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爽やかなほろ苦レモンがアクセント!「れもん調布」は遭遇したらレアな廣榮堂さんの季節銘菓

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

岡山県のヒーローといえば、桃太郎。その桃太郎を語る上で欠かせないお菓子といえば、吉備団子ですね。その吉備団子が代表銘菓のひとつとなっているのが、創業1856年岡山県にてお店を構える「廣榮堂」さんです。

廣榮堂さんの初代がお茶請けやお茶席向けに開発なさった吉備団子に、子供向け絵本でも有名な絵本作家・五味太郎さんのイラストを合わせるなど、吉備団子という存在を世に知らしめた老舗でもあります。

楚々としたレモンの掛け紙
楚々としたレモンの掛け紙

そんな廣榮堂さんには、今が旬の和菓子「鮎」のもとになったという「調布」という和菓子があるんです。廣榮堂さんの代表銘菓のひとつともいえるこちらのお菓子は、カステラ生地で求肥を包んだシンプルな和菓子ですが、季節に応じて様々な味わいが展開されています。

れもん調布
れもん調布

今回は、初夏にぴったりな味わいの「れもん調布」をご紹介。

プラスチックケースの蓋を開けた瞬間、ふわっとカステラの甘い香り!レモンの香りもちゃんとあとから追いかけてきます。

ほんのり張りのある皮
ほんのり張りのある皮

指先が透けてしまうくらいうっすらとした皮ですね。それでいてやや固さがあるのは、中に巻かれたたっぷりの求肥とのバランスをとっているのでしょうか。乳白色の求肥の中にはところどころ、細かく刻まれたレモンの皮の蜜漬けの姿もちらほら。

中にはたっぷりの求肥が
中にはたっぷりの求肥が

ぷるぷるの求肥
ぷるぷるの求肥

立方体の求肥なので、もちもちっとした噛み応えがたまりません。噛むほどに濃くなっていく求肥ならではの甘味、そしてそこに現れるレモン果皮のほんのりさくっとした食感とほろ苦さ。

そうなんです、甘酸っぱい、のではなくて、ほろ苦いんです!レモンの爽やかな特性はそのままに、蜜漬けの甘味はぐっと落として、あくまで求肥の味わいに四季の風味を添えるような感覚。

ある程度お日保ちがする求肥の和菓子は、珈琲やお茶といった飲み物が欲しくなることが多々ありますが、こちらのれもん調布はそのままぱくぱくっと食べられるのも印象的。

ぷにぷにっとした触感と一緒に楽しんでいたら、あっという間に一人で平らげてしまいそうです。

プラスチックの密閉容器に入っています
プラスチックの密閉容器に入っています

くっつかないように仕切りがついてる配慮
くっつかないように仕切りがついてる配慮

れもんの和菓子と申しましても、じめじめと気温が上昇してくると、どうしてもひんやりとした葛や寒天といった涼しげなお菓子を選びがちですが、こちらはくどさがないのであっさりといただくことができるのも嬉しいですね。

こちらは本店や期間限定で都内百貨店等でも販売されております。

もし見かけた際には、ぜひお手に取ってみてくださいね。

<廣榮堂・本店>

公式サイト(外部リンク)

岡山県岡山市中区中納言町7-32

086-272-2268

月曜~土曜 9時~18時(日曜・祝日 9時~17時)

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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