【富士宮市】約1万年前に大宮町まで富士山の溶岩が到達していた痕跡 『大宮縄状溶岩』
城山公園は、浅間大社より富士山へつづく登山道沿い第二中学校の向かい側にある公園です。
野球場(グラウンド)やグラウンドの外周は散歩やジョギングなど、市民の健康づくりの場としても親しまれています。
戦没者の慰霊平和塔では毎年8月15日に日清・日露戦争から太平洋戦争に至る戦争で亡くなられた戦没者追悼式が行われています。
また日中友好記念花苑があったり、東側には若之宮浅間神社が隣接していたり、北側にある駐車場からは富士山を仰ぐことができたりと、富士宮を代表する公園のひとつです。
以前から城山公園は石が多いなぁと感じていましたが、これらは縄状溶岩と呼ばれ、市指定文化財天然記念物になっているそうです。
城山公園から南下するとすぐに湧玉池があります。
湧玉池の湧水の湧き出る様子を見ていると北東側にある溶岩の間や池底から湧き出しているのが分かります。
この溶岩は大宮溶岩と呼ばれ、今から約1万年前に山頂近くから噴出し南西に向かって流れてきたものだと言われています。
現在は城山公園内に見られる縄状溶岩ですが、昔は湧玉池までの登山道にも溶岩の流れた痕跡が残っていたのかもしれません。
マグマは二酸化ケイ素の含有量によって大きく4種類に分類され、玄武岩質マグマは二酸化ケイ素が最も少ないとされています。
二酸化ケイ素の含有量が少ないマグマほど温度が高く、粘度が低く流動性があると言われています。
粘土が低い溶岩が陸上で流れると、表面から冷やされ、固まり始めます。
内側はまだ固まっておらず、次々と溶岩が流れてくることで、溶岩の表面が押し流されてしわが入ります。
こうして溶岩が表面のしわが太い縄を束ねたような形で固まった溶岩を縄状溶岩と呼ぶそうです。
市内には溶岩洞穴や溶岩樹形など富士山の火山活動の痕跡が多く残っていますが、城山公園の縄状溶岩については、今まで知りませんでした。
グラウンド周辺は整備されとても歩きやすくなっていますので、お正月の運動不足解消にぐるっと散歩をしながら縄状溶岩を観察してみてはいかがでしょうか。
城山公園:富士宮市元城町1689