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ぷるん、もちっと、しっとりな三層構造の羊羹「桜」は赤福でも有名な五十鈴茶屋さんの春限定土産の好適品

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

一年中変わらない美味しさもあれば、季節ごとにその移ろいを楽しむ美味しさもまた和菓子の魅力のひとつ。

皆さんは道明寺羹、という和菓子をご存知でしょうか?羹という言葉が付くように、いわゆる寒天菓子のひとつなのですが、道明寺って…あの桜餅の道明寺?と思った方、正解です。

餅菓子のイメージがありますが、蒸しあげた道明寺を寒天液に混ぜ、いわゆる細かい水玉模様になるのです。粉雪をイメージする場合も多く、冬の「みぞれ羹」という和菓子にも用いられます。

季の羊羹「さくら」
季の羊羹「さくら」

さて、実はもうひとつ道明寺羹を遣って表すことができるものがあります。それは桜。今回は赤福でも有名な五十鈴茶屋さんの季(とき)の羊羹シリーズから、春限定の「桜」をご紹介。

道明寺羹・桜色の羊羹・小豆こし餡or白こし餡の羊羹と三層構造になっている食べきりサイズの羊羹。道明寺羹はまさに桜吹雪を表現しているようですね。小さな正方形の羊羹の中に、不思議と躍動感を覚えるのは私だけでしょうか。

こしあん
こしあん

目を凝らしてみると、羊羹の中に桜の葉のミンチが入っています
目を凝らしてみると、羊羹の中に桜の葉のミンチが入っています

「こしあん」は口当たり滑らかな小豆の羊羹にほんのりと桜の芳香を纏わせたもの。目視することは難しいのですが、桜の葉の塩漬けを細かく刻んだものがこし餡の羊羹にも入っているのだとか。

ほんのり赤みを帯びたこし餡の羊羹もまた美しい
ほんのり赤みを帯びたこし餡の羊羹もまた美しい

とはいえ、甘さを抑えた羊羹と桜羊羹、そして道明寺羹のつぶつぶとしたアクセントが実に軽やかですいすい進む羊羹です。

しろあん
しろあん

満開の桜か、それとも風と戯れる桜吹雪か
満開の桜か、それとも風と戯れる桜吹雪か

なんとも麗しい佇まいの「しろあん」は、白餡の羊羹にもちらちらと舞う桜の葉の塩漬けをミンチにしたものがまたより一層春の青さを演出してくれる優雅な印象。小豆こし餡よりも甘さがしっかりと備わっており、後味は幾分ふくよかな手亡豆の風味がくっきりと。

女性らしいパステルカラーの組み合わせにうっとり
女性らしいパステルカラーの組み合わせにうっとり

一口舌の上で転がせば、えも言われる甘露が春を運んできてくれるようです。

おひとりでもぺろりと食べきれるサイズです
おひとりでもぺろりと食べきれるサイズです

カジュアルながら季節感のあるパッケージもお土産にぴったり
カジュアルながら季節感のあるパッケージもお土産にぴったり

季の羊羹は春夏秋冬、それぞれに見合ったお菓子が作られ、ある程度お日保ちがするのもお土産にはとっても嬉しいポイント。定番の赤福をたっぷりといただいて、お土産話と共に季節の香りを持ち帰ってみてはいかがでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<五十鈴茶屋・本店>
公式サイト(外部リンク)
三重県伊勢市宇治中之切町30
0596-22-7000
9時~17時(喫茶 9時30分~16時30分)
年中無休

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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