Yahoo!ニュース

至高の花火を見るなら急げ!11/4開催「土浦全国花火競技大会」観覧席抽選受付は9/30まで

やた香歩里花火鑑賞士な旅ライター

花火の季節は夏と思われがちですが、秋にも見ごたえある大型花火大会が全国で開催されます。なかでも茨城県土浦市で開催される「土浦全国花火競技大会」では、全国の花火の匠が打ち上げる至高の花火が見られます。2023年は11月4日(土)に開催。有料観覧席は抽選販売となっており、申込受付は9月30日(土)まで。忘れていた人は急いで!
※情報は掲載時点のものです。最新情報は公式サイトなどでご確認下さい。

【第92回 土浦全国花火競技大会】
開催日時:2023年11月4日(土)17:30~20:00予定
※荒天の場合、11月5日(日)または11月18日(土)に順延
会場:茨城県土浦市 桜川畔(学園大橋下流付近)

「土浦全国花火競技大会」とは?

国内ではいくつかの花火競技大会が開催されています。その中でも、最高峰である「内閣総理大臣賞」が授与される花火大会は2つ。それが、8月末に開催される秋田県大仙市の「全国花火競技大会(大曲の花火)」と、今回ご紹介する「土浦全国花火競技大会」です。

第91回大会(2022年)内閣総理大臣賞受賞:野村花火工業 (スターマインの部優勝「水無月のころ」)
第91回大会(2022年)内閣総理大臣賞受賞:野村花火工業 (スターマインの部優勝「水無月のころ」)

競技内容は?

「土浦全国花火競技大会」では、約150分にわたり、10号玉・創造花火・スターマインの3部門が実施され、90近い作品が打ち上げられます。

●10号玉の部

第91回大会(2022年)「昇曲導付五重芯変化菊」(菊屋小幡花火店)
第91回大会(2022年)「昇曲導付五重芯変化菊」(菊屋小幡花火店)

10号玉とは、直径約30cmの花火玉のこと。地上300mを越える高さまで上がり、開いた時の直径も300m超の大玉花火で、尺玉とも呼ばれます。
この10号玉1発を打ち上げて競います。たった1発ですが、その全体的な形、色の配列や変化の美しさ、さらに消える瞬間まで、花火師の精魂が込められており、技の真髄が味わえる花火です。

●創造花火の部

第91回大会(2022年)「花と戯れる天使の囀り」(ホソヤエンタープライズ)
第91回大会(2022年)「花と戯れる天使の囀り」(ホソヤエンタープライズ)

5号玉(直径約15cmの花火玉)を7発打ち上げます。同じ花火を7発上げる必要はなく、色違いだったり、形も違っていたりと、さまざまなパターンでテーマを表現します。10号玉の半分の大きさなのでスケールは小さく感じられますが、各社の工夫や独創性が際立ちます。タイトルからどんな花火かをイメージをするのも楽しいです。

●スターマインの部

第91回大会(2022年)「restart」(新潟煙火工業)
第91回大会(2022年)「restart」(新潟煙火工業)

スターマインとは、たくさんの花火を連続して上げる方式です。スターマインの部では2.5号玉(直径約7.5cmの花火玉)~4号玉(直径約12cmの花火玉)を数百発使用して、音楽に合わせて花火を打ち上げます。3部門のなかで最も華やかでドラマチック。

これら3部門の優勝者のなかから、総合的に判断して最も優秀だと認められた出品者に内閣総理大臣賞が授与されます。

さまざまな煙火店の、技術の粋を凝らした花火が一度に見られることが花火競技大会の最大の魅力ですが、土浦全国花火競技大会は「大曲の花火」以上にたくさんの煙火店がエントリーするため、全国各地の煙火店の花火を見ることができます。2022年も北は北海道から南は九州・鹿児島の煙火店が参加されていました。

競技以外の花火

競技以外にも、「余興広告花火」というスポンサー提供の花火などが打ち上げられます。

第91回大会(2022年)余興広告花火((株)ジョイフル本田提供)
第91回大会(2022年)余興広告花火((株)ジョイフル本田提供)

特に目玉となるのは、大会中盤に披露される、大会提供ワイドスターマイン「土浦花火づくし」。約500mという打ち上げ幅の豪華なプログラムで、地元茨城の煙火店が打ち上げを担当します。このプログラムを楽しみに足を運ぶ人も少なくありません。

さて、そんな見ごたえある「土浦全国花火競技大会」。実際に見るためにはどうすればいいでしょう?

有料観覧席について

「土浦全国花火競技大会」では有料観覧席が設置されます。
チケットは「チケットぴあ」にて抽選販売となっています。受付期間は9月1日(金)~9月30日(土)23:59まで。当選発表は10月4日(水)18:00~の予定です。

観覧席は桟敷席とイス席の2種類で、それぞれ、下記の席が用意されています。

【桟敷席】(1人1マスまで)
全マス(4名まで入場可):1マス 24,000円
半マス(2名まで入場可):1マス 12,000円
【イス席】(1人4席まで)
A席(1席):5,000円
B席(1席):4,000円
C席(1席):3,000円
(価格はいずれも税込み)

土浦全国花火競技大会は、大会規模と集客数の割に有料観覧席数が少ない印象です。例年、有料観覧席の競争率は高く、私自身も過去4回申し込んで、当選したのは2022年の一度だけです。席数も事前公表はされておらず、過去の抽選倍率も公表されていないため、どの席が人気か、当選しやすいかはわかりませんが、2022年の当選発表後の反応を見ていると、半マスとイスA席の人気が高かったようです。これらの席に申し込んで落選した、との声が多く聞かれました。私自身も、第1希望を桟敷席の半マス、第2希望を全マスにしていたところ、半マスは落選、第2希望の全マスに当選しました。おそらく今年も半マスとイスA席の人気が高いものと思われます。

また、2022年は先述のように、桟敷席は第1希望と第2希望で半マス・全マスの両方に申し込むことができたのですが、2023年は桟敷席はどちらか1つにしか申し込みできません。桟敷席とイス席の両方に申し込むこともできません。イス席のみ第3希望まで申し込むことができます。

申し込みの際には、よくご検討くださいね。

チケットが取れなかったら?

無料エリアで見るなら

観覧会場に無料観覧エリアはありません。もちろん、花火は高く上がるので、観覧会場以外の場所からでも見ることはできます。有料観覧エリアの土手の後ろ側で観覧する人が多いですが、この辺りは田んぼや住宅、工場などが多く、ゆったり観覧できるような広いエリアはありません。田んぼのあぜ道などで、隙間を縫うようにして見ることになります。

当日の早い時間から場所取りする手もありますが、いい場所をとれたと思っても、その場所を離れて開始前に戻ってきたら、通路まで人でいっぱいになっていてたどり着けない…ということもあり得るくらい、開始時間が近づくと混みます。なので、場所取りをしたからといって安心せず、早めに戻ることをおすすめします。

早くから場所取りをするのが無理な場合、会場近くで腰を落ち着けて見るのは難しいかもしれません。その場合、あえて会場近くに行かず少し離れたところから見るか、露店などを冷やかしそぞろ歩きをしながら眺める、と割り切ったほうが楽しめるように思います。

ツアーを利用する

チケットはとれなかったけど、やっぱり観覧席でゆっくり見たい!という方には、旅行会社のツアーの利用をお勧めします。人気の花火大会だけあって、各地からのツアーが催行されます。関東圏でも、都内だけでなく各県発着のさまざまなツアーが用意されています。自分で有料席を確保するより費用はかかりますが、関東圏内発着の日帰りツアーなら1万円台のツアーが多数出ており、座席と往復の交通手段の両方が確保できると考えれば、それほど高いとは言えません。

なお、観覧席付きのツアーだけでなく、席の付いていないツアーもあるので、条件をよく確認してお申し込みくださいね。

アクセスについて

観覧会場までは、JR土浦駅から徒歩約30分です。土浦駅までは東京駅から常磐線で、特急を利用すれば約50分、普通列車で約1時間20分です。

土浦駅からは例年シャトルバスが運行されます。とはいえ、シャトルバスも大量に運行されていはいるのですが、土浦駅前の乗車場には例年長蛇の列ができ、時間帯によっては乗車まで1時間待ち、ということもあるので、歩いたほうが早く到着できることもあります。

宿について

会場まで徒歩圏内の土浦市内の宿は、OTA(Yahoo!トラベルなどのオンライン・トラベル・エージェント)で見る限り、9月27日現在でほぼ満室です。たた、「アクセス」の項目で述べたように、土浦駅までは東京駅から特急で約50分、普通列車でも約70分と日帰り圏内です。東京駅はもちろん、手前の上野駅、千葉県の柏駅や松戸駅などの周辺にも宿泊施設は多数あるので、宿泊先の確保は比較的容易です。

観覧席申込は9月30日までにお忘れなく!

「長岡花火」や「大曲の花火」などに比べて格段にアクセスが良く、宿の確保もしやすい「土浦全国花火競技大会」の場合、観覧席の確保が最重要となります。有料観覧席からゆっくり見たい、という方は、9月30日までにチケットぴあでの申し込みをお忘れなく!
あわせて、もし落選してしまった場合にどうするか(無料で見られる場所を当日自分で探すのか、ツアーなどに申し込むのか)を決めておくと、結果が出た後の行動もスムーズです。ツアーもすでに満席で受付を締め切っているところがあるので、検討だけでも早めにしておくことをお勧めします。

そのほか、詳細情報は公式サイトにて最新情報をご確認ください。

「土浦全国花火競技大会」公式サイト

花火鑑賞士な旅ライター

宮崎生まれの大阪育ち。人生の約半分を京都で過ごし、現在は千葉在住。もとからの旅好きが、関東移住を機に花火にはまり、旅の目的に花火鑑賞が加わりました。遠くへの旅行も好きだけど、身近なお出かけも好き。どこかで見た素敵なものを、誰かに伝えたい。知って欲しい誰かと知りたい誰かを繋ぎたい。ビアテイスターで日本酒ナビゲーターで温泉ソムリエで花火鑑賞士な旅人。

やた香歩里の最近の記事