【蕨市】専門店の話を聴こう! あなたは「お盆て何?」って聞かれたら答えられますか?
地域によって異なるものの、ここ埼玉県では2022年8月13日(土)~8月16日(火)が「お盆」です。
お墓参りに行ったり、家族や親戚で集まったりする方も多いと思います。
ところで、あなたは「お盆て何?」と聞かれて回答できますか?
「ご先祖様が帰ってくる期間」
これぐらいなら答えられるけど、はっきり知らないことも多いですよね。
お盆は、日本特有の美しい風習です。
日本人であれば知っておくべき教養として、旧中仙道沿いにある「有限会社 西山神仏具店(以下、西山神仏具店)」に、「お盆」について教えてもらいました。
お盆て何?
お盆とは、「仏様(ご先祖様)が、その期間だけ帰ることが許された期間」です。
一般的には8月13日~16日の4日間(地域によって異なる)とされていて、2022年は8月13日(土)~16日(火)がお盆期間になります。
お盆の起源について、はっきりとしたことはわかっていません。
しかし、日本には古くから真夏にご先祖様を供養する風習がありました。
お盆期間中、何をやればいいの?
8月13日は「迎え火」
夕刻にお墓参りを行い、仏様(ご先祖様)をお迎えします。
お墓が遠方にあってお墓参りができない方は、自宅の門口や庭先で「迎え火」を焚いて仏様(ご先祖様)をお迎えします。
火を焚くのは、仏様(ご先祖様)が迷子にならないようにする為です。
8月14日~15日は「お盆」
仏様(ご先祖様)が、家に帰ってきている期間です。
この期間は、仏様(ご先祖様)が「精霊棚」に滞在すると考えられています
果物や甘味、お膳など、仏様(ご先祖様)の好きだったものをお供えしましょう。
8月16日は「送り火」
仏様(ご先祖様)は、午前中まで自宅に滞在しているといわれています。
朝は「精霊棚」にお供えをして、夕刻にお墓参りをして仏様(ご先祖様)を送り届けます。
「迎え火」同様、お墓が遠方にあってお墓参りができない方は、「送り火」を焚いて送り出します。
「迎え火」や「送り火」とあるように、仏様(ご先祖様)は「火」で迎えて、「火」で送り出します。
お盆において、この「火」は重要な意味を持ちます。
重要な意味を持つ「火」ですので、仏様(ご先祖様)をお迎えに行く「迎え火」の正しい順序があるといます。
①お寺へ着いたら、まずは正式な門をくぐって境内へ入る。
②本堂を訪れ、本堂にある「火」をもらう。
※ここでもらう「火」が、仏様(ご先祖様)だと考えられています。
③「火」を盆提灯に移し、お墓参りを行い、仏様(ご先祖様)を自宅へ連れて帰る。
④自宅の仏壇に「火」を移し、お盆の期間中は三日三晩「火」を絶やさないようにする。
※「送り火」はこの順序を逆にして行います。
以前は、アルコールランプに「火」を移して、お盆の間、「火」を灯し続けていました。
しかし安全面からも、現在は「火」を灯し続ける家庭はほとんどありません。
その場合、電気式の盆提灯や、LEDライト付きのろうそくを使用すると便利です。
お線香についても訊いてみた!
お盆は、お線香をたく機会も多いですよね。
まずお線香には「専門店用」と「量販店用」があることをご存知ですか?
ちなみにテレビCMでもよく目にする「青雲」などは、「量販店用」のお線香です。
また、お線香は「香水」と「香木」に分けられます。
「香木」とは、樹木より採れる香料全般のことをいいますが、通常は、「伽羅(きゃら)」、「沈香(じんこう)」、「白檀(びゃくだん)」を指します。
「沈香」の最高級品が「伽羅」です。
ベトナムのごくわずかな地域でしか採出されず、非常に希少かつ高価な香木です。
古来より、その価値は「金」に等しいとされてきました。
香りの生成に長い年月を要し、涼し気な辛味、長く続く甘味、その他に酸味や苦味も感じ、バランスがよく上品な香りが特徴です。
元の「沈香」の原木には、香気がありません。
老木や土中に埋没した倒木、枯木や虫食いなど様々な原因による傷害木に真菌類が作用して、長い年月の間に薫香を発する樹脂が生成します。
本来は軽い原木ですが、樹脂が沈着した部分は重く、水にも沈むことから「沈水香」とも呼ばれ、ややスパイシーな香りが特徴です。
「白檀」は、仏像などの彫刻、扇子、念珠など幅広く利用され、匂香や焼香など、調合香の中心素材でもあります。
インド南部産のものが最上品とされていて、甘く爽やかな香りが特徴です。
また、様々な香りのする「香水系」のお線香も増えています。
その香りは、桜や蓮の花の香りだったり、コーヒーや紅茶だったり。
ご自宅に仏壇がなくても、ルームフレグランス代わりに使用する方もいるそうです。
生前はコーヒーが好きだった方には、コーヒーの香りがするお線香をたく。
桜の花が大好きだった方には、桜の香りがするお線香をたく。
お線香でそんな選び方ができるなんて、知らない方も多いですよね。
もっと詳しく知りたい方は「西山神仏具店」へ!
「火」が仏様(ご先祖様)だということを認識していれば、お盆に行う行動一つひとつの意味合いも理解できます。
しかし、時代の変化とともにできることとできないことが増えてきました。
まったくやらなくなってしまうことが、仏様(ご先祖様)にとって一番良くないこと。
無理なく続けられる範囲で、続けることが大事だといいます。
今回、「西山神仏具店」に教えてもらったことで、現在のお墓参りが何を省略していて、なぜ省略されているかを知ることができました。
やはり、わからないことは専門店に相談することが一番ですね!
「西山神仏具店」では、神具・仏壇・仏具など、各宗寺院御用達・寺院用具全般の販売・修繕のほか、気軽にこういったお話も聴けるお店です。
【店舗情報】
有限会社 西山神仏具店
住所:埼玉県蕨市北町3-4-23
営業時間:9:00~19:00
定休日:水曜日