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冬の花火は輝きマシマシ!? 夏とは違う楽しみ方と、1月・2月開催の個性的な冬花火の紹介も

やた香歩里花火鑑賞士な旅ライター

花火と言えば夏!のイメージが強い方は、冬に花火を見るなんて意外に感じられるかもしれません。でも冬の花火は独特の魅力があり、その楽しみ方も夏の花火とはちょっと違います。冬花火の良さを知れば、これからの冬の楽しみが一つ増えるかも?

冬花火の魅力とは?

●空気が澄んでいるので花火がクリアに見える

よく、「冬は空気がきれい」と言いますよね。これは空気中に埃やチリ、水蒸気などが少ないためで、花火鑑賞にとっても好条件となります。
同じ場所で同じ花火を同じ気象条件で、季節だけ変えて見る、ということはできないので、単純に比較はできませんが、冬の方が花火の発色がクリアで、キラキラした点滅もより輝いて見える印象があります。

花火の美しさをじっくり堪能したい、という人にうってつけの季節です。

2024年1月2日開催「モビリティリゾートもてぎ New Year HANABI」(栃木)
2024年1月2日開催「モビリティリゾートもてぎ New Year HANABI」(栃木)

●混雑が少ない

やはり花火は夏のもの、というイメージがあり、冬に開催される花火大会があることを知らないという人も少なくありません。また、「寒い中わざわざ外で花火を見るなんて」という人も多いでしょう。もちろん花火大会にもよりけりですが、おおむね夏の花火大会に比べると混雑は控えめです。
その分、早くから場所取りをしなくても、ゆとりをもって良い場所で見ることができたりします。

2023年12月25日開催「Xmas花火in笛吹」(山梨)
2023年12月25日開催「Xmas花火in笛吹」(山梨)

●寒いからこそ短時間に集中して楽しめる

冬の屋外ですから、当然寒い!です。たとえ気候温暖な地域だったり、昼間暖かだったりしても、夜になればそれなりに冷え込みます。ただ、冬の花火の打ち上げ時間は30~40分程度であることが多いので、寒さに耐えられなくなる前に終わることがほとんどです。

夏の花火大会は1時間半~2時間程度あることが多いので、それに比べると短くて物足りないのでは?と思われるかもしれません。
冬は夏の花火のように、お祭り気分を楽しみながらビール片手にまったり過ごす、という楽しみ方は向いていません。また、たとえ温かなものでも飲み物をたくさん飲むとトイレが近くなるので、屋外で過ごす花火大会ではあまり水分をとりたくない、という人も多いでしょう。飲食を控えるとなると、勢い、花火を集中して見ることになります。

集中して楽しむのに30~40分というのはちょうどいい時間です。もうちょっと見たいな、という、最高に盛り上がったところで終わるので、心地よい感動を持ち帰ることができます。

また、時間が短いと、バタバタと遅れてやってくる人がいたり、露店やトイレに行くために前を人が歩いて行ったり…ということも少なくなります。

総じて、落ち着いて見ていられるので、花火の良さをじっくり味わうことができます。

2019年12月21日開催「ISOGAI花火劇場in名古屋港」(愛知)
2019年12月21日開催「ISOGAI花火劇場in名古屋港」(愛知)

●早く始まって早く終わる

夏の花火の多くは19時や19時半に始まりますが、冬は日没が早いため、17時半や18時頃に始まることが多いです。30~40分の打ち上げ時間だと18時~19時頃に終了するので、終わったあとも時間に余裕があります。終了後に夕食を食べたり買い物をしたりもできるため、夏場に比べて帰路の混雑が分散するメリットもあります。

また、公共交通機関を使う場合、早く終わるメリットは大きいです。夏の花火大会では、遠方に足を伸ばした場合、急がないと最終電車に間に合わず家にたどり着けない…と焦ることがあるのですが、18時台や19時台だと、まだ路線バスや鉄道の最終便までに余裕があることが多いです。
ただし、夏に比べ観覧者が少ないぶん、臨時便やシャトルバスは期待できません。

なお、北湯沢温泉の花火や下呂温泉の花火などの宿泊客向けの花火は、夕食も終わった後の20時や20時半から開始されることが多いので、このパターンにはあてはまりません。

2024年1月2日開催「モビリティリゾートもてぎ New Year HANABI」(栃木)
2024年1月2日開催「モビリティリゾートもてぎ New Year HANABI」(栃木)

ここに注意したい、冬花火の楽しみ方

冬花火は、花火そのものを楽しむには最高。しっかり楽しむために、準備も万全にしておきましょう。

●防寒対策はしっかりと

当たり前のことのようですが、昼間が暖かかったりすると、つい薄手の上着で出かけてしまったり、防寒具を持ってくるのを忘れてしまうこともあります。夜になると一気に冷え込むことも珍しくないので、昼間暖かかった場合は、軽くてかさばらない薄手のダウンや、マフラーや手袋、大判のストールなどを持参しましょう。

使い捨てカイロもぜひ持参してください。服の上に張るタイプは温かいですが、特に女性はトイレなど人目につかないところで貼らなければいけないので面倒なこともあります。靴の中に入れるタイプのカイロは靴を脱ぎ履きするだけで使えますし、貼らないタイプのカイロは手先を温めたり、特に寒さを感じる部分に押しあてたりもできるので便利です。

2020年2月1日開催「高崎HANABI コンクール」(群馬) 2024年は3月3日(日)、高崎市倉渕支所前駐車場(道の駅くらぶち小栗の里周辺)にて開催予定。
2020年2月1日開催「高崎HANABI コンクール」(群馬) 2024年は3月3日(日)、高崎市倉渕支所前駐車場(道の駅くらぶち小栗の里周辺)にて開催予定。

●飲食物は早めに購入して早めに着席

露店グルメを味わいながら見るのが楽しい、という方もいらっしゃるでしょう。でも、打ち上げ時間の短い冬の花火では、露店の行列に並んでいるうちにほとんど終わってしまった…なんてことにもなりかねません。席に着く時間を考えて、早めに購入しましょう。早すぎると急速に冷めてしまう、というのが難しいところではありますが…

2023年12月23日開催「べっぷクリスマスファンタジア」(大分)
2023年12月23日開催「べっぷクリスマスファンタジア」(大分)

1月・2月に見られる、ちょっと変わった冬の花火

というわけで、冬の花火もいいのかも?と思った方に、これから見られるちょっと変わった冬の花火を4つご紹介します。

記事の内容は執筆時点でのものです。最新の情報を公式サイトなどでご確認のうえでお出かけください。

ウインターフェスティバル 山形冬の花火大会in霞城公園(山形県山形市)

山形市の中心部にある霞城公園にて、「街なか全部が桟敷席!」と銘打って開催される花火大会。約30分間で約2000発を打ち上げます。霞城公園内には特別桟敷席が設けられるほか、山形市役所11階の大会議室が開放されるので、屋内で、寒さを避けての観覧も可能です。

開催日時:2024年1月10日(水)18:30~
会場:霞城公園
アクセス:JR山形駅から徒歩約10分
【公式】ウインターフェスティバル 山形冬の花火大会in霞城公園

よみうりランド(東京都稲城市)

2023年2月18日撮影
2023年2月18日撮影

ジュエルミネーションが人気の冬の「よみうりランド」ですが、5日間限定で、噴水と花火のコラボショーが開催されます。噴水ショーだけでも見ごたえがありますが、花火が加わると一層豪華に! 花火とのコラボがあるのは「ラ・フォンテーヌ」というプログラム。約10分間ですが、音楽×噴水×花火が彩るショーは個性的で必見です!

開催日程:2024年1月20日(土)、27日(土)、2月3日(土)、10日(土)、17日(土)
※荒天・強風時は翌日に延期、翌日も荒天の場合は中止。
開始時間:19:15~
会場:よみうりランド内 波のプール
アクセス:京王よみうりランド駅からゴンドラにて約10分、またはバスにて約5分
【公式】よみうりランド ジュエルミネーション 噴水ショー

若草山焼き 大花火打ち上げ(奈良県奈良市)

奈良を代表する行事、若草山焼き行事では、一斉点火の前に花火が打ち上げられます。約15分間で打ち上げ数は約600発。奈良県ではあまり見られない尺玉も打ち上げられ、短時間でも見ごたえがあります。

開催日程:2024年1月27日(土)
※荒天時中止
打上開始時間:18:15~
会場:奈良公園 若草山一帯
若草山へのアクセス:バス停「春日大社本殿」から徒歩約5分、近鉄奈良駅から徒歩約30分
【公式】若草山焼き

只見ふるさとの雪まつり(福島県只見町)

2023年2月11日撮影
2023年2月11日撮影

2月前半の土・日曜日に2日間連続で開催されるお祭り。さまざまなイベントが開催され、前日の金曜日には前夜祭も行われます。土・日曜日のプログラムの最後にはメッセージとともに祈願花火が打ち上げられます。周囲の雪山や巨大雪像を花火が照らすさまは感動的。例年、土曜日と日曜日で打上開始時間が異なるのでご注意ください。

開催日程:2024年2月10日(土)・11日(日)(9日〈金〉は前夜祭)
会場:只見線広場(JR只見駅前)
アクセス:JR只見駅から徒歩約1分
【公式】只見ふるさとの雪まつり

このほかにも各地でさまざまな花火が上がっています。5分~10分程度の短時間のものも多いですが、澄んだ夜空にキラキラ輝く花火、近くで打ち上げの予定があればぜひご覧になってみてください。

花火鑑賞士な旅ライター

宮崎生まれの大阪育ち。人生の約半分を京都で過ごし、現在は千葉在住。もとからの旅好きが、関東移住を機に花火にはまり、旅の目的に花火鑑賞が加わりました。遠くへの旅行も好きだけど、身近なお出かけも好き。どこかで見た素敵なものを、誰かに伝えたい。知って欲しい誰かと知りたい誰かを繋ぎたい。ビアテイスターで日本酒ナビゲーターで温泉ソムリエで花火鑑賞士な旅人。

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