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【富士宮市】幽霊!?ハンカチ!?鳩!?生きた化石と言われる珍しい木~妙蓮寺のハンカチの木を訪ねて~

渡辺雅来地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

妙蓮寺は南条時光の妻、妙連尼の一周忌供養のため、1324年に寂日房日華上人が上野郷地頭南条氏居館跡に建設されたお寺で、山号は『多宝富士山』です。

かつては静岡県の旧駿河の東部に分布する大石寺、北山本門寺、西山本門寺、小泉久遠寺とともに同門流の「富士五山」を構成していました。

客殿内部の彫刻や絵画の画人工人は地元の人だと思われ、地域文化の動向を知る文化的モニュメントでもあるそう。
客殿内部の彫刻や絵画の画人工人は地元の人だと思われ、地域文化の動向を知る文化的モニュメントでもあるそう。

鮮やかな彩色が目を引く表門
鮮やかな彩色が目を引く表門

客殿は1813年に、表門は1819年に再建されたもので共に、この辺りに残る木造建築としては最大級です。
寂日坊の山門並びに塀が朱塗りとされているのは、日華上人が大石寺開山日興を補佐し、代官を務めたことによるそう。

この由緒ある妙蓮寺の境内にとても珍しい木『ハンカチの木』があると聞き、やって来ました。

境内の至る所に牡丹の花が咲いています。
境内の至る所に牡丹の花が咲いています。

いろんな色の大輪の牡丹に目を奪われます。
いろんな色の大輪の牡丹に目を奪われます。

この時期は牡丹も見頃だそうで、境内の至る所に華やかな大輪を見事に咲かせている牡丹が見られました。
牡丹の蜜に誘われて、熊蜂が飛び回っています。

お腹にお持ち帰り用の蜜を蓄えているようです。
お腹にお持ち帰り用の蜜を蓄えているようです。

真っ黒で大きな体から怖い蜂に見えますが、実は針を持つのはメスだけで、近づいただけで刺してくることはめったにない大人しい蜂だそうです。
ちなみに熊蜂のことを「クマンバチ」と呼んでいましたが、これは方言で「クマバチ」というそうです。

境内奥のお堂。参道の牡丹も咲き始めていました。
境内奥のお堂。参道の牡丹も咲き始めていました。

境内を奥の突き当りのお堂前の参道に沿うように牡丹が並んでいます。まだつぼみも多かったのでこれからが見頃だと思います。

ハンカチの木のある東側のお堂。
ハンカチの木のある東側のお堂。

客殿の反対側にあるお堂の参道にも同じように牡丹が並び、お堂の東側にハンカチの木が高くそびえています。

ハンカチの木と手書きの看板が掲げられています。
ハンカチの木と手書きの看板が掲げられています。

日当たりの良い上の方の枝には、普通の葉に比べて2倍ほどある大きな白いものがふわふわと風に揺らいでいます。
ちょうど両手首を合わせて手の平を開いたような形です。ハンカチの「花」と思いきや、ハンカチに見える部分は花弁ではなく「苞(ほう)」といって葉が変形した部分で、太陽の紫外線から花を守る傘の役割をしているのだとか。花はハンカチの真ん中にある黒く見える部分だそうです。

カメラの性能が悪く綺麗に撮影できませんでした…
カメラの性能が悪く綺麗に撮影できませんでした…

オオギリ科で第4氷河期に同族の木の多くが滅んでしまったため、「生きた化石」とも言われているハンカチの木。

幽霊の木、鳩の木など、いろいろな呼び名を持つハンカチの木ですが、私には白い鳩が木の枝に止まっているように見え、それはまるで平和の象徴のようでした。

どう見えるかは、見る方それぞれなのかもしれません。
ぜひご自分の目で見上げてみてくださいね。

妙蓮寺
住所:富士宮市下条688
アクセス:県道184号線を北上、ドイファームさんから約600m先の妙蓮寺入口のバス停を右折して約300m

地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

身近の新しい発見や、小さな幸せを探して日々バイクで放浪しながら活動しているライターです。記事を通じてみなさまの発見や幸せに繋がれば嬉しいです。趣味はバイク、ガーデニング、猫(無類の猫好き)です。

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