわし座の間にある「や座」というマイナーな星座の領域にある、「や座V星」です。

11等星と肉眼で全く見えない、物凄くマイナーな星です。

Credit:Schaefer, B.E. (2020)
Credit:Schaefer, B.E. (2020)

や座V星は、重さが太陽の0.9倍の白色矮星と3.3倍の恒星から成る連星系で、これらは約半日周期で公転しあっています。

研究チームが過去の観測データを用いてこの連星の1890年から約100年間の明るさを調べたところ、なんと当初の約2倍もの明るさになっていました!

物凄い増光度合いです。

Credit:Caltech
Credit:Caltech

ではなぜこの連星系はここまで明るくなったのでしょう?

実はや座V星の場合、構成する2天体の距離が非常に近いため、恒星から白色矮星に向けて物質が流れ込み、白色矮星の周りに降着円盤を形成した後、白色矮星本体に落下しています。

この過程で大量の熱が生じて光を放ちます。

白色矮星の質量が増えて恒星の質量が減ると、白色矮星の重力が強まり、恒星のガスをとどめる力も弱まり、さらに恒星から物質を奪いやすくなります。

それに加えて2天体の公転するエネルギーは、摩擦によって熱と光に変換されるため、2天体の距離は徐々に縮まります。

そのため物質を奪うペースは日に日に増していきます。

現在では、恒星から白色矮星に毎年地球質量の7.7倍に相当するガスが流れ込んでいると見られています。

このような理由により、過去100年間で2倍もの明るさにまで増光していると考えられているんですね。

大爆発も間近!?

さらに現在も増光が進行中であるという事実から、や座V星の連星は今後も距離が近づいていき、恒星の物質が白色矮星に流れる速度も増していき、より明るくなっていくと推測することができます。

そして最終的には恒星のガスの大部分が物凄い勢いで白色矮星に落下し、最後の1週間では地球の33万倍重い太陽のさらに2倍の質量に相当するガスが流れ込むようです!

その凄まじい量のガスの流入によるエネルギーによって、1か月以上にもわたってとてつもない明るさで輝くと考えられています。

伴星の恒星が落下した後には、さらに質量が上昇し、白色矮星の表面で水素の核融合が起きているような、特殊な赤色巨星が残ると考えられています。

赤色巨星の周囲には大量の水素のガスが存在すると考えられています。

Credit:Walt Feimer, NASA Goddard Space Flight Center
Credit:Walt Feimer, NASA Goddard Space Flight Center

や座V星のように、白色矮星と恒星の連星系では、恒星から白色矮星にガスが流れ込み、白色矮星表面で爆発的に核融合反応が起こることで「新星」と呼ばれる大爆発が起こることがあります。

ですがや座V星の場合、2天体の距離が非常に近い上、伴星の方が白色矮星の何倍も重いという非常に珍しいケースに当てはまるため、最終的にガスの流れ込むペースが異次元に高くなります。

そのため、末期には通常の新星とは比較にならないほど高エネルギーの爆発現象が発生すると見られています。

その明るさはなんと超新星爆発のピーク時にも匹敵するとか!

一時的ではあるものの、天の川銀河の中で最も明るく輝く星になると考えられています。

地球から見た爆発の様子と発生時期

現在のや座V星は望遠鏡を使わないと観測できない暗い天体ですが、爆発のピーク時には地球から見た視等級が-0.7から-5.1にまで明るくなる可能性があります。

これは最も明るい一等星であるシリウスから、最大だと地球から見た空で太陽、月に次いで明るい金星よりもさらに明るくなる可能性もあるということになります!

仮にベテルギウスが爆発すれば満月に匹敵する明るさに輝き昼間でも明るく見えるそうなので、そこまでではないものの、特段に目立った天体ショーであると言えます。

ではそんな大爆発が予測されているや座V星は、いつ頃爆発すると推定されているのでしょうか?

増光のペースから計算すると、なんとたった約60年後の西暦2083±16年に爆発するのだそうです!

60年後というのは、宇宙レベルで言えば本当にすぐ先のことであり、これだけすぐ未来に起こる現象は珍しいことこの上ありませんが、とはいえ人間の寿命的には何とも言えない際どいタイミングだとも言えますね。

ということで、気合で2083年まで長生きするか、医療技術の進歩に期待しつつ、なんとしてもこの天体ショーを見てみたいものですね。

ベテルギウスの超新星ほど明るくはならないとはいえ、私たちの生きている範囲内で高確率で大爆発を起こしてくれそうなこのや座V星も、大いに注目に値する天体だと言えるでしょう!

https://www.sciencealert.com/there-s-a-binary-star-system-that-may-explode-in-your-lifetime
https://www.ipmu.jp/ja/20210204-Betelgeuse
https://www.lsu.edu/physics/news/v_sge-press_release.php
https://www.lsu.edu/physics/files/v_sagittae/vsge_technical-details.pdf

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