特別な日の和菓子や、ちょっと奮発したご褒美の和菓子も素敵ですが、やはり日常に寄り添うようなほっと安らげる和菓子も欠かすことができません。思いついた時ささっとたべられるのに、その手軽さ以上に心がじんわりと温まるようなあの感覚。思い出しただけでもお腹が…

どら焼きや大福など多々ありますが、今回は私が大好きな和菓子、お饅頭。和菓子屋さんの店頭で販売されているものは、朝生菓子と申しまして当日、もしくは翌日までのお日保ちのものが多いのですが、きちんとパッケージングされたある程度お日保ちのするものにも美味しいお饅頭は沢山！今回は、新潟県のソウルフードをもとに作られたといわれる新潟県の老舗和菓子屋「丸屋本店」さんの「黒糖饅頭」をご紹介。

王道中の王道ともいえる円平のフォルム、艶やかな肌、食欲をそそる小麦色の肌。もうこの色合いから、開封せずとも黒糖のなぜか無条件に懐かしくなるような甘く華やかな香りが漂ってくるような気がします。

しっとりとして指先に吸いついてくるような質感の皮には、沖縄県波照間島産の純黒糖をたっぷりと使用。ふわふわではなく、もちもちっとした食感は丸屋本店さん独自の製法によるものだそう。確かにある程度日にちが経過しても、ぱさつかず口の中でももさもさっとせず、口馴染みの良い食感。さらにたっぷりと包まれたこし餡にも、皮と同様沖縄県波照間島産の純黒糖を使用。舌先に纏わりついた瞬間にぶわっと花開く強かな香り。皮と餡子、ダブルで純黒糖の旨味と魅力を存分に味わえ、なんとも満たされた気持ちに。

ちなみにこちらの黒糖饅頭。新潟県の屋台などで販売されている「ぽっぽ焼き」という蒸しパンのようなカステラのようなお菓子の要素を取り入れたものだそう。細長い溝がほられた銅板に生地を流し込んで焼き上げる黒糖のお菓子。

恥ずかしながらまだぽっぽ焼きは未体験なのですが、それなのになぜか懐かしいような郷愁の念を誘う黒糖の風味。日本人の遺伝子の中に組み込まれた条件反射、だったりしなかったり。

ちなみにこちらの黒糖饅頭は、製造日より７日間のお日保ちです。