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エンディングロールまで気が抜けない!!「ラスト5分が強烈」なトラウマ級の衝撃作3選

渡辺晴陽作家・脚本家/エンタメアドバイザー

映画でもアニメでもドラマでも、名作には「どんでん返し」や「衝撃的なエンディング」が印象的な作品がよくありますよね。特にミステリー作品では「意外な人が犯人」だったり、「意外な真実」が隠されていたりして驚かされるものも多いです。

中には、あまりの衝撃に「えっ?」とつぶやいて硬直してしまうような作品もあります。

今回はそんなラストが衝撃的な作品の中から、以下の2点にこだわって、邦画、洋画、アニメと計3つの作品をピックアップしてみました。

  • エンディングの直前に思わぬ衝撃展開がある
  • 長いシーン展開ではなく、一瞬で劇的なことが起こる

つまり、物語の最後の最後に放たれる短い言葉や、ちょっとした行動で、物語の結末が劇的に変わってしまう作品です。それでは、3作品、ネタバレひかえ目でご紹介します。
※一部内容に触れるので、内容を知りたくない方はご注意ください。

衝撃に次ぐ衝撃、ラストでは爆発的展開!!

邦画『告白』

『告白』
公開は2010年。原作は湊かなえさんの同名小説で、監督・脚本は中島哲也さん。
主演は松たか子さんで、岡田将生さん、木村佳乃さんらも共演しています。
また、当時5歳の芦田愛菜さんも、松たか子さん演じる森口悠子の娘・愛美役で出演しています。
少年犯罪や家庭内暴力などを扱った内容から、映倫によるR15+指定を受けています。

※イメージ
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本作は、中学校の生徒に娘の愛美(演:芦田愛菜)を殺害された森口悠子(演:松たか子)が、中学を舞台に事件の真相を追う物語です。

わたしは、シングルマザーです。娘の愛美は死にました。
(中略)愛美は、このクラスの生徒に殺されたんです

悠子がそんな衝撃的な言葉を口にするシーンから始まる本作ですが、その後も衝撃の展開が続きます。
悠子は事件の犯人を探し復讐することを心に誓っていますが、「教師であるからには生徒の更生を促すべき」と、ある人物が悠子を止めようとします。そして、悠子は当初の計画をあきらめ、ある行動に出ます。

映画では原作にはなかった〈あるセリフ〉が印象的に使われていて、そのセリフが結末に大きな衝撃をもたらし、何とも言えない後味の余韻が残ります。
ラストのセリフがどういう意味を持つのかが話題になり、ブログなどで考察をしている人もいました。

衝撃に次ぐ衝撃。そして、ラストでドカンと強烈なショックを与えてくれる本作は、口コミで人気になり、公開からおよそ半月で観客動員数は100万人を超え、日本アカデミー賞で四冠を達成したほか、数々の賞を受賞しています。

S.キングの原作を超えた劇的結末!!

洋画『ミスト』

『ミスト(The Mist)』
2007年アメリカで公開(日本では2008年)。
原作は、スティーヴン・キングさんの中編小説『霧』で、監督・脚本はフランク・ダラボンさん。
ダラボンは、キング原作の『ショーシャンクの空に』と『グリーンマイル』も映画化しており、両作品とも高く評価されました。そして、本作が3作目となるキング作品の映画化です。
前2作はヒューマンドラマ色の強い作品でしたが、本作はホラー映画としての性質が強い作品です。

※イメージ
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本作は、嵐の翌朝、街全体に霧が立ち込めたシーンから始まります。

霧の中に何かがいる

誰かがそう言い出したかと思うと、霧の中から巨大な虫や怪物が現れて人を襲いだします。
主人公のデヴィッドは、幼い息子のビリーを守りながらスーパーに逃げ込みます。
スーパーにはデヴィッドたちの他にも大勢の人がいます。スーパーの外では何人もの人が怪物の犠牲になっており、スーパーにも怪物が押し寄せてきている。そんな極限の状態で人々は次第に暴走していきます。
それでも懸命に息子を守り抜こうとするデヴィッドですが……。

映画史上かつてない衝撃のラスト15分

予告編ではそんなアナウンスがされていました。

この作品は、原作と映画とで結末が大きく異なっており、原作者のキングはその結末を絶賛していたそうです。ダラボン監督の描いた新しい結末によって、ただ怖いだけのホラー作品ではなく、深いドラマ性を持つ映画になったと言っても過言ではないでしょう。さすがは『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』という名作を監督したダラボンといえる手腕です。
なお、本作は2013年にイギリスの雑誌で「原作を超えた映画ベスト50」第1位を獲得しているとのことです。

衝撃的過ぎてみんな固まった!?

アニメ『Phantom 〜Requiem for the Phantom〜』

『Phantom 〜Requiem for the Phantom〜
 (ファントム レクイエム・フォー・ザ・ファントム)』
TV放送は2009年。全26話。
原作はニトロプラスのアダルトゲーム『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』ですが、このアニメは年齢制限のない全年齢向けの作品として作られています。
出演声優は、入野自由(ツヴァイ/吾妻玲二役)、高垣彩陽(アイン/江漣役)、沢城みゆき(ドライ/キャル・ディヴェンス役)、 久川綾(クロウディア・マッキェネン役)ほか。

※イメージ
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本作は、インフェルノというアメリカの新興犯罪組織と、組織に所属するファントムと呼ばれる凄腕の暗殺者たちの物語です。

主人公の吾妻玲二(cv:入野自由)はアメリカを旅行していたときに、ファントムの一人であるアイン(cv:高垣彩陽)がジャーナリストを殺害する場面を目撃してしまいます。
一度は組織に命を狙われた玲二ですが、暗殺者としての素質を見いだされ、新たなファントム・“ツヴァイ”へと育て上げられます。

ツヴァイとなった玲二は、凄腕の暗殺者としてミッションをこなす一方で、組織を抜けて元の日常へ戻る手段を画策します。

フィルム・ノワールに近いような、殺し屋たちのガンアクションがカッコイイシリアスな作品ですが、たまにほっこりと和(なご)める場面もあり、程よい緩急のある本作。
アメリカだけでなく、日本を舞台とした暴力団との抗争など、世界を股にかけた物語が楽しめます。
そして、最終話には衝撃の展開が待ち受けています。時間にするとわずか数秒のシーンですが、呆然(ぼうぜん)とするほどの衝撃を受けるはずです。
ちなみに、何も前置きせずに本作を友人に見せたところ、そのシーンを見た瞬間に凍り付いたみたいに固まったまま、しばらく動けなくなっていました(笑)。

衝撃作は他にもまだまだ

今回は邦画からは『告白』、洋画からは『ミスト』、アニメからは『Phantom 〜Requiem for the Phantom〜』の3作品を取り上げましたが、衝撃的なラストを迎える作品は他にもまだまだあります。

※イメージ
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トラウマ級の衝撃作ということで、今回の3作品はいずれもバッドエンド寄りの展開ですが、ハッピーエンドの作品も、もちろん沢山あります。

バッドエンドか、ハッピーエンドか……。

いずれにしても、物語が完全に終わるまで、どう転ぶか分からないドキドキハラハラ感を楽しめるのが、“ラストが衝撃的な作品”ですよね♪♪
ゆったりと見られるほのぼの系の作品も面白いですが、見終わった後に放心してしまうような衝撃作を観るのもたまには楽しいはず!

みなさんも記憶にこびりついて忘れられないような、強烈な衝撃作を探してみては!?

作家・脚本家/エンタメアドバイザー

国立理系大学院卒、元塾経営者、作家・脚本家・ライターとして活動中。エンタメ系ライターとしては、気に入ったエンタメ作品について気ままに発信している。理系の知識を生かしたストーリー分析や、考察コラムなども書いている。映画・アニメは新旧を問わず年間100本以上視聴し、漫画・小説も数多く読んでいる。好みはややニッチなものが多い。作家・脚本家としては、雑誌や書籍のミニストーリー、テレビのショートアニメや舞台脚本などを担当。2021年耳で読む本をつくろう「第1回 児童文学アワード」にて、審査員長特別賞受賞。

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