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【富士宮市】光源氏の再来!?鎌倉時代の美しい武将『平維盛の墓』~鎌倉殿の13人にまつわる隠れた名所~

渡辺雅来地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第9回『決戦前夜』で濱正悟さんが演じた平維盛の墓が富士宮市稲子にあるのをご存じでしょうか。

SNSでは、「光源氏の再来!」「マジで貴公子!」など濱正悟さんが演じた平維盛の美しさが絶賛されていたようです。
実際に観るまで年齢的にシンガーソングライターの浜田省吾さんと間違えていたのは私だけでしょうか…(おっと余談になってしまいました)

平維盛は平清盛の孫です。父親である平重盛の早世と建春門院新大納言(藤原成親の娘)を正室に迎えたことや武士とは思えない温厚な性格で、維盛は平家一族から孤立気味だったと言います。
富士川の戦いで敗北した維盛に清盛は京に入ることを禁じます。清盛没後、倶利伽羅峠の戦いで大敗。
一ノ谷の戦いで維盛は密かに陣中から逃亡しました。『那智で入水』、『熊野に参詣したあと法王の許可を得て鎌倉の源頼朝を頼る途中、相模の湯下宿で病死』などその後の生死は諸説ありますが、その一つに駿河国富士郡へ逃れてこの地で没したという説も残されています。

そしてその駿河国富士郡が、富士宮市稲子に当たるそうです。その伝説を裏付けするように柚野山延命寺には平維盛の父・重盛が帰依していたという伝説が残り、また千光寺にある千手千眼観音像は、最澄が唐より持ち帰り比叡山の補陀落堂に安置したもので、平重盛・同維盛を経てこの地にもたらされたという伝説も残っています。

稲子の西ヶ谷戸橋
稲子の西ヶ谷戸橋

西ヶ谷戸橋を越すとすぐに、『平維盛の墓と棚田』という看板があります。

案内看板
案内看板

看板に従って、のどかな田舎道を登って行きます。

車一台が走れるくらいの農道があります。
車一台が走れるくらいの農道があります。

棚田の前の階段横には、『静岡県棚田等十選認定』の看板があります。

静岡県棚田等十選認定の看板
静岡県棚田等十選認定の看板

ここをさらに登って行きますが、畑の周りには外周除けの為、電気牧柵が引かれていますので触らないように気を付けてください。

危険なので絶対に触らないようにしてください!
危険なので絶対に触らないようにしてください!

縄でできたネットを潜り、敷地内にお邪魔します。
縄でできたネットを潜り、敷地内にお邪魔します。

平維盛の墓付近にはネットが貼られていますが、地主さんのご厚意で網をくぐってお参りできるようにして下さっていました。

江戸時代に再建されたと言う平維盛の墓。堂々とそこにありました。
江戸時代に再建されたと言う平維盛の墓。堂々とそこにありました。

江戸後期に村人が領主松平氏の支援を受けて再建されたという現在の平維盛の墓。

維盛の墓から見た稲子の景色
維盛の墓から見た稲子の景色

棚田の中腹辺りからまるで稲子を見守るようにそこにありました。

生を受けた時代が違っていたならば、もっと幸せな人生を歩んでいたであろう平維盛に、手を合わせながら、広がるのどかで豊かな風景、これがどんなに幸せな状況なのかをふと思い知らされたような気がしました。

平維盛の墓
住所:静岡県富士宮市上稲子
アクセス:県道398号、ユートリオを越して、西ヶ谷戸橋を過ぎてすぐ左折、約200m

地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

身近の新しい発見や、小さな幸せを探して日々バイクで放浪しながら活動しているライターです。記事を通じてみなさまの発見や幸せに繋がれば嬉しいです。趣味はバイク、ガーデニング、猫(無類の猫好き)です。

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