【富士宮市】鳥居越しにダイヤモンド富士を臨める季節もあります 人穴浅間神社
富士山世界文化遺産の構成資産は、山梨、静岡両県合わせて25件あります。富士宮市は、6件の構成資産を有しています。
富士山域、富士山本宮浅間大社、山宮浅間神社、村山浅間神社、白糸ノ滝、そして人穴富士講遺跡です。
人穴富士講遺跡は、富士山が信仰の対象である価値を示す構成資産のひとつ。
富士講の開祖 長谷川角行の修行の場であり、苦行の末に入滅したとされる人穴風穴をはじめ、信者による約230基もの碑塔群が残存しています。
私がまだ学生だった頃は、江ノ島に通じているという都市伝説のありましたが、入り口から70数メートルのところで行き止まりになっていると言われています。
鎌倉時代には源頼家が新田忠常に人穴の調査を命じ、新田忠常は6人の郎従を従い人穴の調査に向かいますが、洞穴の中で4人が急死。仁田忠常ともうひとりが命からがら脱出という事態となったそうです。
鎌倉時代の書物には、『浅間大菩薩の御在所』という記述もあり、その頃から人穴が神聖視されていたことが伺えます。
そしてこの地にはかつて『大日堂』があったそうですが、神仏分離令で『大日堂』は廃されて、代わりに『人穴浅間神社』が置かれました。
1942年に陸軍少年戦車兵学校が上野に開校すると、このあたりの山野が演習地となり、人穴浅間神社は、白糸の滝より北の芝山に遷されました。
現在ある社殿は2001年に再建されたものです。
何かと都市伝説が多い『人穴富士講遺跡』ですが、それだけ神聖な場所だという認識が多い表れなのかもしれません。
洞穴に入ると呪われるといった都市伝説もありましたが、この伝説の元となったと思われる仁田忠常の郎従が急死した記述も、現在では可能性として活火山の近くのため硫化系の有毒ガスが充満していた、または松明の火などを使って灯りを取っていたため酸欠となったと推測されます。
いろいろな歴史を伝えてくれる人穴富士講遺跡。
人穴富士講遺跡案内(溶岩洞穴「人穴」入洞)事前予約をすれば、入洞も可能なのだそうです。
また鳥居越しにダイアモンド富士を臨める時期もあるそうです。
歴史に思いを馳せながら、人穴浅間神社で新年の祈祷をしたら富士山の加護を得られそうです。
人穴富士講遺跡
住所:富士宮市人穴206
TEL: 0544-52-1620(人穴富士講遺跡案内所)
人穴富士講遺跡案内所は土・日・祝日の10時~15時開館
洞穴案内予約方法
予約受付日:月曜日~金曜日(祝日を除く)
受付時間:午前9時~正午・午後1時~午後4時
受付締切:定員に達した時点、または、入洞日の直前の木曜日(祝日の場合はその前日)まで
予約方法:富士宮市役所6階文化課窓口へTELTEL:0544-22-1187
市街と気温がかなり違うようで、洞穴前の水が分厚く凍っていました。
参拝に行く際は、防寒をしっかりしてお出かけくださいね。