Yahoo!ニュース

福井県の銘菓、繊細な羽二重餅と紅ほっぺが出会った「稚児のほっぺ」は甘酸っぱい北陸のひんやり和菓子

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

いよいよ運行開始となりましたね!新しい北陸新幹線の終点、敦賀駅まで。北陸応援割の追い風もあり、東京駅をはじめ各駅では大変な賑わいとなっているようです。SNSやニュースでも大盛り上がりですね。

お餅ではないので要冷蔵です
お餅ではないので要冷蔵です

さて、敦賀駅のある福井県には長い歴史を持つ伝統の和菓子があるのですが、ご存知でしょうか?それは羽二重餅。餅粉とお砂糖、水あめを練り上げ、しゅるしゅると伸びの良い、かつて養蚕で栄えた街だけにシルクのような滑らかな餅菓子です。

その羽二重餅を作り続け、どら焼きなど他の和菓子とあわせることにより、新しい魅力を備えたお菓子を製造なさっているのが創業明治43年の「村中甘泉堂」さん。材料に拘り、地域の人たちの美味しいという声や笑顔に寄り添うお店には、春にぴったりな和菓子が。

今回は村中甘泉堂さんの「稚児のほっぺ」をご紹介。

稚児のほっぺ
稚児のほっぺ

山沿いの清流が流れる福井県大野市、勝山氏、池田町産の糯米を仕入れていらっしゃるという村中甘泉堂さん。糯米を挽いて粉にするのではなく、搗いて粉状にするのだとか。更に、蒸しあげた餅粉を練り上げ少しずつ少しずつ生糸のように垂らしなお砂糖などを合わせていきます。一度にどさっと加えてしまっては、繊細なきめ細やかさは成り立ちません。

苺の形がそのまま表れるほど立派な熊本県産紅ほっぺ
苺の形がそのまま表れるほど立派な熊本県産紅ほっぺ

涼し気な佇まいですね
涼し気な佇まいですね

熊本県産の豊かな果肉が特徴の紅ほっぺのヘタ部分にぽってりと練り上げた北海道産小豆のこし餡をかぶせて土台にし、羽二重餅の生地で包んでいきます。てっぺんに透ける紅色が、血色の良い子供たちのほっぺのようで愛らしいですね。

この時、そのまま召し上がる羽二重餅とはことなり、苺やこし餡の甘味を考慮しお砂糖は控えめにし、こんにゃくの成分でもあるグルコマンナンを加えて弾力をプラス。

こし餡は下だけなんです
こし餡は下だけなんです

一般的な羽二重餅とは一味違う弾力を感じつつも、ひとくち齧るとそのまま果汁が流れ込んでくるような紅ほっぺのストレートな甘味、酸味を啜るように満喫。お餅と異なり、ほのかな甘さの羽二重餅の生地と酸味が中和して心地よい爽やかさ。そしてこし餡の質感も果汁によりさらりとした一体感へと変化を遂げ、三位一体の好バランスに。

お手本のような苺の断面!!
お手本のような苺の断面!!

こちらは村中甘泉堂さんのホームページからお取り寄せも可能ですが、ここはひとつ北陸新幹線で福井県へ旅行へ行った際に、もしくは旅行をなさるご友人やご家族に、お土産としてリクエストしてみてはいかがでしょう。

ひとつひとつ個包装になっているので空気に触れて乾燥する心配もなし!
ひとつひとつ個包装になっているので空気に触れて乾燥する心配もなし!

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<村中甘泉堂・本店>
公式サイト(外部リンク)
福井県福井市中央1-21-24
0776-22-4152
9時~19時
定休日 火曜

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

柳谷ナオの最近の記事