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平地での雪は「南岸低気圧の後」に…3月最初の週末は"冬の嵐":気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
2月29日9時の予想天気図(気象庁HPより)。低気圧が発達し本州南岸を東進。

今日29日から明日3月1日にかけては、南岸低気圧の接近により広い範囲で雨や雪が降りそうですが、雪の範囲が広がるのはその南岸低気圧が通り過ぎた「後」になる見通しです。

低気圧通過後は一時的に冬型の気圧配置になり、強い寒の戻りがやってきて"冬の嵐"になるところがありそうです。

南岸低気圧は急発達しながら東進

(左)2月29日、(右)3月1日の予想天気図(気象庁HPより)
(左)2月29日、(右)3月1日の予想天気図(気象庁HPより)

今回の低気圧は足早に通り過ぎる予想で、今日29日のうちに九州から北海道まで雨や雪の範囲が広がり、明日3月1日の朝にはもう東の海上へと抜ける見通しです。

ただその間、24時間で18hPaも中心気圧が低下する予想で、雨や風が強まるおそれがあります。

ちなみにこの緯度(北緯30~40度)において24時間で18hPaという気圧低下は、気象学で「爆弾低気圧」と呼ばれるレベルの急発達です。

関東以南は大雨に警戒も

今回の南岸低気圧は、広い範囲で雪ではなく雨になる見通し。

標高の高いところでは雪になり長野県内では積雪が急増するおそれがありますが、平地に関しては、関東以南では基本的に雨となりそう。東北でも南部の平地は雨のところが多くなる見込みです。

ただ、前述の通り低気圧が発達するため降り方が強まるところがあり、千葉県では大雨警報が出る可能性があると気象庁が情報を出しています。
関東沿岸では明日3月1日の朝に交通機関に影響が出るおそれもあります。

一時的な"冬の嵐"

南岸低気圧通過後の2日(土)は冬型の気圧配置となり、日本海側では広い範囲で吹雪になりそうです。鳥取や島根など西日本も含め、平地で雪が降るところが出てくる予報になっています。
太平洋側でも気温が下がり、平年を下回る寒さに。

ただ、今回の荒天は長引くことなく、翌3日(日)には太平洋側から高気圧に覆われて、風も穏やかになる見込みです。
北陸以北では新たな低気圧の影響で雪が強まるところがありそうですが、そのほかの地域では晴れて気温も上がりそうです。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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