Yahoo!ニュース

【富士宮市】『相沼浅間神社』と内房地区に伝わるどんど焼きにまつわる昔話

渡辺雅来地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

1月7日、本日は七草粥を食べる日ですね。

七草粥には、『お正月の祝膳やお酒で弱った胃腸を休める』意味や、『7種類の食材を食べることで、健康を願う』意味があるそうです。

そして、『七草粥』と1月7日に正月飾りを外すのが一般的です。

外した正月飾りは、小正月に行われる年神様をお送りする『どんど焼き』で燃やしますが、内房地区の白鳥山周辺では『どんど焼き』をしない地区があります。

白鳥山は静岡県と山梨県の県境にあり、山頂からは富士川流域を臨むことができる、標高567mの山です。

本成寺境内に登山道入り口があり、約1時間1分で登山できるようになっています。

白鳥山と『どんど焼き』にまつわる昔話は…

村人がどんど焼きをしていたら、白鳥山から白いばばぁが出て来て「火を消せ!」と言って来るので気持ち悪くてやらなくなった。

とか、

村人がどんど焼きをしていたら大きな白い鳥が飛んできて、村人の方へ大きく羽ばたきをした。その鳥がどんど焼きをやるなと言っているように思った村人は、どんど焼きをやらなくなった。

など諸説あるそうです。

白鳥山は戦国時代、武田信玄の駿河侵攻での、のろし台として使用されていたと言われています。

そのため、のろしと間違える可能性がある『どんど焼き』を禁止するためにこのような昔話が伝えられていたようです。

また白鳥山付近に鎮座する『相沼浅間神社』も戦国時代の『白鳥山城』と関連があるといわれています。

昨年5月に倒木があったこともあり、鳥居横の大きな桜の木は伐採されていました。

道路までせり出す圧巻の桜の木が、伐採されてしまい、寂しい気持ちの半面、古木だったので不安なく道路を通れる安心感が増しました。

境内は富士宮市の保存樹林になっています。

倒木があった場所を境内から眺めてみました。急斜面だった場所に段がつけられ、土砂が流れないように工事が施されていました。

怪我の功名というべきか、工事が施された境内からは、壮大な富士山を眺めることができるようになっていました。

内房地区の白鳥山周辺で『どんど焼き』をしないのは、歴史的背景があったからなんですね。

では、住人の方々は正月飾りをどう処分しているのか尋ねると、近くのお寺で第2週の日曜日にお焚き上げをしてくれるそうです。

七草粥を食べると、「あぁ、お正月も終わりだなぁ…」なんて少し寂しい気持ちもしますが、改めてその年の無病息災や家内安全などを願いながら、玄関のお飾りを外しました。

白鳥山:静岡県富士宮市芝川
    山梨県南巨摩郡南部町万沢
白鳥山登山口:富士宮市内房2931(本成寺)
相沼浅間神社:富士宮市内房3388

地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

身近の新しい発見や、小さな幸せを探して日々バイクで放浪しながら活動しているライターです。記事を通じてみなさまの発見や幸せに繋がれば嬉しいです。趣味はバイク、ガーデニング、猫(無類の猫好き)です。

渡辺雅来の最近の記事