空間クリエイター兼ライターの海のとなりです。お酒が大好きです。振り返ってみると楽しいときや嬉しいとき、悲しいとき、いつもそばにお酒があったような気がします。本日は圧倒的な品揃えとお酒愛に溢れる老舗の酒店をご紹介します。

京急追浜駅から徒歩6分のところに地酒・伝統食品掛田商店があります。

鷹取へ向かう道沿い歩いていくと、美術館のような建物が見えてきます。

昭和12年に創業し、地域やお酒が好きな多くのお客様に愛され、信頼されているお店です。

掛田商店さんのために設計・建築された店内

掛田商店さんは「つくる人の心と、酒と食を囲む人をつながる場所」を大切にしています。5年前に建て替えられた店舗は一級建築士の方が設計監理し、掛田商店さんのコンセプトを建築で表現されたそうです。

天井が高く開放感のある店内です。1階は通常の高さよりも高く設定しているそうです。

木造建築の木組みの美しさに目を奪われます。奈良の吉野杉を天然乾燥材で乾燥させ、釘を使わない工法で建築したそうです。柔らかい暖かみのある照明はお酒の品質を保つために全てLEDです。

シンプルで無駄のないデザインと実用性を大切にする設計や工夫が随所に見られます。

導線や動き易さを工夫し、棚の一部は曲げられて造られています。自然なアーチが美しいですね。

地震などで商品が落ちないように棚上には蓋部分を固定する凹凸が造られています。

入口は自動ドアではなく、人の重さだけで開くドアだそうです。NHKのEテレ2020年4月4日のピタゴラスイッチ「おもさをうまくつかいます」の回で放映されたそうです。原理はこちら。

圧巻の品揃え！銘酒に感激

掛田商店さんは日本酒・焼酎・泡盛など全部で約160以上の蔵元のお酒の取り扱いがあります。「作り手の心を伝える」ことを大切にされている掛田商店さんは信頼に基づいた取り引きをされており、お酒の基本的な情報はもちろん、造り手の背景も丁寧に説明して下さいます。

日本酒

一升瓶・四合瓶が整然と並んでおり、美しいですね。瓶の高さに合わせて棚が工夫して作られています。この棚を見て、1本1本が生き生きとして生命力を感じるのは私だけでしょうか。

日本酒セラーにも数多く保管されています。

充実した品揃えです。

稀少銘柄も多数あります。私は初めて見るお酒ばかりですが、皆様はいかがでしょうか。迷う楽しみと選ぶ楽しみがありますね。全部飲んでみたいです。

熟成酒の魅力

日本酒は醸造された年に「新酒」として市場に出るものが多いですが、醸造年に出荷されず、タンクや瓶で保存されて出荷されるのが「熟成酒」と言われています。

掛田商店さんでは徹底した品質管理のもと、数年間保存した日本酒や古酒を販売しており、熟成酒は掛田商店さんの得意とするところだそうです。

売場には「25BY=平成25酒造年度」と記載されている日本酒も並んでいます。熟成することで日本酒の甘味、酸味、旨味などが、より深い味わいに変化するそうです。変化具合もそのお酒によって異なるそうです。普段飲んでいるお酒が熟成することで、どんな味わいに変化するのか興味深いですね。熟成酒の奥深さ、歳月が醸し出すうまい日本酒をぜひ味わってみたいです。

ワイン

ワインも品揃え豊富です。オーガニックワインも数多く取り扱いがあります。オーガニックワインは近くのお店にはこんなに種類を置いていないので、いろいろ手にとって選ぶことができるのが嬉しいですね。

焼酎

焼酎はラベルが色鮮やかで華やかですね。所狭しとならんだ焼酎の数々は圧巻。あまりお目にかかれない貴重なものが多くあります。

多くの蔵元さんが「うまい焼酎」を目指して、新しい技術や製法を開発しています。焼酎の世界も新しくて美味しい味が増えていますよ。ちなみに私は休日のお昼間に冷やしてストレートで飲むのが至福のひと時です。

泡盛・古酒

泡盛・古酒の売場は奥にあります。

屋根がついた部屋が作られており斬新です。沖縄赤瓦の屋根の上には沖縄の守り神シーサーが乗っており素敵ですね。

入り口も沖縄・琉球の雰囲気が漂っていますね。

やや薄暗い部屋の中にはびっしりと泡盛や古酒が並んでいます。秘密部屋のような雰囲気が何とも趣があり、心躍ります。

こんなにいっぱいの泡盛は初めてです。沖縄らしい鮮やかな色使いが目立ちますね。

熟成用の甕

部屋に入るとすぐに豪快で立派な甕が目に入りました。この甕に泡盛を入れて熟成させるそうです。

これらは沖縄の陶芸家ポール・ロリマーさんの作品。

ポール・ロリマーさんは沖縄の自然な土だけを100％使用し、薪焚きをして作品を作っているそうです。どの土を使い、どのような焼き方をすれば、熟成度が変化するのか、泡盛が熟成する酒甕の研究を地元酒造メーカー崎山酒造廠と共同で行なっているそうです。

ポール・ロリマーさんが作った酒器もあります。この酒器で泡盛をロックで飲んだら、きっと美味しいでしょうね。氷が酒器あたる音を耳で楽しみながら飲むのが大好きです。

梅酒・ビールなど

梅酒や果実酒、シャンパンやクラフトビールも数多くあります。

伝統食品やオーガニック食品、調味料も豊富

伝統食品や調味料、人や環境に優しい安全安心な食材、オーガニック食品も豊富にあります。

セイアグリー健康卵です。清潔な農場で飼育された、サルモネラ菌を保菌しない親鳥が産む、サルモネラ菌のない白い美しい安全な卵です。黄身は濃いオレンジ色白身は透明度が高く美しいそうです。卵かけご飯で食べてみたいですね。卵パックはデポジットで返却時に返金されるシステムです。

有機無農薬栽培の鎌倉の小泉農園さんの野菜もあります。葉物は瑞々しくて艶がよく、しっかりしています。

名古屋にお店を構える無添加食品熊野屋さん特製のラムネです。

120年前のオリジナルのラムネを復元するため、当時のレシピ通り、手間をかけて100％グラニュー糖を溶かし、酸味料と香料（天然由来）のみを使用し、昔の機械を使って瓶詰めをしているそうです。

ちなみに熊野屋さんはスイス生まれの自然・オーガニック化粧品ヴェレダを1970年代に日本で最初に取り扱いを始めたお店だそうです。初期輸入時の石鹸から、現在の化粧品のラインを販売しています。

愛媛県伊予市の広大な柑橘畑で自然農法で栽培した福岡正信自然農園の柑橘類もあります。

料理には欠かせない調味料

九重雜賀の有機純米酢など、酒店ならではの品揃えです。

唐津市相知町の小松酒造が手がけた唐津味醂（みりん）は糖化させた相知町産もち米の甘みを生かし、糖類は一切不使用。添加物の無い生原酒の味醂です。ピリ辛料理や煮物やカレーなどに加えると味が格段に違うそうです。

素材や製法にこだわりの調味料やおつまみ・食べ物が豊富にありますよ。

塩や砂糖、スパイス類も充実してます。東京七味・七色蕃椒堂さんの七味唐辛子も販売しています。横須賀市内では掛田商店さんと上町の割烹淺乃家さんのみ取り扱いがあります。とにかく香り豊かで絶品です。メディア出演後、注文が殺到し、現在はやや入手困難になっているそうです。

酒米やワンカップのお酒も販売されています。ワンカップはカップのデザインが可愛いので飲んだ後も活用できそうですね。

掛田商店さんオリジナルグッズ

酒袋は手織木綿で出来ている長方形の袋で、古くからお酒を搾る時に「もろみ」を入れて使用されてきました。掛田商店さんでは酒袋をリメイクしてオリジナルのグッズを販売しています。

コーヒーフィルターと煮出し用お茶パックです。コーヒーフィルターは使うたびにコーヒーの独特な色合いに染められて味が出てくるそうです。

こちらは1升瓶がすっぽり入る保冷バッグです。外側は酒袋、内側にはウエットスーツの生地を使用しているそうです。商品を購入した際の持ち帰りや自宅での保管、外出時に持って行くときに便利ですね。

茶色と白色のエコバッグです。生地がしっかりしており、大きいので何でも入りそうです。

杜氏さんが大切に使用していた酒袋が生まれ変わり、私たちの日常生活で使うことができるなんてお酒好きにとっては嬉しいですね。

掛田商店さんのお酒飲めます！GWイベント情報

鎌倉の築70年以上の古い日本家屋を改築したカジュアートスペースで第24回Kahju（カジュ）祭が開催されます。各教室のデモンストレーションやレッスン、ワークショップ、物販などがあり、多くの人と交流が楽しめるイベントです。

「裏庭カフェ」では掛田商店さんのお酒やソフトドリンクの杯売りがあります。お酒は重量売りとのこと。珍しいお酒が飲めるチャンスですね。美味しいお酒を美味しいお料理と歴史ある素敵な空間で楽しみたいですね。マイ箸・マイ皿・マイカップをご持参ください。

「掛田商店ならでは」のお酒を飲んでみよう

全国の蔵元で丹精込めて作られたお酒が、掛田商店さんの素晴らしい環境で、さらに時間をかけて育まれていきます。同じお酒でも掛田商店さんでしか飲むことができない「うまさ」があります。時間と手間を惜しまず丁寧に造り上げられたお酒、心と身体、環境にやさしい美味しいものが、掛田商店さんには揃っています。

雨の日も美しい

この日は雨でした。雨の中に佇む建物は、自然や大地との共生をひしひしと感じます。幽玄で艶やかな風景に引き込まれました。

お酒を通じて人々が繋がり、想いを紡ぎ、そこから生まれるエネルギーが喜びや幸せを形にしていく。掛田商店さんの温もりのある場を応援し続けていきたいです。

横須賀市在住の方はもちろん、全国からも足を運んでいただき、お酒愛を分かち合っていただきたいです。

芋焼酎を選んでいただきました

芋焼酎が好きなので、好みをお伝えして芋焼酎を選んでいただきました。

八千代伝酒造株式会社 つるし八千代伝です。

八千代酒造さんは酒造でありながら農業法人の許可を受け、 日本で初めて全原料を自社栽培した“ドメーヌの焼酎”を醸造した酒造です。詳しいことは掛田商店さんでお話を伺ってみてくださいね。八千代伝酒造株式会社さんの精魂がひしひしと伝わりますよ。

私は最初は常温、次に冷やして頂きました。封を開けた瞬間の完熟した芋の香りにうっとり。濃厚ですっきりとした甘さ、洗練された華やかさなフルーティーな味わいです。鼻に抜ける香りといつまでも味わっていたい優しい余韻が残ります。次回はお湯割りで飲んでみたいと思います。

自分の舌でお酒を味わい尽くしたい！

飲むシーン、飲み方、温度、一緒に食べるものなどでお酒が味わいが変わりますよね。掛田商店さんを訪問してからは、一つのお酒を飲み方を変えながら、お酒のうまさを五感で味わいたいと思うようになりました。これからも美味しいお酒に出会い、味わい尽くしていきたいと思います。

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