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未だ正体不明…太陽の100倍の巨星を覆い尽す未知の巨大天体がヤバイ

宇宙ヤバイchキャベチ

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どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「巨星を覆い尽す謎の巨大天体を新発見」というテーマで動画をお送りしていきます。

●天の川銀河の中心に明滅する巨星が見つかる!

Credit: The University of Cambridge、Amanda Smith
Credit: The University of Cambridge、Amanda Smith

去年2021年6月11日、地球からいて座の方向に約25,000光年も離れた天の川銀河の中心付近で、明滅する奇妙な巨星が発見されたとの発表が掲載されました。

ケンブリッジ大学天文学研究所のリー・スミス博士が主導した研究チームによると、VVV-WIT-08と名付けられたこの星は太陽の100倍以上もある巨大な星で、数十年に一度、謎の天体によって「食われて」しまい、明るさが実に30分の1になるという、特異な特徴持っていると示されています。

ちなみに、VVV-WIT-08という名前の「VVV」の部分は、天の川銀河中心部の膨らんだ部分にあたる銀河バルジを観測する「VISTA Variables in the Via Lactea(VVV)」というプロジェクトの名前を示し、「WIT」の部分は、「What is this?」の略になっています。

「何コレ!?」という研究者たちの驚きや興奮が反映されていると思うと、面白いネーミングですよね。

●変光星とは?

VVV-WIT-08の特異性について触れる前に、「変光星」という種類の天体について簡単に紹介しておきたいと思います。

変光星というのは、その名の通り明るさが変わる星のことで、内因性・外因性の2種類に大別されます。

さらに変光の仕方によって、脈動変光星・爆発型変光星・食変光星・回転変光星などに分けられます。

内因性変光星というのは、光度が実際に変化するタイプの変光星です。

内因性変光星もいくつかのカテゴリーに分かれていて、ポピュラーなものには、星の膨張と収縮により変光する「脈動変光星」があります。

脈動変光星としては、はくちょう座α星のデネブやおうし座α星のアルデバラン、さそり座α星のアンタレスなどが有名です。

他には「爆発型変光星」も、内因性変光星の一種です。

星の大気などが爆発することによって変光する星で、その変光に規則性がないことが特徴です。

代表的な爆発型変光星には、赤色矮星のくじら座UV星などがあります。

このくじら座UV星は1952年には、たった20秒の間に75倍にまで増光したことが観測されているようです。

一方で外因性変光星は、実際の光度は変化せず、見かけの等級が変化するタイプの変光星のことです。

わかりやすいのは、二つ以上の星がお互いを公転し合う連星系で、それがお互いの光を覆い合うことによって、地球から見た明るさが変化する「食変光星」が当てはまります。

ぎょしゃ座ε星のアルマーズや、ペルセウス座β星のアルゴルなどが代表的な食変光星です。

●巨星を覆い尽くす謎の巨大円盤

Credit:credit: VISTA Variablesin the Via Lactea survey team, ESO
Credit:credit: VISTA Variablesin the Via Lactea survey team, ESO

では、今回発見されたVVV-WIT-08は、どのタイプの変光星なのでしょうか?

研究チームは、VVV-WIT-08が新しいタイプの連星系に属する可能性があると指摘しています。

VVV-WIT-08に関して特に珍しいのは、最大97%という非常に大きな減光です。

変光すること自体は他の星でも見られることですが、ここまで暗くなった後にまた明るくなる星というのは、他に類を見ません。

当初はこの星が天の川の中心付近に存在することから、中心部領域に多数存在するものの未だ観測されていない物質によって遮られたことによって、この減光が起こったと推測されました。

しかしそれが起こるためには、実際に観測された天の川銀河中心部の物質の密度よりも、遥かに高い密度で天体が存在していなければならないということが、判明しました。

Credit:Leigh Smith
Credit:Leigh Smith

そこで研究者たちが次なる可能性として考えたのが、VVV-WIT-08を完全に覆い隠すほどの、「暗く、大きく、細長い物体」、具体的には分厚く、光を通さない円盤状の塵に囲まれた伴星の存在でした。

Credit:NASA/JPL-Caltech
Credit:NASA/JPL-Caltech

巨大な円盤に囲まれた伴星を持つ星というのは、過去に例がない訳ではありません。

先ほど代表的な食変光星として挙げたぎょしゃ座ε星のアルマーズは、巨大な円盤に覆われた伴星によって、光度が50%ほどになります。

Credit:Jeremy Teaford, Vanderbilt University
Credit:Jeremy Teaford, Vanderbilt University

また、食変光星として最長の69年という変光周期を持つTYC 2505-672-1も、3.5年間という長い時間、塵を帯びた伴星が主星を覆い隠すことによって変光すると考えられています。

いずれにしても、太陽の100倍の巨星であるVVV-WIT-08を覆い尽くすほどの巨大な物体の正体は、未だ完全には解明されていません。

研究者たちが有力であると考えている、巨大な円盤を持つ伴星は、実際に存在しているのでしょうか?

また、その円盤はどんな経緯で発生し、どういう物質で構成されているのでしょうか?

リー・スミス博士は、「まだまだVVV-WIT-08に似た星系が見つかるはずですが、当面の課題は伴星の正体と、主星から遠く離れた場所を回っているにも関わらず、なぜ伴星が円盤に囲まれているのかを解明することです」と語っています。

ワルシャワ大学が中心になって行っている、Optical Gravitational Lensing Experiment(OGLE)というプロジェクトでも変光が観測されていたり、他の類似する星系が見つかった、もしくは見つかりそうだったりと、VVV-WIT-08の謎を解明するための材料は揃いつつあります。

続報に大いに期待しましょう!

https://www.cam.ac.uk/research/news/astronomers-spot-a-blinking-giant-near-the-centre-of-the-galaxy

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