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イチロー現役最後の日 15年前mixiで繋がった3人のイチローファン物語 #dearICHIRO

山崎エマドキュメンタリーフィルムメーカー

2019年3月21日、イチロー選手が現役を引退した。

あの日、私は球場にいた。イチローファンとして生きてきた18年。「あなたがいたから、今の自分がある。ありがとう」とボードに思いを綴って観客席に立った。試合が開始してからの引退報道は、覚悟していたとはいえ、気持ちがついていかない。動画に残る自分の表情に驚いた。東京ドームでは全国から集まった人々が最後の雄姿を目に焼き付けていた。その場にいたのは様々な世代の、様々な人生を歩んできた人々。その表情はみな、「イチローを見届ける」という誇りに溢れている気がした。その日、私と同じような気持ちで試合を見つめた3人のイチローファンに出会った。

15年前からmixiのイチローコミュニティーページで繋がり、イチロー最後の試合を一緒に見届けたももさん、マイケルさん、ヒカルさん3人のイチローファンの物語をまずは動画で見てほしい。

「もう宗教みたいな感じかもしれない。自分の中に一本、『こういう時にどうするか』に『イチローだったらこうするよね』はある、確実に」と翻訳家のももさん。

「コツコツを重ねるイチローがサラリーマンに近いと感じた。イチローが打つから僕も頑張ろうと思った」と会社員のマイケルさん。

「ベテランゆえの悩みがよく分かる。腐らない、そして自分の立場を受け入れる姿に影響を受けてきた」とデザイナーのヒカルさん。

試合後、ファンはもう一度イチロー選手に会いたいと願い、20分以上帰らなかった。イチローさんはそのことについて引退会見で、こう語った。「今日のあの球場での出来事、あんなもの見せられたら、後悔などあろうはずがありません。」その言葉がどれだけ嬉しかったか。

ももさんは言う。「私たちは出てきてくれると思って待ってたんじゃなくて、伝えたくて待ってたんだと、私は思っていて。ファンって一人一人のストーリーがあってイチローに対する応援の気持ちを持ってるんだけど、イチローからみんなは一対多の関係だから。その空間があったことだけでも、どれだけ自分が想われているか受け取ってくれる人だと思って…あそこにいた」

3月31日に放送されたNHKスペシャルで放送された引退後のイチローさんのインタビュー。「どうしてあんなことしてくれたんだろうって…今も考えていますよね」と話す場面があった。

イチローさんに伝えたい!そんな考えこまなくても、その答えはファン一人ひとりが語れるんです。個々の人生にあなたから計り知れない影響をもらい、感謝の気持ちを伝えたかったのです。

平成のヒーロー、イチローの、ファン物語。次回に続きます。

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イチローさんに思いを伝えるみなさんの『私とイチローの物語』を募集します。

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ドキュメンタリーフィルムメーカー

山崎エマ(Ema Ryan Yamazaki) 日本人の母とイギリス人の父を持つ。19才で渡米しニューヨーク大学卒業後、編集者としてキャリアを開始。長編初監督作品『モンキービジネス:おさるのジョージ著者の大冒険』ではクラウドファンディングで2000万円を集め、2017年に世界配給。夏の甲子園100回大会を迎えた高校野球を社会の縮図として捉えた『甲子園:フィールド・オブ・ドリームス』は、2020年米スポーツチャンネルESPNで放送し、日本でも劇場公開。最新作では都内のある小学校の一年に密着。日本人の心を持ちながら外国人の視点が理解できる立場を活かし、ニューヨークと日本を行き来しながら活動中。

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