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【富士宮市】長年愛されてきたバイパス沿いの本屋さん『戸田書店』が2月12日で閉店 37年間ありがとう

渡辺雅来地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

バイパス沿いにある『戸田書店 富士宮店』さん。

読書が好きだった私は、子どもの頃歩いて行ける場所にある『戸田書店』まで行って、好きな本を買ってくるのが日課になっていました。

お小遣いに余裕があるときには、かわいい文房具を買ってペンケースに入れると、学校の勉強もなんだかはかどるような気がしたのを思い出します。

1986年に開店してから37年間、この場所にあった戸田書店が2024年2月12日(月)で閉店してしまうことになりました。

店舗入口の貼紙を見ると、仲の良い友達が転校してしまうような、寂しい気持ちになります。

現在、『ご愛顧感謝スペシャルSALE』で、文具全品30%OFFになっていました。

後ろ髪を引かれる思いのまま、お店の中をぐるり。手作り感のあるPOPなどももう見納めだと思うと、さらに寂しさが増します。

スヌーピーやムーミンなどのキャラクター文具や、絵本の世界のアップリケなどまだまだかわいいものが残っていました。

何か記念に…と思って私が購入したものは招き猫のおみくじと、インスタント甘酒、そして『山猫軒』のエコバッグです。

レジでは、「今までご愛顧ありがとうございました」と店員さんがボールペンをプレゼントしてくれました。

そしてレジ横には「ご自由にどうぞ」と書かれて、絵本「いないいないばぁ」の包装紙が置かれていたので、1枚頂いてきました。

インスタント甘酒を飲みながら、招き猫のおみくじを開くと『中吉』でした。

このおみくじは水で溶けるようになっていて、花の種が入っています。今年花が咲くかもしれないと、閉店の寂しさを期待に変えてくれるようでした。

そしてエコバッグに印刷された『山猫軒』。何かすぐに分かった方もいるのではないでしょうか。

これ、宮沢賢治の『注文の多い料理店』に登場した山猫の経営している料理店の名前です。

お金でしか価値を決められなかったり、自分に都合の良い解釈でしか判断できない紳士なんて山猫に食べられちゃえば良かったのに!と思いながら、最後はくしゃくしゃになった顔が戻らなくなってスカッとしたり…子供の頃ハラハラドキドキしながら、『戸田書店』で購入した宮沢賢治短編集を読んだ思い出がよみがえりました。

いつまでも色褪せない本の世界の記憶とともにある『戸田書店』の思い出は、みなさんの中にもずっと残って行くのではないでしょうか?

『戸田書店』さん、今までありがとうございました!

戸田書店 富士宮店
*2月12日(月)で閉店*
住所:富士宮市矢立町935
TEL:0544-24-4955
営業時間:10:00~21:00
定休日:2月12日までは無休

地域情報発信ライター・執筆家(富士宮市・御殿場市)

身近の新しい発見や、小さな幸せを探して日々バイクで放浪しながら活動しているライターです。記事を通じてみなさまの発見や幸せに繋がれば嬉しいです。趣味はバイク、ガーデニング、猫(無類の猫好き)です。

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