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【富士宮市】徳川家とも所縁の深い大石寺の五重塔!東海道一の規模を誇る国指定有形文化財です!

渡辺雅来地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

日蓮正宗の総本山『大石寺』は、桜の名所として有名ですよね。例年4月中旬になると境内を桜が包み込むような幻想的な風景が広がり、花見に訪れた多くの方々で賑わいます。私も桜の時期には度々訪れて、その日にしか見られない風景を楽しませてもらっています。

他にも広大な敷地には、国指定有形文化財の『五重塔』をはじめ、県指定の文化財『御影堂』や『三門』など数々の歴史ある建造物が点在しています。

今回は、『大石寺』境内にある国指定有形文化財の『五重塔』を見学しに寄ってみました。

自由に見学できる法祥園を通ります
自由に見学できる法祥園を通ります

京都にでも来たような景色です
京都にでも来たような景色です

不思議な形の橋を渡り…
不思議な形の橋を渡り…

木々の間の参道を歩きます。
木々の間の参道を歩きます。

大石寺の境内を散策しながら辿り着いた『五重塔』。ふと気になった事がありました。

境内の建物はすべて南向きに立てられているようなのですが、『五重塔』だけが西向きに建てられています。
後々聞いた話によると、大石寺の建物がすべて南向きなのは、君子南面(南に向かって座るのが上座)の習わしに従ったもので、五重塔が西向きなのは日蓮の仏法は東から西に広まったという記述を受け、中国・インドの方向である西向きに建立されているからだとか。

大石寺の五重塔
大石寺の五重塔

五重塔は江戸時代の古図にも描かれているそうで、享保年間に第26世日寛上人が、徳川6代将軍家宣の正室、天英院とともに起塔の志を立て、第25世日宥上人、第27世日養上人とともに基金を残した事に始まり、その後歴代上人が先師の志を継いで尽力し、第31世日因が庶民から得た寄金と、備中松山藩主板倉勝澄らの寄進によって、1749年に建立されたそうです。

五重塔の前にあった説明書き
五重塔の前にあった説明書き

三間五重の塔婆で、高さは約34m。
看板には4千両を以て竣工とありますが、日本銀行の資料では江戸時代の一両の価値は大工の手間賃にすると約30~40万円なんだそうです。
仮に平均の35万円として14億…とてつもない金額です。
それと同時に重機もなかった時代、人の力だけでこれだけの建造物を作る技術があったことにも驚きます。

市内にこんな立派な建造物があったなんて!
市内にこんな立派な建造物があったなんて!

国の重要文化祭に指定された翌年の昭和42年に大改修が施され、平成29年に修復をされたという、274年といる歴史ある五重塔は、まっすぐに空を突き刺すかの如く壮麗でありました。

大石寺
住所:富士宮市上条2057
TEL:0544-58-0810
見学可能日:随時 *内部は見学不可(外観のみ) 毎年4月6日7日、11月20日21日は大法要のため見学不可
見学可能時間:9:00~17:00

地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

身近の新しい発見や、小さな幸せを探して日々バイクで放浪しながら活動しているライターです。記事を通じてみなさまの発見や幸せに繋がれば嬉しいです。趣味はバイク、ガーデニング、猫(無類の猫好き)です。

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