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手作りを仕事にするならいくらの値段を付けたらいいの?

お裁縫をやっていると値段の付け方が分からない方多いと思います。
また、「まだ腕がないから安くしよう」という方もいらっしゃるでしょう。

でもね
安い金額を付けると後で後悔しますよ!

価格が安いとなぜいけないの?

価格を安くすると沢山売らないと十分な収入になりません。
洋裁はずっとやってるけど、営業の経験は?販売の能力はある?

服を作る能力と、物を売る能力は別物です。

貴方が望んでいる収入を販売する商品の利益(材料費などを抜いた金額)で割ると何個作らないといけないかわかると思います。

商品を作る時に時間を測りましょう。
今はスマホにタイムウォッチの機能もありますから正確に測れると思います。
それに、営業、販売ページの製作、打ち合わせ、デザイン、パターン製作、材料の買い出しにかかった時間も加えてください。
ハンドメイドの販売初心者の方はここを入れ忘れていることが多いです。

金額が思いつかないなら

時給×先ほど出した製作にかかる時間+材料費+維持費+技術料=商品の値段

維持費というのは作業する場所の家賃や水道光熱費などを
売れるであろう個数で割ったもの
項目増やすとややこしいので梱包の材料等もここに入れてもいいと思います。

技術料も忘れずに!
縫製工場は昨日入ったばかりの素人でも最低賃金は絶対もらえるんです。
素人と違って1時間で縫えるものも、1時間で縫えるようになるまでにかかった努力と投資があるからでしょう?
自分で商品を作って売ろうという方はそれなりの裁縫の経験があるからやってみようって思うんですよね。
なのに、昨日はじめてミシンを触る人より低い金額にしていませんか?

さてそうやって出した金額で、あなたが欲しいと思っている月収を割ってみましょう。
何個作って売らないといけないかわかりました?

その数をあなたは販売する能力ありますか?

既製品と金額で競わない

既製品は大量に材料を仕入れて大量に作るから安くできるのです。
個人が大量生産の商品と金額で戦えるわけがありません。
安くすれば安くするほど自分の【工賃】が下がるのです。
つまり自分で自分の価値を下げているようなものです。

病気になった時に困るよ

沢山作らないといけないという事はそれだけの時間を多くとられるという事です。
特にオーダーなど受注生産など毎月作れるギリギリの数受けれたとして、病気で倒れた時個人でやっていると代わりに縫ってくれる人はいません。
病気の中、お客様全員に納期が遅れる旨連絡したり、キャンセル対応もしなくてはなりません。

最初の値段が安いと値上げがしにくい

自分の技術からするとこの金額でと低い金額を付けるんじゃなくて
適正な金額でそれに見合った技術の品を作るという感覚でいないと腕も上がらないし、売れないし、赤字ばかりで継続が困難になります。

赤字になる金額で作っちゃダメです。

安さを売りにすると本当のファンがつかない

安さをアピールポイントにすると、ほかに安い所が現れたらそこにお客さんは流れて行ってしまいます。
例えばスーパー。
安いからその店で買ってたけど他に安い店が出来たらそっちに行く人が増えるというのは想像つきますよね。

安い金額でやっていると、値上げすると離れて行ってしまいます。
そしてまた新しく新規開拓しないといけなくなります。
なら最初から自分にとっての適正価格ではじめて、リピーターさんを増やしていく方がよくないですか?
値段で勝負するのではなく、大量生産にない細かい変更に対応できるとか、センスいいとか、他の商品に比べてこれが便利だとか、金額以外をアピールして、その価格が安いと思わせるのが大事です。

貴方が作るのは大量生産品じゃない

冷静に考えてください。
自分の作ったものを売る。
つまりあなたは自分のブランドの店長なんです。

店長が、アルバイトと同じ、もしくはそれ以下の時給で働いていいのかと。
自分の価値を下げて物を作って楽しく続けるのは難しいです。

営業とは演出

その商品のその金額は適正である。
もしくはお得だと思って頂いて気持ちよく購入していただく。

そのために、他の製品とどう違うのか。
その製品を手に入れるとどういうメリットがあるのか。

お客さんがそれに納得、価値を見出してもらえるよう、商品を演出しないと写真と値段だけしかなければ、安いほうに写るのは当然ですよね

目安って

そでのない裏地もないシンプルなワンピースでも工賃は一万円以上もらわないと後々辛いですよ。

冷静に考えてみてください。
一か月一生懸命色々作ったのに月10万以下の手取りって少ないですよね。
でもその少ない10万を稼ぐために
1万円の工賃でも10個売らないといけないんです。
ちょっと家計の足しになればという想定でも4~5万は考えますよね。

低い工賃だと最初の数か月は何も言われないかもしれません。
でもそのうち家族に家が散らかるし、バイトに行った方がマジじゃない?なんて言われることも起きるかもしれません。

金額が低いと自分のやりがいという精神力を赤字の担保にして最初のうちはこなせます。
しかし、やりがいがなくなった時、それまで楽しかったはずの事が嫌いになってしまいます。
正当な対価で受け取る儲けは、悪ではありません。
文字通り【正当な対価】なのですから。

家計の余裕は心の余裕につながりますよ。

もくじ

型紙一覧

洋服の作る手順について

コスプレ衣装の作り方

日本最大のホビーショー2022 手芸道具の新商品や講座の紹介

洋裁好きを増やし挫折する人を減らすのをライフワークとして、世界一やさしい洋裁教室を目指してネットで服や布小物の作り方を公開しています

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