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何時もの休日ばかりではもったいない!運動不足を解消し、脳を刺激する散歩コースを歩く旅人がご紹介

わか子ライター

平日は家事や仕事に疲れてしまい、休日にはぐったり。そんなことはありませんか?疲れを翌週に持ち越さないためにも、休日は心身ともにリフレッシュしたいものです。ゆっくりと体を休ませるのも大切ですが、1日は外に出かけて軽い運動はいかがでしょうか?もちろん、難しい運動をお勧めするわけではありません。散歩がてらのウォーキングです。

また、日頃から散歩やウォーキングを楽しまれている方は、どうしても自宅近くの公園や川沿いなどのいつものコースになってしまいがちです。たまには出かけていつもと違う景色や街を楽しむウォーキングをしませんか?。

日常ではないウォーキングの楽しみは、歩く街を知ることです。街の歴史を感じ、その歴史を物語る史跡に学ぶ。そう、ただ歩くだけではもったいない!歴史を吸収し、脳を刺激して活性化しましょう。晴れの日に楽しむウォーキングは江戸時代の歴史が詰まっている五街道をあるいてみませんか?五街道の一つである中山道を歩いて運動不足を解消し、歴史を学び脳を刺激して活性化するウォーキングをご紹介します。

  • 今回のコース:中山道板橋宿 街道歩き2
  • 場所:東京都 JR巣鴨駅(東京都豊島区)~都営三田線板橋本町駅(板橋区大和町)
  • 距離:約5km 
  • 時間:1時間半~2時間半

歩く旅のスタートは巣鴨駅です。巣鴨駅を降り立つと目の前の大きな通りは江戸幕府が造った五街道の一つである中山道です。今回は、この中山道を歩きながら名所・史跡を巡るコースをご紹介します。

江戸六地蔵 真性寺

巣鴨駅を出発して国道17号中山道を北に進み、旧中山道は国道17号より左(西)に分かれて進んでいきます。ほどなく有名なとげぬき地蔵がある巣鴨地蔵通商店街になります。大通りである国道17号より左手、商店街の手前に真性寺があります。ここは江戸六地蔵の第4番であるお地蔵様が安置されています。巣鴨と言えばとげぬき地蔵が有名ですが、こちらのお地蔵さまた高さが2.68m、銅造の地蔵菩薩坐像であり大変立派なお地蔵様です。是非、立ち寄ってみてください。江戸六地蔵とは江戸の主要街道の出入口6カ所に安置されたお地蔵様で、現在も5体が現存しています。8代将軍徳川吉宗もたびたびこのお寺に立ち寄ったと言われています。

巣鴨 真性寺にある江戸6地蔵
巣鴨 真性寺にある江戸6地蔵

巣鴨地蔵通り商店街、とげぬき地蔵

巣鴨地蔵通商店街はおばぁちゃんの原宿ともいわれており、大変にぎわっている商店街です。また、高齢者向けの街頭インタビューもこちらで行われている事が多くあります。

おばぁちゃんの原宿と言われる商店街
おばぁちゃんの原宿と言われる商店街

商店街を進んだ先にとげぬき地蔵で有名な高岩寺があります。とげぬき地蔵の由来は、江戸時代、ある女が針を誤飲してしまった際、地蔵の姿が書かれた御影と言う紙を飲み込んで吐き出したところ、御影に針が刺さっていて針を吐き出すことができたと言われています。そこから病気の治癒改善にご利益があるとされ多くの参拝者が訪れています。本尊の地蔵は、秘仏であり公開されていませんが、御影に祈願するなどして信仰されています。

とげぬき地蔵が安置されている高岩寺
とげぬき地蔵が安置されている高岩寺

巣鴨地藏通商店街をぬけるとしばらく歩きます。しばらく歩く区間はゆっくり歩かず、ウォーキングの気分で少し速足で歩きましょう。そうです、史跡や名所がない区間は運動不足解消の時間です!

近藤勇の墓

都電荒川線を渡り、JR埼京線の板橋駅手前にある東口に曲がった場所に新選組「近藤勇」のお墓があります。近藤勇は1868年(慶長4年)4月に捕らえられてなくなるまでの間はこの先の板橋宿の脇本陣に幽閉されていました。

近藤勇 墓
近藤勇 墓

中山道二番目の平尾の一里塚(現存せず場所は不明)

五街道には距離や時間の目安として、当時の旅人が一時間に歩く距離である一里(3.927km)ごとに塚が造られて木が植えられました。これを一里塚といいます。JR埼京線を渡る辺りが江戸から二番目の平尾の一里塚があったとされていますが、塚は現存せず場所も特定できないようです。新選組の近藤勇が平尾の一里塚付近で処刑されたという記録があるようなので、何か関係があるのかもしれません。現存する一里塚は少ないのですが、中山道ではこの先に三番目の志村の一里塚が残っています。

旧中山道はJR埼京線の線路を渡り、その先で首都高が上を走る国道17号を斜めにわたります。信号がある横断歩道を渡った先で右に入ってく先は板橋宿なのですが、ここが中山道の平尾追分になるようです。

川越街道と分かれる平尾追分

追分とは街道から道が分かれる場所を言い、平尾はこの辺りの地名です。平尾追分は、中山道と川越街道との分岐点で、川越街道は日本橋からこの場所まで中山道を歩き、ここから先は川越街道として川越城下(現在の川越市役所付近)までの約43kmの道のりです。城を築く名人と言われた太田道灌が江戸城と川越城を築いて以来、川越街道は二つの城を結ぶ道になりました。日本橋から川越までは13里あることから、「栗(9里)より(4里)うまい13里」と川越の芋は栗より美味しいとも歌われたそうです。確かに川越のさつまいもは美味しいですよね。平尾追分を過ぎると中山道最初の宿場である板橋宿です。現在、平尾追分と言われている場所には石碑や説明版などはありませんでした。

中山道 平尾追分
中山道 平尾追分

中山道の最初の宿場 板橋宿

中山道最初の宿場である板橋宿は、東海道の品川宿、甲州街道の内藤新宿、日光・奥州街道の千住宿と並ぶ江戸四宿の一つです。江戸からの距離が近いく、旅人を見送る人もここまでやってきたり、加賀藩の下屋敷が近くにあったとで武士の往来も多かったと言いまが、反面、江戸に近いので素通りされることも多くありました。しかし、宿泊者が少ないと宿場は経営が困難となるので、飯盛り女が置かれるようになり、江戸庶民の娯楽の場・憩いの場となったようです。

都内最古の庚申(こうしん)塔

板橋宿にある観明寺に都内最古の庚申塔があります。庚申信仰とは江戸時代にはやった長寿を願う信仰の一つで、願いを込められてまつられたのが庚申塔です。旧街道を歩いていると比較的よく見かける庚申塔なのですが、こちらの庚申塔は都内最古のものとあり、造設は1661年(寛文元年)で、2023年の362年前の物です。

都内最古の庚申塔
都内最古の庚申塔

大正時代に建てられた米店は現在も営業中

板橋宿内を歩いているとひときわ目を引く歴史を感じる建物が残っています。1914年(大正3年)建築であり、2023年の109年前です。築100年以上の建物なのですが、大正時代という事もあり、宿場の趣が感じさせられる木造建築にレンガのうだつという組み合わせが近代化を感じさせられます。現在も営業されていますがお米屋さんではなく飲食店となっていっます。

築100年を超える建物
築100年を超える建物

板橋宿本陣

板橋宿本陣は飯田家が務めました。本陣とは街道を通行する大名などの宿泊施設であり、庶民は旅籠や木賃宿に宿泊しました。板橋宿は江戸に近いので宿泊する大名は少なく、主に休憩所や藩主と江戸の家臣との謁見(えっけん)に利用されました。本陣建物は明治23年(1890年)に火災で焼失しており、現在は石碑と説明版があります。

板橋宿本陣 飯田家跡
板橋宿本陣 飯田家跡

板橋の名前の由来となった板橋、現在はコンクリート製

板橋の名前の由来は板橋宿に流れている石神井川にかけられている板橋と言われています。板橋と言う地名の由来は室町時代までさかのぼるようですが、江戸時代に入り宿場の名前となり、その後町名となり板橋区になりました。江戸時代には太鼓状の木製の橋で幅が約5.4mもありましたが、現在はコンクリート製の橋となっています。橋の麓に「距日本橋二十五町三十三間」と書かれた木柱があり、計算すると10.349kmです。

板橋の名前の由来の板橋
板橋の名前の由来の板橋

縁切り榎(えのき)

板橋宿最後の見どころは縁切り榎です。文字通り縁が切れると言われている木で、現在の榎は三代目になるそうです。江戸時代、この場所には木の下を通ると不縁になると言われる樹齢数百年になる大榎があり、嫁入りの際には木の下を通らなかったそうです。1861年の江戸末期、皇女和宮が徳川14代将軍家茂に降家の際には迂回(うかい)して遠回りされています。それに加えて榎にむしろまでかぶせられたとあり、縁切りの効果は強いのかもしれません。男女の悪縁を切りたい時や断酒を願う人が訪れており、女性の姿を見かけますが、現在では悪縁を切り良縁を結ぶ開運榎と呼んでいるそうで、絵馬やお守りは近くの蕎麦屋などで購入できます。

縁切り榎
縁切り榎

巣鴨駅を出発して今回の目的地は都営三田線板橋本町駅です。板橋の橋のたもとに立てられていた木柱のレプリカが地下鉄入り口の公園にあります。

都営三田線板橋本町駅入り口隣の本町街かど公園
都営三田線板橋本町駅入り口隣の本町街かど公園

前回に引き続き、旧街道を歩いて日頃の運動不足を解消し、同時に歴史を吸収して脳を活性化させる旅。歩く旅は比較的お金がかからないで楽しめ、見所もたくさんあり、歩きごたえも十分あります。

日頃、ウォーキングに取り組まれている方にとっては距離が短く感じられるかもしれません。もう少し歩いてみたいと思われる方は前回の日本橋からのウォーキングにつなげて歩く事ができます。合わせて歩くと距離は約12km、時間は3時間から4時間ほどになります。
ぜひ、お天気の良い週末に出かけてみてください。

今回歩いたコース

Googleマイマップ
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前回の記事:中山道歩きの日本橋から本郷までの記事はこちら

ライター

東京都在住のおばさんです。子育てが落ち着いてきた頃より趣味で登山や街道歩き等を始めました。歩く旅は大変だというイメージがありますが、歩く事で解る楽しみもあります。実際に歩く旅をして、歩く旅の楽しさをお伝えしたいと思っています。

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