Yahoo!ニュース

AIがあれば英語学習はいらない?

山口桐子翻訳家/洋書ソムリエ/英語脳を鍛えるコーチ

こんにちは!

英語脳を鍛えるコーチ

山口とうこです。

私はハーバードビジネスレビューなどの

ビジネス誌の翻訳に7年ほど携わっているのですが、

今日はその経験から

英語とAIの関係について率直にお話したいと思います。

11月に開催された日本翻訳連盟のカンファレンスでは、

「AI(ChatGPT)と翻訳」に関するトピックが

多くのスピーカーにより取り上げられ、

業界全体で高い関心を呼んでいることがよくわかります。

ここで突然ですが、

AIの英語の実力とはどれくらいだと思いますか?

日本語⇒英語の実力は、TOEICスコアで960点以上とされています。

一方、英語⇒日本語の場合、誤訳率は10%以下だそうです。(※)

驚くべき数値ですよね!

実際の翻訳現場についてお伝えすると、

私の場合はDeepLを下訳に使ったり、

ニュアンスを確認するのにChatGPTを活用したりしていますが、

DeepLの日本語下訳はほとんど書き直しますし、

ChatGPTの英文も間違いが無いかしっかり確認します。

DeepLの日本語下訳は、

翻訳商品として納品できるレベルにはまだない、

ということもありますが、

「誤訳」があるため、

翻訳以外の場合でも確認はかかせないでしょう。

それは、ChatGPTもしかりです。

つまり、『AIのアウトプットを理解する力』は

必ず必要になるのです。

たとえば、

ビジネスで使えるトーンなのか、

カジュアルなトーンなのか、

に関しても、

「読んだらわかる」レベルにすることは

最低限必要だと思います。

すべてAI頼みにしてしまっては

相手にニュアンスが伝わらず、

誤解をうみかねませんよね。

これからAIと人間の関係がどうなっていくのかは

誰にもわかりません。

ただ、どんな時にも対応できるように、

英語もAIも両方を理解することが必要なんだろうな、

と強く感じる今日この頃です。

※:立教大学の山田優教授の「ChatGPT翻訳術」より

翻訳家/洋書ソムリエ/英語脳を鍛えるコーチ

大学卒業後、J.P.モルガンに入社。年金などの運用チームでアナリストやファンドマネージャーとして日本株を運用する。結婚、出産後、家族の仕事の関係で退職、地方へ移り住み、翻訳家に。 ビジネス専門誌翻訳7年目/オンラインで英語多読クラブ運営・毎日レッスン3年目/大学特別講師 毎週着物を着て茶道の稽古に通うのが楽しみ/趣味は最先端テック情報、世界の歴史、茶道について知ること

山口桐子の最近の記事