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養殖歴90年以上!出世と人気が止まらない養殖魚の王様「ブリさん」について

山内琉夢歴史プレゼンター

稚魚から成魚までの成長過程において、地域やその成長段階ごとに異なる名称を持つ出世魚。

出世するたびに改名を行う武士の文化がルーツともいわれており、成長に伴って名称を変える出世魚は縁起ものとして扱われることも少なくありません。

そんな出世魚の代表ともいわれるのがブリです。

名称ごとに見た目だけでなく味の違いもあり、日本ではメジャーな寿司ネタとして導入されています。

そして実は、ブリは日本の養殖界で90年以上も出世し続けた出世魚でもあるのです。

ブリさん、出世しすぎです

香川県引田の井筒屋敷内にある「ごはんや 醤」での食事(ブリ丼)
香川県引田の井筒屋敷内にある「ごはんや 醤」での食事(ブリ丼)

ブリの養殖がはじまったのは1928年のこと。野網和三郎氏が、香川県引田で養殖の事業化に成功したことがキッカケでした。

現在では漁獲率の90%以上が養殖であり、ブリは「養殖魚の代表」ともいわれるようになっています。

養殖され続けること90年以上、味も良好で質の安定感も高いとうなぎ昇りの評価。

さすがは出世魚のブリさん、多くの海産魚類のなかで大出世したといえるでしょう。

80周年を機にまた出世

香川県引田の井筒屋敷内にある「ごはんや 醤」のポスター
香川県引田の井筒屋敷内にある「ごはんや 醤」のポスター

1995年に香川県の「県の魚」として認定されたハマチ(ブリ)は、まだまだ満足できないとばかりに出世の快進撃を進めます。

※ブリはハマチが出世(成長)したあとの呼び名

ブリの養殖開始から80周年を目前にした2007年には、植物性タンパク質や「オリーブ葉」を餌料に用いたハマチ(ブリ)の生産がスタート。

現在では「オリーブハマチ」と名づけられ、飲食店やスーパーマーケットでも販売される人気ブランドとなっています。

ブランドまで確立してしまうとは、これまた大出世といえるでしょう。

寿司ネタでも

マグロの模型
マグロの模型

ブリは、寿司ネタとしてメジャーな「マグロ」にも負けず劣らず人気です。

ほどよい脂とほんのりした甘み、コリコリとした食感は幅広い年代から支持され、愛されています。

おいしいブリをたくさん食べて、その出世ブリにあやかりたいものですね。

歴史プレゼンター

歴史ライターとしての活動経験を持ち、今までに32都府県の歴史スポットを巡ってきました。実際に現地へ行くのが難しい方に向けて、取材した歴史スポットについて紹介します。また、歴史に興味をもったことがなかった方にも楽しんでいただけるよう、歴史偉人の意外な一面や好きな食事・おやつの紹介など、ワクワクするような内容をお届したいです。

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