今年の大型連休の予定は、もうお決まりですか？自分たちで交通機関や宿を手配するのもよし、お友達やご家族と一緒にツアーに参加するのもよし。幼い頃、両親と祖父母と一緒にバスツアーに参加した記憶があります。バスの中で食べるお菓子やいわゆるB級グルメの美味しさたるや。

さて、旅行に欠かせないものといえばお土産。あちこち回りたい気持ちはあるものの、時間の都合等により一カ所で済ませなくてはならいという場合もあるかと思います。

三重県伊勢市。いわずと知れた伊勢神宮内宮（天照大御神が祀られている皇大神宮）のお膝元にお店を構える「勢乃國屋」さん。大正2年に中村太助商店として創業し、昭和44年には現在の屋号へと変更したかつてのお食事処かつ土産物屋は、今や立派な佇まいの大きなお店に。そこで長年愛されている名物「神代餅」をご紹介。

滋味深い緑色の蓬餅。なんとこちらのお餅は、自社で玄米から精米した糯米だけを使用しているとのこと。実直に神代餅と向き合う姿勢が伺えます。また、お餅とあわせている蓬は国産、更に中に包まれて言える粒餡は北海道の豊かな台地で育まれた小豆を炊き上げていらっしゃいます。

お土産はあれこれ色々購入して食べたくなりますが、そういう時にも嬉しいふた口ほどで食べられてしまうような大きさです。餅菓子にしては小柄ですが、意外にも歯応えがしたたかな噛み応え。しっかりと噛みしめることにより、クリアな蓬の涼香がまっすぐに立ち昇ります。凝縮された、という言葉が相応しいかと。

そして、むにん、と蓬餅を引っ張ると中から溢れてきたのは粒餡。こちらもすっきりとした甘味で小豆のふっくらとした風味が心地よい仕上がり。その証拠に、あんこはなかなかたっぷりのボリュームですが、ひとつでは物足りないというのが本音。しばし思案を巡らしてから、再びぱたぱたっと粉をはたいて右手で口元へ運びました。

三重県伊勢市では実に様々な餅菓子がお土産としても販売されていますが、生成りのお餅のお菓子とこちらの蓬のお餅と種類を合わせてお土産にしてみるのも選ぶ楽しみとおやつの時間の楽しみが広がりますね。

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柳谷ナオ