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【富士宮市】静岡県と山梨県の境目石神峠線~丸野滝から天子湖まで抜ける林道石神峠線を行ってみた!~

渡辺雅来地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

県道上稲子長貫線をひたすらまっすぐに進むと、舗装はされていますが、落葉や土砂が道路脇に積もって、交通量のなさを物語ります。
「この先で何かあっても責任は負えません」的な看板を横目に進んで行くと、落差約10mほどの「丸野滝」という滝があります。

丸野滝
丸野滝

水量少なめですが、 両側の緑を切り分けるような岩盤が自然を感じさせてくれる滝です。
分岐点になっているため、道路は広く、交通量もほとんどないので、車を滝に横付けして眺めることができます。

乗用車では行きにくい場所ですが、オフロード系のバイクや車でしたらドライブがてらに見に行くことができると思います。

こちらに進むと石神峠に行くらしい…
こちらに進むと石神峠に行くらしい…

本当ならば、この滝を見て引き返すつもりでしたが、滝の下に道案内があり、落合側から来て、Uターンのように進めば石神峠に行けるようです。

石神峠の歴史は古く、起源は山梨県南巨摩郡南部町大字上佐野集落と静岡県富士郡芝川町大字上稲子字大和田集落の交流・物流を図るため、室町時代に上佐野五兵衛と息子の五郎兵衛が人馬の通れるように作った道と言われています。
日蓮宗本山である身延山への道「身延街道」の甲斐・駿河の境に位置し、参拝に訪れる多くの人々の通行を見守って来ました。また戦国時代には武田軍も度々この峠を越えて駿河の今川軍に奇襲をかけたそうです。
石碑と石仏が多く安置されていることから石神峠と名付けられ、石神峠の石仏は御利益があると言われるようになり、石塔を砕いて懐に入れお守りにし、賭場を張った時代もあったそうです。

ということで、ちょっと無謀だと思いながらも、石神峠方面へ進むことにしました。

どこまでも続く未舗装の酷道…
どこまでも続く未舗装の酷道…

途中まで進むと道は未舗装になり、土砂が交じりかなりの酷道になります。

速度を落としてゆっくり20分ほど走ると、左に県境を示す『林道石神峠線』の看板、そして右側の林の中にはひっそりと何かを刻んだ石碑がありました。

県境を示す看板
県境を示す看板

石塔を砕いて懐に…は罰が当たりそうでできませんでした…
石塔を砕いて懐に…は罰が当たりそうでできませんでした…

県境なので、ここからは山梨県に入りますが、せっかくここまで来たので、看板にある天子湖を見て帰ろうと下佐野方面に向かいました。

石神峠からの富士山
石神峠からの富士山

山と山と山の向こうに微かに富士山が見えてきました。そして10分ほどで天子湖を見下ろすことができました。

天子湖を見下ろす
天子湖を見下ろす

綺麗な湖を想像していたのですが、天子湖は日本軽金属の発電用ダム湖(人口湖)でした。秋には湖面に紅葉が映り、とても美しいらしいです。

歴史ある石神峠線。歴史に思いを馳せて通るつもりがハラハラ、ドキドキの酷道でした。

林道石神峠
静岡県側
開設時期:平成6年度~平成16年度
林道延長:L=2,894m(総延長4,589m)
林道管理者:静岡県芝川町役場

山梨県側
開設時期:平成2年度~平成16年度
林道延長:L=3,388m
林道管理者:山梨県南部町役場

*かなりの酷道です。乗用車では行けないレベルです。オフロードでも大きな落石がゴロゴロしているので通行には注意が必要です。

地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

身近の新しい発見や、小さな幸せを探して日々バイクで放浪しながら活動しているライターです。記事を通じてみなさまの発見や幸せに繋がれば嬉しいです。趣味はバイク、ガーデニング、猫(無類の猫好き)です。

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