国内だけにとどまらず、海外にもその支店を構える日本を代表する和菓子屋「虎屋」さん。その歴史は約5世紀といわれ、室町時代より令和まで悠久の歴史を紡いできた老舗です。

店舗限定の上生菓子のほか、自慢のあんこを瓶詰にしたあんペースト、煌めきが美しい寒天を使用した錦玉羹とあせたお菓子など、ご自宅用からご進物まで揃うラインナップでも欠かせないものが「羊羹」ですよね。

虎屋さんの練り羊羹は、羊羹専用の餡子を小豆から炊き上げています。産地だけではなく契約農家さんや地域の方々ともより良い農作物となるよう一丸となって活動するという拘りにも感服です。

その練り羊羹の中から、今回は父の日のプレゼントにもぴったりな「珈琲羊羹」をご紹介。

シンプルながらもグラデーションが印象的なパッケージがお洒落ですね。模様や絵柄がなくとも、文字と色合いでどんな味わいか伝わる研ぎ澄まされたデザインです。

まずは、開封したてのその香りに驚き。羊羹でありながら、上質かつカップに鼻を近づけた時に立ち上るあの薫香に思わず「おおっ！」と声が漏れてしまいました。飾り気のない見た目でありながら、鮮烈な第一印象。

強かな珈琲の香りをそのまま羊羹に落とし込んだかのように、ビターで心地よい風味を舌の上でゆっくりと堪能しつつ、羊羹専用に炊かれた虎屋さんならではの餡子の適度な滑らかさとざらつき、ねっとりとしつつも歯切れのよい食感、ぐっと抑えた甘味に、なんともいえないリッチな気分。ただ甘さを控えたというだけではなく、渋みと苦味を上品な要素に演出なさった羊羹は、男女問わず他とは差をつけたプレゼントとして喜ばれそうです。

最近は和菓子とお酒の組み合わせの人気も上昇してきておりますが、こちらの羊羹もそのひとつ。ラム酒やミードといったふくよかでしっかりと甘味を味わえるお酒と一緒に。お酒が苦手な方は、ほんのり甘いホットミルクと一緒に楽しむのも、いつもよりちょっと贅沢なおやつの時間となるのではないでしょうか。

羊羹の一大ブランドとして確立された虎屋さんですが、王道の練り羊羹だけではなく、こういった限定の味や季節に応じた様々な表情を持つ羊羹を製作なさっているその姿勢も魅力の一つ。それゆえに、季節限定品が発売されるとつい足を運んでしまうんですよね。

こちらは各店舗のほかオンラインストアでも販売中です。