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紀元前から存在?変わりゆく現代のサッカーと以外なその起源について紹介

山内琉夢歴史プレゼンター

世界中で約2億6000万人もの競技人口数を誇り、近年ではさまざまなゲームにも導入されるほど人気なスポーツ「サッカー」。

2022年11月20日~2022年12月18日にかけて行われたFIFAワールドカップカタール2022では、元日本代表選手・本田圭佑氏が、日本代表のグループステージ全3試合と準決勝・決勝の試合を現地から解説したことで話題になりました。

そんな日本中を盛り上げたサッカーですが、その起源については知らない方も多いのではないでしょうか。

今回は時代に合わせて変化してきたサッカーとともに、その歴史について紹介します。

サッカーの起源について

サッカーのイメージ画像
サッカーのイメージ画像

諸説あるものの、スポーツの歴史上で最も古い歴史があるといわれているサッカー。

起源については現在も判明していませんが、今回は数多くある説のなかから3つを紹介します。

・フォークボール説

サッカーのはじまりには諸説ありますが、拳でボールを叩いて対戦相手に激しいタックルを行うなど、中世~近世にかけてイングランドでみられたラグビーに近い球種「フォークボール」を起源とする説が一般的です。

しかし、フォークボールには現代サッカーとの共通点がほとんどなく、「サッカーの起源ではない」と一部から反論の声も上がっています。

・蹴鞠(けまり)説

古代には、サッカーに類似する競技が多数存在していたようです。

なかでも古代中国に伝わる「蹴鞠(けまり)」は、球を落とさないよう足で蹴ってパスを続けるという遊び。

そのため、この「蹴鞠」のルールこそがサッカーの最も古い形態だとする説もあるようです。

・代理戦争説

8世紀のイングランドでは、戦争に勝利すると「敵将」の首を切り取って蹴りあい、勝利を祝ったという伝説があります。

また古代ローマでは、サッカーに類似した競技が「代理戦争」として導入されており、その勝敗が国の運命を左右することもあったようです。

サッカーに限らず、スポーツ競技は代理戦争として政治に利用されてきた歴史があり、このことがキッカケでオリンピックの前進「古代オリンピック」が誕生しています。

「古代オリンピック」とは、ギリシャのオリンピアで4年に1回行われた当時最大級の競技大会です。

そのため、ほかの競技と同じように代理戦争として利用されてきたサッカーに類似した競技が、現代サッカー誕生のキッカケになったのではないかとする説もあります。

現代サッカーのはじまり

サッカーのイメージ画像
サッカーのイメージ画像

現代と同じサッカーのルールが導入されたのは1863年のことです。

ロンドンに「フットボール・アソシエーション(英国サッカー協会)」が設立され、サッカーに関するルールが世界基準で定められました。

ルールが簡単なこともあり、現在ではスポーツの世界人口2位を誇るなど、世界中で愛されている競技だといえるでしょう。

サッカーにおける今後の課題

「シーサイドフットサル徳島」の代表・黒部氏
「シーサイドフットサル徳島」の代表・黒部氏

多くの人から愛されるサッカーですが、対戦するためには1チーム11人もの人数を集める必要があります。

そのため、離島や山深い過疎化が進んだ地域では、クラブ活動やスポーツ教室を開催するのも難しいのが現状です。

こういった周りの環境に左右され、地域のスポーツ格差につながることを懸念した「シーサイドフットサル徳島」の代表・黒部氏が、「NPO法人スポーツ巡回ネットワーク」を設立。

生徒の少ない小規模校に出向いて指導したり、同年代の子供たちとサッカーの楽しさを共有できるよう「リモート」を介したサッカー教室を開催しています。

インタビュー時には、「リモートでは、どうしても本格的にサッカーを教えることは難しいですが、サッカーからスポーツすること自体の楽しさを知るキッカケになってほしい。」との熱い想いを語ってくれました。

NPO法人スポーツ巡回ネットワークでの活動の様子
NPO法人スポーツ巡回ネットワークでの活動の様子

多くのことが変化する現代、リモートサッカーでスポーツの楽しさを知った少年少女のなかから、プロ選手が誕生する日も近いかもしれませんね。

歴史プレゼンター

歴史ライターとしての活動経験を持ち、今までに32都府県の歴史スポットを巡ってきました。実際に現地へ行くのが難しい方に向けて、取材した歴史スポットについて紹介します。また、歴史に興味をもったことがなかった方にも楽しんでいただけるよう、歴史偉人の意外な一面や好きな食事・おやつの紹介など、ワクワクするような内容をお届したいです。

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