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数kmの津波が発生!?32億年前の史上最大級の隕石衝突がヤバイ

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「32億年前の特大隕石がヤバすぎる」というテーマで動画をお送りしていきます。

●恐竜を絶滅させた隕石

Credit:NASA/JPL
Credit:NASA/JPL

今から6600万年前、メキシコのユカタン半島にて巨大な隕石が衝突しました。

当時の衝突によって形成されたクレーターはチクシュルーブ・クレーターと呼ばれ、その直径は実に160kmにもなります。

そんな超巨大クレーターを形成させた隕石は「チクシュルーブ衝突体」と呼ばれ、その大きさは実に直径10kmを超え、そんな巨大な隕石が10-20km/sという恐るべき速度で衝突したと考えられています。

衝突時のエネルギーはなんと広島型原子爆弾の10億倍にもなり、300mもの高さの津波が発生したと考えられています!

この衝突によって半径1000km以内の生物は即死、仮に生き延びたとしても世界規模の寒冷化が進み、恐竜を含め当時生きていた生物種の75%が絶滅してしまったそうです…

現実にこんなことが起きたと考えると、本当に恐ろしいです。

●32億年前の特大隕石衝突

そんな地球の歴史の中でもトップレベルに恐ろしい隕石が先述のチクシュルーブ衝突体ですが、比較的最近発表された研究によって、それを遥かに凌駕する恐るべき隕石が過去に衝突していた可能性が示されているようです。

アメリカのスタンフォード大学の研究チームは、現在の南アフリカにあるバーバトン緑色岩帯という小さな山脈を調査していたところ、小さな球状の石を発見しました。

その石を調査したところ、なんと今から約32億6000万年前に地球に衝突したとみられる小惑星のかけらであることが判明したそうです!

そんな発表が2014年にされていたので、今回はこちらを紹介していきたいと思います。

Credit: American Geophysical Union
Credit: American Geophysical Union

衝突した小惑星の大きさはなんと最低でも直径37km以上にもなり、あのエベレストがこれだけ小さく見え、さらに恐竜を絶滅させたチクシュルーブ衝突体の4倍もの大きさを誇っていると考えられています!

そんな超巨大隕石が秒速20kmという速度で地球に衝突した結果、衝突の衝撃だけであの東日本大震災の約100倍の、マグニチュード10.8以上に相当するエネルギーを放ち、想像を絶する揺れを30分以上にわたり発生させたそうです。

チクシュルーブ衝突体が発生させたと推定されている津波の高さが300m級であるのに対し、32億年前の隕石が発生させた津波は数千m級であったと推定されていて、当時の地球の沿岸部全体に押し寄せたとみられています。

さらに衝突によって気化した岩石が大気中に放出され、それが地球全体に蔓延し、その後温度が下がって液体になると、地球全体に石の雨を降らせたと考えられています!

Credit: American Geophysical Union
Credit: American Geophysical Union

正確な位置までは特定できないものの、小惑星が衝突したのはバーバトン緑色岩帯から数千離れた場所であると考えられています。

衝突によって形成されたとみられているクレーターのサイズもまさに規格外で、その直径はなんと478km。

チクシュルーブクレーターの3倍も大きく、ハワイ島を完全に覆ってしまう巨大さを誇っています。

さらに、この天体衝突によって当時の地球のプレートの構造を恒久的に変化させてしまい、現在私たちが知っている構造のプレートが形成された可能性もあるようです!

本当に何から何まで規格外の恐るべき天体衝突です…

●後期重爆撃期の証拠に?

そして32億年前の隕石衝突が事実であれば、太陽系の歴史において極めて重要な「後期重爆撃期」と呼ばれる時期に、地球にも巨大な隕石が衝突していたことを証明する貴重な証拠となる可能性があります。

月にある主要な天体衝突跡の多くは、その形成年代が今から38-41億年前という、太陽系の歴史の中では極めて短い期間に集中していることが知られています。

天体が多数衝突していたのは月に限らずそのすぐそばの地球、さらには水星、金星、火星といった他の岩石惑星にも当てはまっていると考えられていて、この今から38-41億年前に太陽系で起きていた可能性がある、太陽系に小惑星が多数存在しており、多くの天体同士が頻繁に衝突していた時期を、「後期重爆撃期」と呼んでいます。

月に対する地球という的の大きさや、重力の強さなどから隕石の落ちやすさの比率が予想でき、そこから当時地球には数十個単位の巨大隕石が衝突していたと考えられています。

ですが地球に落ちた隕石の巨大な痕跡は、プレート運動や侵食の影響で消失してしまっています。

今回取り上げた32億年前の隕石衝突は、後期重爆撃期の一般的な時期とは数億年分のずれがありますが、それでも時期が近いことから、当時地球に落ちたと考えられている数十個の巨大隕石の一つである可能性もあるとのことです。

今後もこう言った初期地球に何が起こっていたのかにまつわる研究が進んでいき、今では考えられない想像を絶する事実が明らかになっていくのが楽しみです!

「宇宙ヤバイch」というYouTubeチャンネルで、宇宙分野の最新ニュースや雑学などを発信しているYouTuberです。好きな天体は海王星です。

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