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話題作りのためにも見ておきたい! 興行収入100億円越えの大ヒット映画3選

渡辺晴陽作家・脚本家/エンタメアドバイザー

「興行成績だけじゃ面白さは分からない」という持論を持つ私ですが、興行収入100億円超ともなれば話はべつ!!

話題性や宣伝によってある程度はヒットしても、その後の口コミやレビューが悪ければそこで伸び止まってしまいます。宣伝すればするほど、「面白くない」という噂が広まり、レンタルや配信で済ませてしまう人が増えます。

一方、興行収入100億超えの作品は話題性もあり、内容も面白かった作品だと考えられます。まず、最初に話題性で数十億円くらいまでは伸び、その後、「面白かったよ」と噂が広まって爆発的なヒットとなるのです。

そんなわけで、今回は最近公開された映画のうちから日本国内での興行収入が100億円を超えた作品を3つ紹介します。普段はあまり映画を見ないけど、話題作りにヒット作くらいはチェックしておきたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。

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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

言わずと知れたアニメ『鬼滅の刃』の劇場版作品です。公開は2020年と新型コロナウイルス感染症の流行初期で、全国のドラッグストアからマスクや消毒液が品薄になっていたころ。そんな時勢でありながら大ヒットをし、それまで『千と千尋の神隠し』が持っていた国内最高の興行収入記録を塗り替え、400億円を超える成績を記録しました。
本作は前売りや初動での人気もさることながら、それ以降の興行収入の伸びも大きく、公開から一ヶ月を過ぎた時点からの興行収入が200億円ほどあります。
主人公・竈門炭治郎(かまどたんじろう/cv: 花江夏樹)や炭治郎の仲間の我妻善逸(あがつまぜんいつ/cv:下野紘)や嘴平伊之助(はしびらいのすけcv:松岡禎丞)、敵の魘夢(えんむ/cv:平川大輔)などのキャラクターの強さ、バトルシーンのカッコよさや映像の綺麗さ、サブプロットが入念で単純な起承転結に納まらない何度も山場やピンチのある物語構成などが話題となり人気を集めたのでしょうか。

ONE PIECE FILM RED

こちらは人気アニメ『ONE PIECE(以下、ワンピース)』の劇場版作品です。公開は2022年で、興行収入は197億円ほどになりました。重要人物であるウタが歌唱するパートを、2022年に楽曲「うっせえわ」で大ブレイクしたAdoさんが担当したことも話題になりました。
上記の『鬼滅の刃』がTVアニメ版の続編として制作されていたのに対して、劇場版は本編とは直接関係のない外伝的な作品が多いアニメ『ワンピース』。本作、『FILM RED』も同様で、本編の最新パートを見ていなくても楽しめる作品でした。
ただし、2009年公開の『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』から始まる「FILMシリーズ」(本作は4作目)の製作には原作者の尾田栄一郎先生も加わっているため、重要人物の過去が明かされたり、主人公たちの新たな能力がお披露目されたりと、単純な番外編ではなく本編に対して重要な要素となっていることもあります。また、FILMシリーズは主題歌や挿入歌に使われる楽曲にも強いこだわりが感じられる物が多く、映画としての完成度も非常に高くなっています。

トップガン マーヴェリック(原題:Top Gun: Maverick)

こちらは1986年に公開された『トップガン(原題:Top Gun)』の続編で、2022年に公開されました。36年ぶりとなる、大人気作の続編ということで世界的に大ヒットし、日本国内でも130億円を超える興行収入となりました。
主演は前作同様トム・クルーズ(マーヴェリック役)さんで、前作ではトップガン(アメリカ海軍戦闘機兵器学校)で訓練を受けていたマーヴェリックが、本作では凄腕のパイロットに成長し教官としてトップガンに戻ってきます。前作を見ていなくても楽しめるスリリングかつ胸アツなストーリーが魅力的でした。絶対に不可能だと言われたミッションも「いや、俺にはできるけど?」みたいな、マーヴェリックが超カッコイイです。また、前作のライバル・アイスマンとの友情や、前作を思わせる演出など、グッとくる場面が沢山あるので、前作「トップガン」も見ておけばさらに楽しめます。

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やっぱり名作ぞろい。100億円超えの作品たち!!

興行収入100億円超えの作品はまだまだあります。

現在公開中の映画では、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は興行収入100億円超えが確実との予想ですし、劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』はすでに興行収入100億円を突破しています。

洋画では、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)、『タイタニック』(1997)なども興行収入100億円超え、『ハリーポッター』シリーズも100億円前後の作品が多いです。他にも、洋画は興収100億円超の名作がたくさんあります。邦画でも、『すずめの戸締まり』(2022)、『THE FIRST SLAM DUNK』(2022)ほか、多くのアニメ作品が興行収入100億円を超えています。

一方、邦画の実写作品では興行収入100億円突破作は少なく、最近で興行収入100億円を超えたのは、『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003)でした。

映画は興行収入が全てではありませんが、100億円超えの作品は人気も内容も間違いなしでしょう。たまには配信で映画を見てみようというときには参考にしてみてはどうでしょうか。日頃のコミュニケーションのための話題作りにも活かせるはずです。

作家・脚本家/エンタメアドバイザー

国立理系大学院卒、元塾経営者、作家・脚本家・ライターとして活動中。エンタメ系ライターとしては、気に入ったエンタメ作品について気ままに発信している。理系の知識を生かしたストーリー分析や、考察コラムなども書いている。映画・アニメは新旧を問わず年間100本以上視聴し、漫画・小説も数多く読んでいる。好みはややニッチなものが多い。作家・脚本家としては、雑誌や書籍のミニストーリー、テレビのショートアニメや舞台脚本などを担当。2021年耳で読む本をつくろう「第1回 児童文学アワード」にて、審査員長特別賞受賞。

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