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今年こそ見たい!「日本三大桜」ってどんな桜?どこにあるの?どうやって行く?【2024年版】

やた香歩里花火鑑賞士な旅ライター

日本にはたくさんの「日本三大●●」がありますよね。「日本三大桜」を聞いたことがある方も多いと思います。

桜が大好きな私も、「日本人が大好きな桜の中でも、トップ3として認められる桜って、いったいどんな桜なの?」と興味を持ち、数年かけて見て回りました。

そのいずれも「日本三大桜」に納得の、素晴らしい桜でした。「今年こそ見に行きたい!」と思われた方のご参考になるように、情報をまとめてみました。

※写真は過去のものです。また掲載内容は執筆時点のものです。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■三春滝桜(福島)

所在地:福島県田村郡三春町大字滝字桜久保296

「三春滝桜」はエドヒガン系ベニシダレザクラの古木。樹齢は1000年を越えているといわれ、高さ約13.5m、根回りは約11.3mという貫禄の大きさ。四方に広く大きく枝を広げて、地面に届きそうな枝が優雅に揺れています。

小さな薄紅色の花の1つ1つはとても愛らしいですが、たくさんの花をまとって立つ姿はまるで女王の風格。

観桜期の夜間はライトアップされ、優雅なだけでなく妖艶ささえ漂います。滝桜の周囲には遊歩道が設けられていて近くを一周することができるので、全方向から滝桜を眺められますよ。

少し高台から滝桜を見下ろす。
少し高台から滝桜を見下ろす。

周囲にも様々な桜があり、滝桜だけでなく、たくさんの美しい桜を楽しむことができます。

なお、観桜期間(開花の翌日~葉桜まで)は観桜料(500円/中学生以下無料)が必要です。滝桜大駐車場券売所や臨時バス「滝桜号」の三春駅停留所などで販売されるほか、インターネット(KKDAY)での事前購入も可能です。

例年の見頃:4月上旬頃

アクセス

車の場合は、磐越自動車道の郡山東IC利用が推奨されています(船引三春ICの混雑が予想されるため)。公式サイトに「滝桜周辺ルートマップ」が掲載されており、周辺道路の規制図や、駐車場についてなど詳細が記載されているので、そちらをDLのうえ確認されることをお勧めします。

公共交通機関の場合は、JR三春駅から臨時バス「滝桜号」利用、またはタクシーの利用となります。「滝桜号」は本数は多くないですが、三春駅を発着する便に接続しています。直通ではなく、三春大町や三春町役場などの途中のバス停もあるので、途中下車して街なかの散策も可能です。

街なかにもたくさんの桜が植えられていて(町内に桜が10000本以上、そのうち約2000本が枝垂れ桜だそう!)、ぶらぶら散策していて思いがけず見事な桜に出会うことも。バスは1日フリー乗車券(中学生以上700円、小学生350円、未就学児無料)があるので、これを活用して町内をゆっくりご覧になるのがおすすめです!

みはる観光協会公式サイト:Find!三春|三春滝桜

■山高神代桜(山梨)

所在地:山梨県北杜市武川町山高2763

樹齢2000年ともいわれるエドヒガンザクラで、日本最古ともいわれる桜です。樹高約10.3m、根元・根回りは約11.8mという大きさも日本最大級。「古事記」や「日本書紀」にその名が見られるヤマトタケルノミコトが植えたと伝わっており、まさに日本の歴史と共に生きてきた桜です。

長い歴史をもつだけに、これまでに幹が折損するなどたくさんの災害にもあっているため、一般的な桜のイメージとは違う形をしています。かつては13mを越える高さがあったそうです(当時の写真は実相寺公式サイトの「神代桜略年表」のページで見ることができます)。

ですがたくさんの支柱の支えを受けながら枝を伸ばし、こぼれんばかりの花を咲かせる姿は、圧倒的な迫力と貫禄を感じます。2000年を超えた桜がこれほどの花を咲かせることは容易なことではなく、たくさんの人の手により大切に大切に護られていることがわかります。

境内には、山高神代桜だけでなく、さまざまな桜が植えられています。スペースシャトルに乗って宇宙を旅してきた神代桜の種子が発芽した「神代桜の宇宙桜」や、全国の桜の名木の子孫が植えられており(三春滝桜や身延山の枝垂れ桜の子桜など)とにかく見ごたえがあります。満開の水仙と桜、そして背景にそびえる山々の眺めは圧巻!

例年の見頃:3月下旬~4月上旬

アクセス

車の場合は、中央自動車道 須玉ICから約15分、または韮崎ICから約20分。

公共交通機関の場合は近くまで行くバスなどがなく、JR日野春駅からタクシー(約15分)、またはJR韮崎駅から下教来石行きバスにて「牧の原」バス停下車、徒歩約30分。バスは本数も少ないので、少々不便です。3~4人で一緒にタクシーを利用するか、旅行会社のバスツアーを利用するなどがおすすめです。

タクシーの場合、日野春駅に常駐しているわけではなく、また桜のシーズンは混み合うので、予定が決まれば早めにタクシー会社に予約する方が確実です。

實相寺公式サイト―日本一の桜が生きる 實相寺

■根尾谷淡墨桜(岐阜)

所在地:岐阜県本巣市根尾板所字上段995

樹齢1500年を超えるヒガンザクラ。蕾の時は薄いピンク色をしているのに、開花し満開になると白色になり、散り際には淡い墨色を帯びることから、「淡墨(うすずみ)桜」の名がついたのだそう。

樹高は約17.3m、幹回り約9.4m。東西に20m超、南北に24m超の大きな枝を広げた迫力のある樹形ですが、満開時の白い花をまとった姿はどこか静謐で端正な印象です。

淡墨桜の奥には「淡墨二世」と名札のついた桜があり、こちらも巨木です。

詳しい説明書きは見当たりませんでしたが、名札には「大正十二年観音堂建立記念樹」と書かれています。「観音堂」とは、淡墨二世の後ろにある淡墨観音を指すのでしょう。

周辺は「淡墨公園」として整備されていて、枝垂れ桜などほかの桜も植えられています。豊かな自然に包まれて穏やかに桜を眺められるスポットです。

例年の見頃:4月初旬頃

アクセス

車の場合、東海環状自動車道 大野神戸ICまたは山県ICから約40分。

公共交通機関の場合は、樽見鉄道の終点・樽見駅から徒歩約15分。「日本三大桜」では唯一、駅から徒歩で行ける桜です。なお、樽見駅までは、大垣駅から樽見鉄道で1時間ほどですが、大垣駅発は本巣駅や神海駅どまりのものも多く、樽見駅までいくのは(本巣駅乗り換えも含め)1時間に1本程度です。あらかじめ時刻表をしっかり確認しておきましょう。ただ、帰路便は樽見駅発21:47が最終(その前に19:44発大垣行きもあり)なので、夜間のライトアップ(18:40~21:00)を見ても鉄道で帰ることが可能です。(時刻は2024年3月現在のものです)

本巣市公式サイト|根尾谷淡墨桜

美しい桜を見ていると、日本に生まれた幸せをしみじみと感じます。それぞれに美しく、異なる佇まいをみせる「日本三大桜」。まだご覧になられたことのない方は、ぜひこの春に訪れてみてください。

花火鑑賞士な旅ライター

宮崎生まれの大阪育ち。人生の約半分を京都で過ごし、現在は千葉在住。もとからの旅好きが、関東移住を機に花火にはまり、旅の目的に花火鑑賞が加わりました。遠くへの旅行も好きだけど、身近なお出かけも好き。どこかで見た素敵なものを、誰かに伝えたい。知って欲しい誰かと知りたい誰かを繋ぎたい。ビアテイスターで日本酒ナビゲーターで温泉ソムリエで花火鑑賞士な旅人。

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