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ビッグバンの残光から得られた「ビッグバンの音」がヤバイ

宇宙ヤバイchキャベチ

科学系YouTuber

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どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「ビッグバンの音」というテーマで動画をお送りしていきます。

●ビッグバンの音とは!?

私たちのいるこの宇宙は、今から138億年前に非常に高温で高密度の状態から、爆発的膨張によって誕生したとされてきました。

この宇宙が開始した際の大爆発のことを、ビッグバンと呼んでいます。

宇宙が誕生するほどの大爆発ということは、とてつもなく大きい音がしたのではないかと思うかもしれません。

しかし実際には爆発音ではなく、機械のようなハミング音であり、それどころか人間の耳には聞こえないほど、極端に小さい音だったようです。

ビッグバンの音をシミュレートした結果が、米国ワシントン大学の物理学者であるクレイマー氏によって発表されています。

ビッグバンの音は非常に周波数が低く、まるで深夜に家の30メートルほど上空を、ジェット機が飛んでいるような低い音だったと、クレイマー氏は語っていました。

しかも、音を100じょ倍するまで、人間には聞こえなかったようです。

100じょとは1の後に0が26個続く数であり、ビッグバンの音が極めて小さいことがわかります。

おそらく多くの人たちの予想に反して、ビッグバンは全く大きな音ではありませんでしたが、その代わりにとても長い音でした。

具体的にビッグバンの音は、数十万年間という、かなり長い間続きました。

当時の宇宙は、現在の地球上の空気よりも密度が大きかったため、音が伝わります。

宇宙が膨張して冷えていくとともに、音の波長が伸びて、周波数も低くなっていきました。つまり、ビッグバンによってハミング音が始まり、この低い音が完全に消えるまでに何十万年もかかったのです。

クレイマー氏がビッグバンの音を初めてオンラインで公開した際には、非常に世間を賑わせました。

実際の音声は、以下のYouTube解説動画の2分32秒あたりから聞くことができます。

●ビッグバンの音の詳細

ではこの音声について、より詳細な部分を解説していきます。

クレイマー氏はビッグバンの音を再現するため、宇宙の最初の76万年をシミュレーションしました。

このシミュレーションに関してクレイマー氏は、いくつかの注意点や着眼点などを述べています。

まず、これはあくまでシミュレーションなので、単一の音波、すなわちモノラルになっていることです。

さらにクレイマー氏は、ビッグバンの音をシミュレーションする際に、いくつかの仮定を用いています。

例えば、宇宙が最初に膨張する速度は、宇宙論によって異なるため、FLRW計量と呼ばれる膨張宇宙モデルに従うと仮定しました。

その場合には、宇宙定数を0と見なし、宇宙の膨張速度が遅かったものとして考えています。

Credit: European Space Agency
Credit: European Space Agency

ではどうすれば、ビッグバンの音がわかるのでしょうか。

ビッグバンの音は、ビッグバンからの電磁放射の残骸でもある、宇宙マイクロ波背景放射を検出することで、作成しています。

この宇宙マイクロ波背景放射は、宇宙探査機によって収集されてきました。

宇宙探査機が集めた宇宙マイクロ波背景放射のデータをコンピュータープログラムに送り、そのデータを音に変換しています。

このビッグバンの音を作成するために使用した宇宙マイクロ波背景放射とは、宇宙の全方向からほぼ同じくらいの強度で地球にやってきている電磁波の一種です。

ビッグバンの名残の熱放射である宇宙マイクロ波背景放射が発見されたことで、ビッグバン宇宙論が正しいと支持されるきっかけになりました。

初期の宇宙は人間の目でも認識できないほど、極めて小さく超高温でした。

初期の宇宙にあった物質は、原子核と電子が離れて自由に動き回るプラズマの状態です。

宇宙全体の物質がプラズマの状態だと、霧や雲に包まれていて、電磁波は自由に動き回る電子と相互作用を起こすために、直進できませんでした。

その後、宇宙は急速に膨張し、温度が低下しています。

38万年ほど経過したころには、宇宙の温度は約3000度にまで下がっていました。

宇宙の温度が下がったために、プラズマだった物質の原子核と電子が結びついて、原子が構成されたために、霧や雲が晴れていきます。

宇宙に霧や雲がなくなった時期のことを、宇宙の晴れ上がりと呼び、ようやく宇宙で電磁波が直進できるようになりました。

この最初に直進できるようになった宇宙最古の電磁波が、宇宙マイクロ波背景放射なのです。

現在の宇宙マイクロ波背景放射は、-270度の物体が熱放射で放つマイクロ波と同じような電磁波として、地球に届いています。

宇宙の膨張とともに、宇宙マイクロ波背景放射の波長は伸びてきました。

宇宙の温度が3000度だったころの物体が、熱放射で放った宇宙マイクロ波背景放射は、可視光線だったはずです。

ただし、宇宙の初期から物質の密度にムラがあり、宇宙マイクロ波背景放射が均一ではなかった可能性が考えられます。

NASAの打ち上げた宇宙探査機である、ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機(WMAP)は、全天にわたって宇宙マイクロ波背景放射を観測してきました。

WMAPのデータによると、宇宙マイクロ波背景放射には10万分の1という、とても小さい温度のゆらぎが存在していることが明らかになっています。

これはビッグバンの音波により物質の密度の濃淡が現れ、高密度の部分は相対的に少しだけ高温に、低密度の部分は少しだけ低温になっていたことに由来していると考えられています。

つまり、現在の地球に届いている宇宙マイクロ波背景放射における、微妙な温度変化を分析することで、当時宇宙に鳴り響いていたと考えられるビッグバンの音を忠実に再現できるというわけです。

物理学者のクレイマー氏は、NASAの宇宙探査機であるWMAPや、欧州宇宙機関(ESA)の人工衛星プランクによる、宇宙マイクロ波背景放射のデータを使用して、ビッグバンの音を再現しています。

これらの宇宙マイクロ波背景放射の分析結果から、かなりの低音が数十万年間も続いていたことがわかりました。

ビッグバンの音のピークは37万9000年ごろなので、ちょうど宇宙の晴れ上がりの時期です。

しかも、ビッグバンという名前のインパクトに反して、想像を絶するほど小さい音だったことを示しています。

ビッグバンという言葉のイメージとは対照的に、宇宙はひっそりと始まったようです。

http://faculty.washington.edu/jcramer/BBSound_2013.html
https://science.howstuffworks.com/what-did-big-bang-sound-like.htm
http://faculty.washington.edu/jcramer/BBSound_2003.html
https://www.npl.washington.edu/AV/altvw104.html

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