■熱い南ゴール裏

何の変哲もない６月の土曜日。

天気予報は「晴れ」なのに、ちょっと雲がどんより出ていて、それが気になったくらい。まさかきょう、こんなとんでもない試合展開になるなんて、まったく予想だにしなかった。

日が落ちないうちに埼スタに着いておこうと家を出て、自転車で到着したのは６時半。人の数は平均よりは多いとしても、「土曜夜」「フロンターレ戦」としては、まだまだって感じかな。結果的に３万５千あまり。コロナ前なら最低でも４万人は来ていた気がする。

ファミリー層は多かった。ただ、南側自由席にも北側に負けないようなファン層もけっこういたみたいで、選手入場の際は、しばらく多くの人がスタンディングしてた。

とにかく６月の４試合で点が入ったのは天皇杯の関大相手の１点とルヴァンの清水相手の１点だけ。どうやって点を取るか、見ものといったら、そこだったな。しかし先発FWがカンテと聞いて、残念ながら、いささか期待はしぼんだ。

あカンテが　　また先発で　　うす曇り

■まさかこんな試合展開になるとは

試合が始まってしばらくは、南側ゴールに攻めてくるレッズが明らかに押す展開。大久保も２度くらいチャンスがあったのが決まらない。カンテは相変わらずあと一歩が出ずに肝心なところでボールを取られるいつもの状況。

しかし、妙に気になったのは、やたらとフロンターレがキーパーにバックパスを連発していたところ。あれ、こんなチームだったっけ？もっと相手のゴール前での華麗なパスの連続からゴールを奪うチームじゃなかったっけ、と思いながらスタメンみたら、家長とせいぜい大島くらいは知ってるくらいで、かつての主力メンバーはほとんど日本にいないんだった。ま、バックパスが増えるもの仕方ないかと納得。

新名物　　フロンターレに　　バックパス

ところが、まさか、これが後半起きる出来事の伏線だったとは。テレビの２時間ドラマだって、こんな見え見えの伏線は張らないのに。

不思議には思っていたのだ。フロンターレのGKの上福元が、いくらバックパスが多いからと言って、あんなに前に出てきて大丈夫なんだろうか、と。目立ちたいのかな？とうがった見方をしたくらい。

で、後半に入って、前に出過ぎたところを、「待ってました！」とばかりの関根のロングシュート。こういう得点を、埼スタで見たことって、あったかな？爽快でしたね。ついつい「待ってました！」と心の中で３回くらい叫んだ。

ゴールイン　　待ってました！　を　　リフレイン

ただ、その直後、オーロラビジョンにクローズアップされた上福元の呆然とした表情には、やや心痛んだね。

しかし、まさかまさかの続編が。後半、今度は南側が西川の守るゴールになると、レッズがやたらと西川にバックパス。きょうは「バックパス合戦」かと呆れていたところで、もはや事故としか思えない、あのオウンゴールが。目を疑う、ってのは、こういう場面で使うのだろう。すぐ前で起きたことなのに、一瞬信じられなかった。

こりゃもう、多くは語るまい。西川にはさんざ世話になっているのだから。次の試合にまでしっかり気分転換してショックを引きずらないように願うばかりだ。

あの失点のすぐ後に、「ナイスセーブ」も出たので、少し安心した。

試合終わって、ブーイングの中でグラウンド一周する西川に、つい「ドンマイ！」と声をかけたくなった。

「ドンマイ！」と　　声をかけたい　　夏の夜

たぶんこんな試合は、もう２度と見られないだろうな。帰って、日本テレビのスポーツニュース見たら、大谷に15分以上かけて、レッズとフロンターレの試合には一切触れず。もう慣れっこ。

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