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京都の老舗「鍵善良房」さんのほっこり土産は春まで!お取り寄せも可能な見た目もまるでさつまいもの焼菓子

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

ちょっと季節をさかのぼるのですが、さつまいもって本当に素晴らしい食材ですよね。食物繊維も豊富でお砂糖をほとんど加えずとも甘く、意外とお料理のバリエーションも豊富。

また、近年はさつまいもといいますか焼き芋にフォーカスした催事やイベントも多数開催されるなど、その注目度の高さも話題になりました。

シンプルなパッケージデザインもまた一興
シンプルなパッケージデザインもまた一興

京都の店舗のみならず都内催事でも絶大な人気を誇る、創業は江戸享保年間の「鍵善良房」さん。ちゅるりと喉越し軽やかで滋味深いくずきりや清廉な佇まいの上生菓子でも名高いお店には、一風変わった風貌のさつまいものお菓子が販売されているのです。

今回は鍵善良房さんの「おひもさん」をご紹介。

おひもさん
おひもさん

おいも、ではなく、おひも、という昔ながらの表記も趣があると思うのです。

おひもさんは、一言で表現するならば和菓子屋さんのスイートポテト、というと分かりやすいのかなと。

黄金色のぷっくりとした艶に惹かれます
黄金色のぷっくりとした艶に惹かれます

卵黄を纏い黄金色の艶めきを放つ表面、その対極ともいえるざらりとした質感の側面…あら?と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。クッキーなどの洋菓子ではさつまいもの断面をイメージしたものもありますが、和菓子ではなかなか珍しいかと、しかも、円柱状ではなくさつまいもそのものを斜めに輪切りにしたものをそまま焼き上げたような風貌。

底面もどことなく焼き芋のような
底面もどことなく焼き芋のような

蒸かしたさつまいもがもくもくと湯気を上げている間に、ぎゅっと力を込めて潰していくのはかなりの力仕事。更に、あつあつの潰したさつまいもをさらしで包んで揉み、キメをととのえていくのもまた手作業…そこへ白餡とバターを加えて練り上げ、棒状に伸ばしてシナモンをまぶしてひとつひとつ切っていく…力とスピードを要する職人技が、手の平サイズのおいもに凝縮されております。

表面と皮面の違いを見事に表現
表面と皮面の違いを見事に表現

ほくほく食感が特徴の鳴門金時「里むすめ」そのもののような肌感
ほくほく食感が特徴の鳴門金時「里むすめ」そのもののような肌感

輪切りでもほくほくとした食感、それでいて滑らかに溶けていく繊細な口当たり。上品な甘味のおかげで、ほどけていくと同時にさつまいもの豊かな香りが立ち上ります。時折入り混じる柔和なシナモンの芳香も鼻腔を心地よく擽り、素材の味わいが際立つ自然な味わいであるにも関わらず、コクと奥行きが同居しているのです。

素材とお菓子に真摯に向き合う姿勢とほっとする安らぎ。職人さん方のおかげで、心がほっこりするような甘いひとときを楽しむことができることへ改めて感謝。ですね。

こちらはオンラインストアでも販売されております。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<鍵善良房・本店>
公式サイト(外部リンク)
京都府京都市東山区祇園町北側264
075-561-1818
9時30分~18時(喫茶 10時~18時・17時30分ラストオーダー)
定休日 月曜日

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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