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銀河系中心で星形成を妨げる「謎の何か」の存在が話題に

宇宙ヤバイchキャベチ

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どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「銀河系中心部で星形成を妨げる謎の何か」というテーマで動画をお送りしていきます。

2021年9月とつい先月、天の川銀河中心部領域にて、本来であれば恒星が誕生するほど十分に高密度な領域でも、原因不明の作用によって星が形成されていないことが明らかになったと発表されました。

今回はそちらを解説します。

銀河中心部の分子雲の役割

Credit:ESO
Credit:ESO

主に水素のガスから成り、低温のためにそれらが分子H2の状態で存在するようなガス雲は、分子雲と呼ばれます。

太陽のような「恒星」という天体は、一か所にガスが大量に集まることで、核融合反応が起こるほど十分に高温・高圧な環境ができることで形成される天体です。

ガスの温度が高いと激しい熱運動で一か所にガスが集まりにくくなるため、星を形成できるのはガス雲の中でも非常に低温な分子雲に限るとされています。

恒星が億単位・兆単位で集まった巨大な星の集団である銀河の中心部には、太陽の数百万倍を超える質量を持つ超大質量ブラックホールがほぼ漏れなく存在しています。

銀河中心の超大質量ブラックホールに距離が近い領域では、分子雲が十分に集まって恒星が形成される過程でブラックホールの強大な重力が作用し、分子雲が引き裂かれ、星形成が妨げられてしまうと考えられています。

このようにブラックホールが星形成に及ぼす影響を調べるためには、銀河の中心部領域にある分子雲の分布を知ることが有効であると言えます。

また分子雲はブラックホールに飲み込まれることで、それを成長させる作用もあります。

銀河中心部の分子雲は星形成とブラックホールの成長という重要な役割を担うため、研究者たちは分子雲の詳細な分布を理解したいと考えています。

銀河系中心部の分子雲を観測

そんな中、つい先月の9月13日に、アルマ望遠鏡の観測によって、天の川銀河の中心部の超大質量ブラックホール「いて座A*」を公転する高密度な円盤状の分子雲(核周円盤)の分布を把握することに成功したと発表がありました!

地球から2万光年以上も彼方にあり、しかも他の物質が多く非常に観測しにくい天の川銀河の中心部にある、暗い分子雲の分布を理解できるというのは、本当にすさまじい観測技術ですね。

Credit: Hsieh, P.-Y. et al. – ALMA (EOS/NAOJ/NRAO)
Credit: Hsieh, P.-Y. et al. – ALMA (EOS/NAOJ/NRAO)

核周円盤の中でも分子雲の密度にムラがあり、分子雲の塊の密度や、中心部のいて座A*との距離などによって星形成がされたりされなかったりすると考えられています。

表示中の実写画像でも星形成の状況ごとに色分けがされています。

まず黄色い丸は、密度が足りずにいて座A*の重力で引き裂かれる運命にある分子雲の塊です。

緑の丸はいて座A*の重力には耐えられるものの、星形成には至らない塊です。

そして青とピンクの丸は、いて座A*の重力に耐え、星形成も可能なほど十分に高密度な塊が示されています。

ですが奇妙なことに、この青とピンクの丸では、星形成が行われている証拠が得られなかったそうです!

本来であれば星が形成されるはずの領域で、星が形成されるのを妨げる原因不明の作用が起こっている可能性があります。

この作用の原因の候補の一つに磁場が挙げられますが、磁場の観測はさらに難しく、現時点ではこの領域の磁場の情報は得られていません。

また、最近の関連のニュースとして、銀河系中心部から謎の電波が襲来していたことが明らかになりました。

銀河系中心部から襲来した謎の電波については以下の動画でより詳細に解説しているので、興味がある方は併せてご覧ください。

未知の星形成阻害のメカニズムが働いていたり、謎の電波が襲来したりと、天の川銀河の中心部領域はまだまだ分かっていないことが非常に多く、本当にロマンあふれる世界です。

現在でも銀河系中心部領域は活発に研究が行われているので、その謎が解明されていくのに期待しましょう!

https://www.almaobservatory.org/en/audiences/dense-molecular-clouds-in-the-center-of-milky-way-is-unable-to-form-stars/
サムネイルCredit:ESA

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