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GWなのに予定がない…は、むしろラッキー? 外出よりもお得な〝おうちエンタメ〟で充実しよう!

渡辺晴陽作家・脚本家/エンタメアドバイザー

ゴールデンウィーク(以下、GW)も後半戦に突入します。
いや、1日と2日は学校やお仕事に行っている人にとっては、3日からがいよいよGW本番と言ってもいいかもしれませんね! 6日(土)が休みなら5連休が待っています!!

旅行やショッピングなんかの予定を立ててワクワクしている人も多いことでしょう。
一方、「せっかくの連休なのに予定がない!」と焦ってる人もいるかもしれません。

でも大丈夫!!

というか、GWに予定を立てていなくて、むしろラッキーかもしれませんよ!
GWはお出かけよりも、家でエンタメ作品を見るのがお得なんです!!

今回はGWに予定がない人に向けて、「GWはおうちエンタメ」がお得な理由をざっと説明していきます。また、記事の終わりには、GWを利用して鑑賞するのにちょうど良さそうな作品を「友人と」、「恋人と」、「親子で」の3つのシチュエーション別にご紹介します!

まずは、GWにお出かけをすることのメリット・デメリットを整理してみましょう!

GWにお出かけをするメリット・デメリット

GWにお出かけするメリット

  1. 2泊3日以上の旅行ができる
  2. GW限定のイベントなどが行われる
  3. 友人、恋人、親子などでスケジュールを合わせやすい

今回のGWは5月1日、2日を休めば9連休になります。これだけ時間があれば、前後に準備や休息の日を設けても、5~6泊くらいの長めの旅行が可能です。また、行楽地や娯楽施設ではGW限定でイベントが行われることもあります。それらはGWでなければ体験できません。
GWは公的に定められた休日なので、職場の違う友人や恋人、あるいは親子などでスケジュールも調整しやすいでしょう。

このように、GWにどうしても行きたい場所があったり、参加したいイベントがある場合は、GWのお出かけもアリでしょう!!

GWにお出かけするデメリット

  1. 繁忙期は何をするにも出費がかさむ
  2. 行楽地は大混雑し、渋滞や行列などに巻き込まれる
  3. 楽しみ切れないリスクがある

宿泊、娯楽施設、交通機関などの利用料には繁忙期の割り増しがついていることが多いです。JRでは最繁忙期に指定されていて指定席特急券が400円増になるそうですし、ホテルはエリアによっては2倍ほどの価格になることも。また、公衆トイレやベンチなどが混みあい、ちょっと休憩をするだけでも、カフェやファーストフードを利用することになって出費がかさみます。
さらに、今年のGWは、新型コロナ関連の規制が概ね解除されたこともあり、国内旅行が盛んになって、全国的に行楽地が混み合っているそうです。そのため、高速道路では何十kmもの長い渋滞予想も出ていますし、テーマパークのアトラクションなどは3時間以上の待ち時間もあるようです。

このように、GWにお出かけするデメリットは何と言っても「混雑」です。せっかくお出かけしても、渋滞と行列でぐったりでは、充分に楽しめないかもしれません。
また、繁忙期料金や休憩にかかる費用など、かさみがちな出費も捨ておけません。
無理やり予定を詰め込んでも、疲れるばかりで後悔することになる可能性も・・・

科学考察記事っぽく、ちょっと計算してみます!!

遊園地に行ったらGWは入園チケット(フリーパス)がいつもの2割増し、乗り物は一般的なものでGWは1時間待ち(通常時は10分待ち)、人気なものはGWは3時間待ち(通常は1時間待ち)で、アトラクションの所要時間が30分だったとして、(人気)→(一般)→(一般)の順で繰り返して乗ったとします。9時開園~19時閉園の10時間滞在したとすると・・・。

通常時なら最大で、人気アトラクション4つ、一般的アトラクション6つ、合計10のアトラクションに乗れます。一方、GWは人気アトラクション2つ、一般的アトラクション2つ、合計4つのアトラクションにしか乗れません。
通常時のアトラクション一つ辺りのチケット代【X/10】
GWのアトラクション一つ辺りのチケット代【1.2X/4】
【X/10】:【1.2X/4】=1:3

つまり、チケット代は実質3倍の値段という計算になります(アトラクションに乗ることだけを目的とした場合)。もちろん、トイレや食事の時間、移動の時間、予約の利用などでこの計算通りにはなりませんが、GWは混雑して移動や順番待ちの時間が増えるのは確かでしょう。いつもより高いのに、実際に楽しめる時間はいつもより少ない。よく考えると、これってなかなかキツいかも・・・

GWは“おうちエンタメ”がオススメ!

GWはお出かけよりも、家でエンタメ作品を鑑賞するのがいいでしょう。
勉強にもなるドキュメンタリー作品や、人生観を変えるようなドラマ作品を見るのもいいですし、肩の力を抜いてアニメやコメディーを見るのも良いですね!
そんな「おうちエンタメ」のメリット・デメリットを考えてみます。

GWに“おうちエンタメ”のメリット

  1. コスパ・タイパがいい
  2. いつもはできない一気見ができる
  3. 大切な人とゆっくり濃密な時間を過ごせる

家でエンタメ鑑賞すれば、あまりお金がかかりません。定額制動画配信サービスを利用している人なら追加料金ゼロで楽しむことも可能です。作品の購入やレンタルに多少の手間がかかる場合もありますが、あとは待ち時間なしで好きなときに好きなだけ楽しめます。
また、ホームパーティー気分で友達と集まって映画鑑賞をしたり、連続ドラマを見ながら恋人とゆったり過ごしたり、親子でじっくりアニメを見て、その作品について語り合ったり。普段は忙しくてなかなか持てない「ふれ合いの時間」を持つこともできます。

GWだからと言って無理して出かけず、家でエンタメ鑑賞でも、特別な時間を過ごすことが可能です。友人・恋人・家族などでじっくりと一つの作品を見るというのは、普段なかなかできない体験でしょう。

GWに“おうちエンタメ”のデメリット

  1. 上記の「GWにお出かけするメリット」が得られない

GWにお出かけせず「お家エンタメ」を選んだ場合「2泊3日以上の旅行」、「GW限定のイベント」、「友人、恋人、親子などでスケジュールを合わせやすい」という3つのメリットが享受できない可能性があります。特に、GW限定イベントには参加できなくなってしまいます。

このようにGWにお出かけしないデメリットも少しはありますが、短い旅行なら翌週以降も可能ですし、有休などを取得できればGW以外でも長期旅行ができます。

GWは「おうちエンタメ」にして、繁忙期がおわってから「お出かけ」すれば、同じ予算で両方とも楽しめちゃうかも!!

“おうちエンタメ”の楽しみ方

いよいよ、「おうちエンタメ」実践編です!!
ただ動画を見るだけなら日頃からスマホ等で行っている人が多いと思います。ですが、せっかくのGWですから、「動画を見てただけ」ではなく「エンタメを満喫した」と言える時間を過ごしたいと思いませんか?

そこで、「おうちエンタメ」のための心がけを伝授します。

その1:準備は余念なく。「さあ、見るぞ!」という気持ちで

映画館や劇場に入場するときのように、見ながら食べるものや飲むものは事前に準備しておきましょう。家なので、疲れたら途中休憩もアリですが、気が散りすぎていると、テレビやネットで何となく動画を見ているときと同じになってしまいます。

その2:できれば、大画面で

スマホやタブレットでも動画は見れますが、できることならテレビやホームシアター用のスクリーンなどで見ると良いでしょう。ヒマつぶしで見ているのではなく、エンタメを楽しむために見ているという感覚が強いほど、より満足感を得られます。

その3:長時間の連続視聴は避ける。休憩と適度な運動を!

どんなに面白い作品でも、長時間の視聴は目にも体にも良くありません。少なくとも1~2時間に一度は休憩をはさみながら見るのをオススメします。また、散歩やストレッチなど適度に体を動かしておかないと体がなまってしまいます。
子どもと見る場合は特に注意が必要です。連続視聴は控えて一話ごとにしっかり休憩し、一日に数時間は公園や遊歩道などで運動する時間をとりましょう。

GWに見たい「シチュエーション別・厳選作品」3選!!

最後にシチュエーションに合わせて厳選した作品を3つ紹介します。

友人と見るなら!

映画『ジュラシック・パーク』シリーズ!

言わずと知れた、映画『ジュラシック・パーク』は1990年に出版された小説が原作で、スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化し、大ヒットしました。
ジャンルはSFアドベンチャー。遺伝子工学技術により恐竜をよみがえらせてテーマパークを作ろうとしたものの、恐竜たちが暴走してしまい、人々が襲われたり奮闘したりする物語です。ワクワクハラハラする内容で、子どもから大人まで繰り返し楽しめる映画です。
子どものころに見た人が大人になってから見ると、恐竜を利用しようとする人たちの思惑やそれぞれの立場がリアルに感じられてまた違う味わいがあると思います。

『ジュラシック・ワールド』シリーズも含めると、『ジュラシック・パーク』、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』 (1997年)、『ジュラシック・パークIII』 (2001年)、『ジュラシック・ワールド』 (2015年)、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』 (2018年)、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』 (2022年)の6本が公開されています。

恋人と見るなら!

韓国時代劇『花郎(ファラン)』を一気見!

こちらは2016年の韓国のテレビドラマです。時代劇ですが、眉目秀麗な青年たちの成長や絆、恋愛などが描かれた青春ロマンス色の強い作品です。話数は全24話。

作中の「花郎」は新羅国王の親衛隊で、人格や武術・学問などに秀でた青年たちが所属しています。花郎のメンバーを演じているのはZE:A、SHINee、BTSなどグループの男性アイドルが多く、映像的にとても爽やかです。

愛憎や裏切りなどドロドロとした駆け引きが描かれることの多い韓国時代劇ですが、この『花郎』はストーリーも爽やか。政敵の計略によって主人公たちが陥れられそうになる場面も出てきますが、仲間同士の絆や友情で乗り越えていきます。
スリリングでありながら嫌味なところがなく、そして、カッコイイシーンやキュンとするシーンも多いドラマは、恋人との鑑賞にもうってつけでしょう。

親子で見るなら!

アニメ『精霊の守り人』で冒険に出かけよう!

アニメ『精霊の守り人』は、上橋菜穂子さんの異世界ファンタジー小説が原作で、2007年に放送されました。話数は全26話。

“短槍使いのバルサ”の通り名を持つ凄腕の女用心棒が、新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを救うために奮闘し、新ヨゴの建国伝説の謎を追う物語です。アニメの絵も綺麗で、壮大な自然の中で繰り広げられる冒険は、ワクワクと想像力がかき立てられます。

また、本作は綾瀬はるかさん主演でドラマ化もされています。話数は全4話。こちらもアニメ同様の壮大な世界観で作られていて、さらに綾瀬はるかさんのアクションも楽しめます。また、続編の『悲しき破壊神』(全9話)、『最終章』(全9話)も公開されています。

以上、厳選3作品でした。いかがでしたでしょうか?
ここでは便宜的に友人・恋人・親子とシチュエーション別に紹介しましたが、もちろん一人で見てもOKです。親子で『ジュラシック・パーク』のようにシチュエーションを変えてもOK。話数(再生時間)的に、無理なくGW中に見られる作品たちです。

紹介した以外にもGWに見るのに適した作品はいくらでもあります。
GWにお出かけの予定がない方は、この機会にじっくりとエンタメ作品を楽しんでみてはいかがでしょうか?

作家・脚本家/エンタメアドバイザー

国立理系大学院卒、元塾経営者、作家・脚本家・ライターとして活動中。エンタメ系ライターとしては、気に入ったエンタメ作品について気ままに発信している。理系の知識を生かしたストーリー分析や、考察コラムなども書いている。映画・アニメは新旧を問わず年間100本以上視聴し、漫画・小説も数多く読んでいる。好みはややニッチなものが多い。作家・脚本家としては、雑誌や書籍のミニストーリー、テレビのショートアニメや舞台脚本などを担当。2021年耳で読む本をつくろう「第1回 児童文学アワード」にて、審査員長特別賞受賞。

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