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【富士宮市】地域民の信仰と共にあり続ける『内房浅間神社』で、貴重な歴史を感じよう!

渡辺雅来地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

内房橋を渡り、県道富士川身延線を左折した大きなカーブの右手に『内房浅間神社』があります。
かつて宮峠(釜口橋と内房橋に挟まれた瀬戸島下流の岩山)に富士宮浅間神社の別宮として祀られていましたが、いつの頃からか尾崎の寺沢山に遷宮したと言われます。
その後、交通の要衝に築かれた尾崎砦のあるこの場所に、甲斐南部の領主であった武田勝千代丸が社殿を寄進し、遷宮されたと言われ、同時期に神社の廻りのスダジイの森は社殿を風害や災害から守るため、また飢饉に備えて実を保存食にするために植樹されたと言われています。
そんな歴史ある内房浅間神社は地域民の信仰の拠として、戦時中には出征兵士の戦勝祈願、また無病息災としても信仰されてきました。

社殿に続く階段
社殿に続く階段

鳥居をくぐると急なきつい階段がまっすぐに続き、登り切ると小さな社殿があります。

社殿
社殿

当時は間口が約100m以上ある立派な神殿のようでしたが、現在残っているのは当時の奥宮辺りだけのようです。中には、若宮八幡大菩薩と木花開耶姫命の神像が祀られているとのことですが、外からは見えませんでした。

樹齢約400年といわれるスダジイ
樹齢約400年といわれるスダジイ

社殿の背後は樹齢約400年とも言われる立派なスダジイがあり、木々の間から零れる木漏れ日が神秘的です。

境内から望む富士山
境内から望む富士山

小高くなっている立地で富士山も望め、浅間神社としてここに遷宮した理由が垣間見えた気がしました。

堀切
堀切

砦跡
砦跡

また山の尾根を切り開いた思われる空堀の跡(堀切)や砦の跡と思われる石垣が見られました。

123キロの力石。
123キロの力石。

社殿左側には『力石』と呼ばれる大きな石が…。この石は昔、力自慢だった村の住人が担ぎ上げてここまで運んだとか。重さは123kgもあるそうです。試しに動かそうとしましたが、びくともしませんでした。
地域民に信仰され続け、今に至る内房浅間神社。歴史に思いを馳せながら訪れてみてはいかがでしょうか。
「内房浅間神社」は―富士宮市歩く博物館 Wコース<内房地区>内房里を歩くコース―でも回ることができますので、稲瀬川の清流や内房の田園風景を楽しみながらウォーキングを楽しんでみるのも良いですね。

富士宮市歩く博物館 問い合わせ先:富士宮市教育委員会 電話0544-22-1111(代)

内房浅間神社:富士宮市内房3388
アクセス:県道75号を静岡側に向かい尾崎交差点を左折したカーブ右手

この記事は、芝川郷土史研究会会員・静岡県文化財保存協会会員の郷土史家、増田文夫氏に監修頂きました。

地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

身近の新しい発見や、小さな幸せを探して日々バイクで放浪しながら活動しているライターです。記事を通じてみなさまの発見や幸せに繋がれば嬉しいです。趣味はバイク、ガーデニング、猫(無類の猫好き)です。

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