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『ルパン三世 ルパンvs複製人間』マモーの頭脳 維持には二郎系ラーメン13.5万杯のエネルギー!?

渡辺晴陽作家・脚本家/エンタメアドバイザー

本日(4月28日)の金曜ロードショーは、『ルパン三世 ルパンvs複製人間(クローン)』ですね!
この映画はルパン三世シリーズの劇場アニメ第1作で、製作は1978年と、55年前!!
それなりに昔の映画なのに、今見ても充分面白くて、何度も見ているのに放送されるたびに、つい見てしまいます。

この先、ちょっとネタバレ有り!! これから視聴する予定の方はご注意ください!
この先、ちょっとネタバレ有り!! これから視聴する予定の方はご注意ください!

劇場アニメ『ルパン三世 ルパンvs複製人間』を見ていて、無駄に理系なワタクシは、いつもあることが気になってしまいます。

マモーの本体の"脳味噌"はどうやって維持されているのか?

本作には、マモーという敵キャラクターが登場します。

マモーは“クローン技術により不老不死になり1万年を生きている”人物で、作中に何体もの複製(クローン)が現れます。
そんなマモーの本体は、クローンの130代目だという巨大な脳味噌でした。

マモー本体は身体がすでにない状態で、脳味噌だけが培養カプセルのような場所で生かされていましたが、あの巨大な脳味噌を生かし続けるのは、かなり大変なことなのではないでしょうか?

ということで、マモーを科学的に解析してみよう!!

今回は消費エネルギーの面に注目して、その大変さを考えてみます。

マモーの脳の大きさはどれくらいか?

まず、マモーの脳味噌がどれくらい巨大かを求めてみます。

そのために参照したのは、脳味噌の全体像とルパンが同時に画面に表示される、脳味噌マモーの登場シーンです。このシーンにおけるルパンの身長と脳味噌本体の高さを測ってみました。

【ルパンの身長(179cm)】:【脳味噌の高さ(Xcm)】=4:15
【ルパンの身長(179cm)】:【脳味噌の高さ(Xcm)】=4:15

なお、アニメでは脳の下に延髄やその先へとつながる神経の束も描かれていましたが、今回は大脳(正面から見える前頭葉の部分)の縦の長さを計りました。
(※上図、脳中央部にある円形のくぼみ辺りまで。左右の出っ張りは除外)

表示する画面によって実測値は変わってしまいますが、大きさの比率は変化しません。
そこで、ルパンの身長と脳味噌の高さの比率を求めてみたところ・・・

【ルパンの身長】:【脳味噌の高さ】は、およそ4:15という結果になりました。

ルパンの身長は179cmとのことなので、約180cmとして計算します。
すると、脳味噌の高さは約675cmになります。
約7メートルの脳味噌。実際に見たら、あまりの巨大さに卒倒しそうです。

これだけ巨大な脳味噌ですから、エネルギー消費もすごそうです。

通常の成人男性の脳は一日に約440キロカロリーを消費する

成人男性の脳は1400mlほどだと言われています。
その脳で、全身で消費するエネルギーの約2割を消費しているそうです。

成人男性の一日のエネルギー消費量は約2200キロカロリーなので、脳のエネルギー消費は一日当たり440キロカロリーほどになります。

マモーの脳の体積は?

マモーの脳味噌をざっくりと半径675cmの半球だと考えると、マモーの脳の体積は約643,798,1253mlとなります(円周率は3.14として計算)。

イメージ:脳を半球としてとらえる
イメージ:脳を半球としてとらえる

先述した通り、成人男性の脳は約1400mlです。
一方、マモーの脳味噌は6437981253mlになりました。
つまり、マモーの脳は、標準的な成人男性の約46万倍の大きさです。

マモーの脳のエネルギー消費量は、一日2億キロカロリー以上!?

脳の容積とエネルギー消費量が同じ割合で増えると仮定すると、マモーの脳味噌のエネルギー消費量は440キロカロリーの46万倍となります。

その値は・・・

なんと、約202,336,553キロカロリー!!
今回の計測からは除外した大脳の下の神経部分の細胞のエネルギー消費も考えればそれ以上になるかもしれません。

カロリー増し増しな二郎系ラーメンでも並(小盛り?)が、一杯1500キロカロリー前後だそうですので、202336553キロカロリーは約13.5万杯分になります。

※イメージ
※イメージ

マモーさん、食費が半端ねぇよ!!

上記のようなラーメンが、一杯1000円(税抜)だとして、ラーメンで必要なエネルギー量を満たした場合は、一日の食費はなんと1億5千万円ほど!!

大食い系の番組を見ていて、「フードファイターの人は食費が大変そうだなぁ」なんて思っていましたが、それとは比較になりませんね。

まして、培養状態で維持するとなると、コストは計り知れません。

マモーは世界の富の3分の1を支配していたそうですが、自分自身の脳味噌を維持するだけでも途方もないお金がかかるので、莫大な富を求めるのも肯けますね。

作家・脚本家/エンタメアドバイザー

国立理系大学院卒、元塾経営者、作家・脚本家・ライターとして活動中。エンタメ系ライターとしては、気に入ったエンタメ作品について気ままに発信している。理系の知識を生かしたストーリー分析や、考察コラムなども書いている。映画・アニメは新旧を問わず年間100本以上視聴し、漫画・小説も数多く読んでいる。好みはややニッチなものが多い。作家・脚本家としては、雑誌や書籍のミニストーリー、テレビのショートアニメや舞台脚本などを担当。2021年耳で読む本をつくろう「第1回 児童文学アワード」にて、審査員長特別賞受賞。

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