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京都丹波産の大納言小豆と新栗たっぷり!「鳴海餅本店」さんの栗赤飯はこの時期だけの人気メニュー

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

見目麗しい上生菓子。草花や動物をはじめ、その季節の景観を練り切り餡などと共に様々な多技法で表現された和菓子は、仄かに心浮き立つようなときめきを抱く方も多いのではないでしょうか。和菓子の魅力はそれだけにあらず。大福にお団子、おはぎ…日本の美味しいお米や小豆、その土地の旬の味覚を取り入れた、ほっと安らげて、お腹も心も満たしてくれるようなお菓子も沢山。

掛け紙にもお赤飯の文字が
掛け紙にもお赤飯の文字が

情緒あふれる街の一角に本店を構える創業1875年の「鳴海餅本店」さん。おはぎにお団子、上用饅頭。季節限定のいちご大福や月見団子に亥の子餅と、ほっとひといきつけるような和菓子が並び、その人気の高さゆえに、都内の百貨店などの催し物にも出店し、お取り寄せも展開なさるなど全国にファンが多いお店です。

鳴海餅本店さんの名物のひとつが、お赤飯。その中でも、今まさに旬の栗を盛り込んだ「栗赤飯」をご紹介。

鳴海餅本店・栗赤飯
鳴海餅本店・栗赤飯

淡いゆかり色に染まった糯米にキラキラと映える丹波大納言。大粒で弾けんばかりの張りを併せ持つ小豆同様、堂々たるその実を横たえているは、同じく丹波産の和栗。鳴海餅本店さんの栗の特徴は、あえて完全に渋皮を除去せず、少し残しているというところでしょうか。甘い香りだけではなく、木々の香ばしさがより一層全体の輪郭をぐっと引き締めているような役割を担っています。

あえて渋皮を少し残すのが特徴です
あえて渋皮を少し残すのが特徴です

ふっくらとした大納言小豆
ふっくらとした大納言小豆

小豆も栗も、しっかり蒸かされてほくほくとしたえもいわれぬ大地の旨味を口の中で存分に発揮し、まさに秋一色に。更に、同じくらい重要な役割を担っているのが糯米。佐賀県神埼市にて契約栽培されているというヒヨクモチは、一度咀嚼した瞬間から「甘い!」と口にだしてしまうほど。小豆や栗との相性はもとより、糯米だけでも美味しくいただけます。

容器いっぱいに詰めてくださいます
容器いっぱいに詰めてくださいます

もうひとつ驚いたのが、冷めた状態ではまた別な印象の味わいを楽しめたというところ。もちもちとした食感は確かに強まりますが、むしろお餅のような粘り気が加わり、素朴なお菓子のような印象に。添付されている白ごまのごま塩も、温かい状態では白ごまの香ばしさが、さめた状態では塩気がそれぞれ際立ち、栗赤飯ひとつで四通りの味わいを発見することができました。

白ごまの優しい香ばしさを添えて
白ごまの優しい香ばしさを添えて

白ごま塩というのも納得です
白ごま塩というのも納得です

和菓子屋さんのお赤飯は、美味しそうだけれど一人では食べきれない…そんな声もしばしば耳にします。朝は温かいまま、お昼はおにぎりにして少し冷めたものを、夜は塩昆布なんか添えてお夜食に…なんて変化をつけていたら、あっという間になくなってしまうかもしれません。

<鳴海餅本店>
公式サイト(外部リンク)
京都市上京区下立売通堀川西入西橋詰町283番地
075-841-3080
8時30分~17時
不定休(変動あり)

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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