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イラストから現実の服の素材を探す方法 コスプレ衣装制作講座5-3

実際に作ってみたら形は似ているけど何か違うという事がありますよね。

絵で描かれている洋服は書いている人も素材まで考えて書いている人ってあまりいないと思うのですが、シワのでき方で大まかな生地の厚さや素材を推測することが出来ます。

・ニットと織物

どう違うか口で説明はできなくても目の前の人が着ている服が、ニットなのか織物なのかなんとなく感覚で分かりませんか?

3Dで再現しています
3Dで再現しています

左が織物右がニットです。(3Dで再現したものです)
人間は動くので、体を動かすためのゆるみが必要です。

筋肉は曲げると膨らみますし、腕をねじったりするときにぴったりだと窮屈で摩擦が気になったりしますよね?
なので織物で作る場合はその運動量に応じてゆるみを入れます。
ニットは伸縮があるので、筋肉のふくらみや動きに応じて伸びます。
伸縮率によっては、服が体より小さいものも存在します。

織物はゆるみがあるので生地を支えているのが肩と胸なので、しわは縦方向になります。
ニットは左右に引っ張られるので、ゆるみが少ない服の場合横方向にシワが入ります。
織物はゆるみがないと着られないので、横方向のシワがある時点でニットだと推測ができます。

ただし、ゆるみによってシワの向きがかわるのでニットでもゆるみが多ければ縦方向にシワが入ります。

また、すそをズボンなどのベルトに入れている・腕まくりをしている等、固定されている場合そのすぐ上のシワは横向きになる事があります。

厚さと張り

布のシワ(ドレープ)は生地が柔らかいものほど細かく滑らかにでます。
厚いものや張りのある生地は繊維の強度でシワが大きくできます。

着物の生地は薄いものもありますがノリがきいていて張りがあるのでシワは大きくなります。

厚い生地と薄い生地でもシワの量が変わります。
薄いものほど細かいシワになり、厚いものはヒダが大きくなり端側のうねりが大きくなります。
薄くても芯を貼ったり、裏地を付けると、それが張りになり、厚地と同じようなシルエットになる場合があります。
生地は薄そうなのにシワがあまりない場合は裏地がついているという場合も想定できます。

まとめ

シワの向きでニットか織物か判断できる。

シワの細かさで厚いか薄いかが分かる。
薄そうなのにシワが大きい場合はノリがきいているか、芯などで補強されている。
と考えると再現するときの生地の選択がしやすくなると思います。

>>コスプレ衣装の作り方講座 目次

前 使いたい柄なのに風合いが違う生地をうまく使う方法。

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洋裁好きを増やし挫折する人を減らすのをライフワークとして、世界一やさしい洋裁教室を目指してネットで服や布小物の作り方を公開しています

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