ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡が初の写真を公開!何が写っている?
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡の最初の画像が公開」というテーマで動画をお送りしていきます。
望遠鏡はガリレオ・ガリレイの時代から人類が宇宙の情報を得るのに欠かせない道具になっています。
ガリレオは当時の望遠鏡を使って木星の4つの衛星を発見しました。
それから約400年後、現在の望遠鏡は地球から100億光年以上離れた宇宙を観測できます。
現在では地上の望遠鏡の他に、ロケットで宇宙に打ち上げられるタイプの宇宙望遠鏡が数多く活躍しています。
その中でも多くの華々しい成果を上げたのは1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡です。
宇宙の年齢やブラックホールの存在など、歴史に残る発見に貢献しています。
そして、去年2021年12月25日には、ハッブルの後継機とされる「ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」の打ち上げが成功し、その後望遠鏡の展開作業を終えながら、現在では観測地点となる目標地点に到着しました。
ハッブル宇宙望遠鏡は高度約570kmを周回し、そこから宇宙を観測していたのに対し、JWSTは太陽-地球系の「ラグランジュ点2(L2)」というところから観測を行います。
ここは地球から150万kmほど離れた場所です。
月の公転軌道は地球から平均約38万4400kmの距離なので、その4倍以上遠いところから観測するのです。
●最初の画像が公開!
では今回の本題ですが、史上最強の望遠鏡として名高いJWSTが宇宙で初めて撮影した実写の画像が、今年2022年の2月11日に公開されました。
その実際の画像がこちらになります。
この画像には、18個の点が写っていますが、これは何を示しているのでしょうか?
そのカギは、JWSTの主鏡の構造にあります。
まず比較として、ハッブル宇宙望遠鏡は全長13.2m、直径は最大4.2mです。
望遠鏡の本体である主鏡は直径2.4mです。
これに対して、ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡は、サンシールド(遮光板)の大きさが22m×12m、主鏡の直径が6.5mです。
JWSTの主鏡は1枚ではなく、18枚の六角形の鏡を組み合わせた折り畳み式の構造になっていて、オリガミ望遠鏡とも呼ばれています。
この主鏡の口径はハッブル宇宙望遠鏡の2.5倍、面積では7倍以上になります。
実はJWSTはこの18枚の六角形の鏡全てが独立して動く構造になっており、それらの鏡それぞれで反射された観測対象からの光が、1枚の副鏡に集められ、その後観測機器へと送られます。
JWSTはこのような構造のため、18枚の鏡全てを連動させて1枚の鏡として機能させるためには、それぞれの位置調整を正確に行う必要があります。
実は実写画像に映し出された18個の光源は全て、地球からおおぐま座の方向に約260光年離れた位置にある、「HD 84406」という恒星からの光です。
現時点では18枚の鏡それぞれの位置調整がまだ済んでいないために、このように一つの天体からの光が18個に分かれて見えてしまっています。
逆にこの天体からの光が1つに集まるように徐々に鏡の位置を調節していくために、この画像が撮影されています。
HD 84406はその周囲に他の明るい天体がないため、調整用の最初の画像の観測対象として選ばれています。
そして2月18日には、18枚の鏡の位置が調整された結果、バラバラだった18個の点が綺麗な六角形に統一された画像が公開されました。
現在はそれぞれの光がより鮮明に映るように主鏡と副鏡の位置を調整しており、その後18個の光を1つに重ねる段階へ移行するようです。
一見バラバラで観測に失敗しているようにも思えてしまうJWST最初の1枚でしたが、しっかり予定された段階を順調に進んでいるということです。
光が1点に集まるように調整が済んだ後も、本格的な観測ができるようになる前に多くの作業が残されています。
調整用ではない最初の画像は、2022年夏に公開予定とのことです。
JWSTの本気の撮影が今から楽しみですね!