赤い屋根と風車が目を引くヨーロッパ風の建物。

幼い頃に母が良く連れて行ってくれたヴィーナス。高い屋根にある天窓から光が差し込み、その下には噴水があって、まるで海外の貴族になったような気分でわくわくした子供時代を思い出して、ふとヴィーナスに寄ってみたいと思いたちました。

あの頃と変わらない外観の扉を開けると、お店の名前を象徴するようなヴィーナス像が店内の中央に立ち、天窓から差し込む光がスポットライトのようにその姿を照らし出していました。

沢山のシャンデリアの細かな光が反射して、お店の中全体を宝石箱のようにキラキラと輝かせます。

子供の頃にあった噴水はありませんでしたが（ずっと昔の記憶なので、思い違いなのかもしれません）、貴族のお城に招かれたような、そんなわくわくさせてくれる雰囲気は変わっていませんでした。
店内には15席ほどがあります。つい立で仕切ってボックス席のようになっているので、周りを気にせずに落ち着いた時間を過ごせます。

天板の下にコーヒー豆を敷き詰めてられているテーブルは、当時のままです。
ドレープのカーテン越しに見える景色に目を向けると、そこに子供時代の自分が映ったような気がしました。

店内の雰囲気を一通り楽しんでから、ハンバーグドライカレー（￥1155）紅茶とオレオチーズのケーキセット（￥858）を注文しました。

お店に入った時に、お昼時にもかかわらず食事系の匂いが全くしないと感じました。
ハンバーグドライカレーを目の前にして、食事の匂いが抑えられていることに気が付きます。
特にカレーは香辛料の匂いが気になりそうですが、しっかりと味があるのに臭いが気になりません。ハンバーグも同じく柔らかく肉のうまみが生きているのに、こちらもあまり匂いが気になりません。
女性同士のランチや営業職の方に配慮してなのでしょう。これならば、食事の後の訪客などの予定があっても気にせずに美味しく食事できます。
店主さんが女性なので、細かな配慮が行き届いているのだと感じました。

オレオケーキは粉っぽさがなく、サクサクしているココア生地の上に、ほんのりレモンの隠し味のチーズケーキとオレオクッキーを混ぜ合わせた生地の二層仕立て。サクサクとしっとりのケーキが口の中で溶け合い、何とも言えないおいしさです。
甘さの余韻が残るので、ブラックコーヒーやシュガーレスの紅茶と相性が良さそうです。

懐かしい景色を眺めながら、ほっと一息。贅沢でスイーツな余韻を楽しみました。

＊蔓延防止処置に伴い、営業日や営業時間が変更されている場合があります。