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『結果を出してほしい2人が決めてくれた日』浦和vs柏【浦和レッズ川柳試合レビュー】

浦議浦和レッズサポーター(さいたま市)

■柏サポの気合もすごい

けっこう暖かかったが、妙に風が強く、コンビニで買い物するのに自転車を止めてると、戻って来たら自転車がぶっ倒れていたような日。埼スタに到着したのは試合開始45分くらい前だった。すでに夜。

南側自由席は、案外、人がいる。これなら全体で3万人くらい行くかなと思いきや、実際は2万6千足らずか。リーグ戦優勝の可能性はあるといってもまだトップとの勝ち点差8では、あんまり現実味はないのかもしれない。観客層は、子供もちょくちょく見かけて、普段の平日夜と休日の試合の中間くらい。なぜか私のちょっと前の席に、一人で来ていた若い女性が。若い女性と言えばカップルか、何人かのグループで来るケースが普通で、一人だけはあまり見かけない。「ソロ活女子」のムーブメントが広がっているゆえか。

元気良かったのが左横のレイソルサポだ。サポーター席は当然上までいっぱいで、45分前にも熱い応援を繰り広げていた。残留争いの渦中にいるのは、MDPで見て知った。そりゃ、応援にも熱が入る。レイソルの先発発表ではリザーブにいた元レッズの武藤と、監督の井原の時が、ブーイング、拍手含め、最も反応があった。

相変わらず、小泉は先発で出てる。スコルジャは、ああいう、一生懸命動く選手は好きなんだろうな。だが、もうそろそろ忍耐も限界。小泉も、このあたりが正念場だろう。きょうもダメで、前半だけで引っ込むことのないように。

きょうこそは  ナンバーエイトに  花束を

■スコルジャ監督の手腕に感服

さーて、「優勝争い」と「残留争い」をしているチームの戦いとなると、とかく必死度の高い後者がどんどん仕掛けていって主導権を握るものだが、試合前半はまさにそれ。いきなり始まってすぐに関根の負傷交代があったかと思いきや、しばらくはレイソルの攻勢が続いて、西川も結構忙しい。ただ、あんまり点が入りそうな迫力はなかった。レイソルっていったら、忘れられないのはオルンガだな。もう、ゴール前にボールが飛んだら、どこからでもゴール決められそうな恐怖心で、ホラー映画見てるみたいだった。あるいは戦争映画の爆撃機みたいなもんか。

きょうのレイソルは、ホームドラマ程度で、そんなに怖くない。

思い出す  空飛ぶオルンガ  爆撃機

ようやく久しぶりに先発出場した興梠は、前半40分ころにゴールをかすめるヘディングシュート。遠い方のゴールだったんで、一瞬、決まったかとみんな腰を上げたら、ほんのわずか外れ、ガックシ。チャンスらしいチャンスって、これくらいだったんじゃないかな。

後半になると、メンバーもそう変わらないのに、急にレッズの攻撃が活性化していく。

特に、私も注目していた小泉がいる左サイド。うしろの荻原も、確かまだ今期無得点だったはずだが、やたら張り切って、自分でドリブルかましてゴール前に向かっていったり。いつも通り、右の酒井の動きも鋭くて、敵ボールを奪ったり、前線に「シュートしてください」と言わんばかりのパスを出したり、左右ともエンジン全開になってきて、これならそのうち点取るだろけう、と勝手に安堵。

その得点は、ほぼ予想通りの展開で生まれた。右サイドから崩して出たシュートのこぼれ球を左から来た小泉が押し込む。

ゴール時の南ゴール裏
ゴール時の南ゴール裏

やっとだ。何度も惜しいシュートをはずしまくってる小泉が、ちょうど「出会い事故」みたいなごっつぁんゴールを決める。目標に向かってずっと挫折を繰り返していたのが、なにかのはずみで、フッと目的を達成してしまう、なんてことは人生にもしばしばある。

それがきょうの小泉だった。挫けず動き続けていれば報われる、と素直に喜んでおこう。

秋の夜に  出会いがしらの  初ゴール

それにつられた、と言っちゃ失礼に当たるかも知れないが、今度は同じ左サイド、ノーゴール仲間の荻原が、こっちはキレイな、まさに「弾丸シュート」を決めてくれた。このあたりは、なかなか結果が出なくても2人を使い続けたスコルジャ監督の力量ともいえるかもしれない。

75分くらいに、リンセンよりも、まずエカニット・パンヤを入れたのもいい選択だと思った。あとの残り試合、伸びしろたっぷりでしかもタイ人のパンヤが覚醒する方が、これからのリーグ戦、ルヴァン決勝、ACL、CWCと闘っていくうえで、絶対に強力な起爆剤になる。私は、どうも、このパンヤが「ラッキーボーイ」になる気がしてならない。

幸運の  運び屋となる  パンヤかな

10月下旬の夜なのに、まだそんなに寒くない。上着を着て来なくても観戦には困らなかった。

勝利のあとの選手挨拶
勝利のあとの選手挨拶

動画:リンセンが大爆発!!浦和レッズ川柳2023【9月編】

山中伊知郎

1954年生まれ。1992年に浦和に引っ越して来て、93年のJリーグ開幕時にレッズのシーズンチケットを取得。以後30年間、ずっとシーズンチケットを持ち続け、駒場、ならびに埼スタに通う。2021年より、レッズ戦を観戦した後、「川柳」を詠むという「レッズ川柳」を始める。現在、去年一年の記事をまとめた単行本『浦和レッズ川柳2022』(飯塚書店)が好評発売中。

代表を務める「ビンボーひとり出版社」山中企画では、8月、テレビの夢グループCMで、石田社長の横で「社長~! 安くしてエ~!」の甘え声でお馴染の歌手・保科有里の『愛人!? 困っちゃう・・・』という本を出す。秋には、タブレット純とエド山口の対談本を出す予定。

11月27日(月)、東京都江戸川区のタワーホール船堀・小ホールで『ちょっと昭和なヤングたち90回スペシャル』も開催。入場料は2000円ながら、地元の江戸川区民は500円割引して1500円。

浦和レッズサポーター(さいたま市)

浦和レッズに関する情報をまとめたり、議論したりする『浦議』を1998年から運営しています。最近はYou Tube「浦議チャンネル」もやっています。浦議チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCAFN4-ne2gUkEl6xddW71hA

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