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著名人にもファンが多数、ごま油薫る中里さんの「揚げもなか」本店&大丸東京以外でも購入可能!

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

帰省や観光に欠かせないもの、それはお土産。その場所でしか買えない、というロイヤリティについつい惹かれてしまうのも事実。更に、入手困難や行列必須、人気商品といったキャッチフレーズが付くと多少なりとも興味をもつ方も多いのでは?

そういったものが全て、いわゆるSNS映えするようなものとは限りません。実は昔から知っているような、初めましてなのにどこか親しみを覚えるような温かい和菓子も。

揚げもなか
揚げもなか

今回は、明治6年創業の東京生まれ東京育ちの御菓子司「中里」さんの代名詞ともいわれる「揚げもなか」をご紹介。実は、JR・東京メトロ南北線「駒込」駅から徒歩1分程の本店と常設店の大丸東京以外でも購入できる場所があるのです。

昭和初期に中里さんの三代目ご主人が考案なさったという揚げもなか。当時から和菓子といいますか駄菓子であれば、かりんとうのような揚げたお菓子も一般的でした。給食でおなじみの揚げパンなんかは昭和初期の後半あたりでしょうか。とはいえ、最中種を揚げるという発想は、当時から考えたらかなり斬新だったのではないでしょうか。

縦ではなく、平置きで詰められているのも中里さんの特徴です
縦ではなく、平置きで詰められているのも中里さんの特徴です

サッと水溶きの小麦粉が塗られた跡と焼き塩
サッと水溶きの小麦粉が塗られた跡と焼き塩

3mm程の均一な厚みを保った円形の皮は、一度素焼きしてから水溶きの小麦粉をサッと塗ってカラリとごま油で揚げるのだとか。そこへ伊豆大島の焼き塩をぱらぱらと纏わせるのですが、この塩が非常にまろやか。一般的な食塩とは舌馴染みが異なるので、ぜひ体感していただきたいポイントのひとつ。

ふっくらとした北海道産小豆の粒餡は控えめに見えてこれがベスト。そのままでも美味しいのですが、ぜひ一度オーブントースターなどで炙っていただきたい!引き締まったあんこはとろりと啜れるような滑らかさに、そして皮はまさに中里さんならではという香ばしさとザクザクとした歯応えに。甘味、塩気。このコンビネーションは無敵です。

空間美、と呼びたいこのバランス
空間美、と呼びたいこのバランス

温かい最中というのもここだけではないでしょうか。

また、本店と大丸店意外でも、東京駅周辺であれば日本橋三越や銀座三越、日本橋高島屋でも曜日限定で定期的に入荷されています。個数などは固定されていますが、もしご都合が合う方は他の和菓子を購入なさるついでに足を運んでみてはいかがでしょう。

時節等により入荷されない場合等もございますので、詳細はそれぞれの百貨店のホームページや売り場へ。

シンプルな白と緑のツートンカラー
シンプルな白と緑のツートンカラー

愛嬌満載の包装紙。里芋の葉の下で踊る蛙ににっこり。
愛嬌満載の包装紙。里芋の葉の下で踊る蛙ににっこり。

昭和から令和まで長く愛され続けている味は、まさに唯一無二であり定番であり革新的でもあり。太くまっすぐな筋が通った受け継がれる職人さんの手仕事、姿勢に感服しながら、オーブントースターで炙られていく揚げもなかを待ちわびるのも恒例行事です。

<御菓子司 中里・本店>
公式サイト(外部リンク)
東京都北区中里1-6-11
03-3823-2571
10時~18時(土曜日は17時迄)
定休日 日曜

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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