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暖湿気流入で警報級の大雨に!菜種梅雨で今年の花見期間は短縮?気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
4月3日9時の予想天気図(気象庁HPを元に作成)。前線に向かって暖湿気流れ込む。

今日3日は西から雨の範囲が広がり、バケツをひっくり返したような激しい雨が降るところも出てきそうです。

特に九州や中国地方、それに近畿では降水量が多くなり、九州北部を中心にこのあと大雨警報が出る可能性が高いと気象庁が情報を出しています。

1か月分の降水量に相当も

4月3日7時15分時点の雨雲の動き(気象庁HPより)
4月3日7時15分時点の雨雲の動き(気象庁HPより)

すでに九州では昨日2日の夜から雨が降っていて、今日3日朝までに50ミリ前後のまとまった雨になっています。

九州北部ではこのあと明日4日の朝にかけてさらに100~150ミリの雨が予想されていて、平年の4月1か月分の降水量に相当するようなところも出てきそうです。

3日6時~4日6時の予想降水量(気象庁HPより)。最新の情報は気象庁HPで随時確認を。
3日6時~4日6時の予想降水量(気象庁HPより)。最新の情報は気象庁HPで随時確認を。

九州北部は毎年のように梅雨や台風の大雨に見舞われていて、6~8月であればこの程度の雨は何度も降ったことがありますが、4月だと観測史上最大になるような降水量が予想されています。

新年度が始まったばかりで慌ただしい時期ではありますが、「今の時期としてはあまりないような大雨」だと思って、移動のスケジュールなど無理をしないように慎重に行動してください。

午後は関東も雨、帰宅時間帯に注意

4月3日12時20分の雨雲の予想(気象庁HPより)。午後は関東も雨に。
4月3日12時20分の雨雲の予想(気象庁HPより)。午後は関東も雨に。

朝の段階で西日本中心に降っている雨は昼頃にかけて東海・甲信地方まで広がり、午後は関東でも雨となりそうです。

特に関東は帰宅時間帯に雨が強まるところもありそうですから、足元や車の運転に気をつけてください。

花見期間は短縮!?

今回の雨は、西日本の各地で桜が満開を迎えてからの雨となるため、せっかく咲いた桜が散ってしまわないか不安になる人も多いと思います。

ただ、満開になったばかりの桜は意外と雨・風に強いため「桜流しの雨」とはならず、今回の雨ですっかり散ってしまうということはなさそうです。

一方で、今回の言わば「菜種梅雨(なたねづゆ)」の雨はこれで終わりではなく、このさき7日(日)~10日(水)にかけても再び広い範囲で雨が予想されています。

今週のうちにすでに満開になっている桜は来週の雨で散るところが出てくるほか、それ以外の地域も、雨の日が多いためにお花見のチャンスは限られそうです。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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