Yahoo!ニュース

家族が認知症になったら?Don’t worry. Be happy!【認知症ラジオ#1

介護福祉のお悩み支援サポーター『夢 はるか』です。

今日は、認知症ラジオの第1回として、認知症にまつわる話題を、ゆるーくお話ししていきたいと思います。

今日のテーマは、『家族が認知症になったら?Don’t worry. Be happy!』です。

↓この記事の内容を音声で聞くことができます(YouTube)

わたしは介護福祉士として15年以上、デイサービス職員やホームヘルパーとして、在宅介護の現場で働いてきました。

その間に、何百人という認知症の人と、そのご家族とお会いしてきました。

介護職の先輩の話を聞くと、認知症は、昔は『痴呆』と言われて、今では考えられないような、人権を無視した扱いを受けていた時代もあったそうです。

今は、そんなことはありません。平均寿命が伸びて、誰もが認知症になる可能性を、自覚する時代になりました。

認知症の人を見ても、多くの人が「明日は我が身」と思い、優しく接する。そんな時代になりつつあります。

認知症の人に対する世間の偏見は、ずいぶん改善されました。

昔と比べれば、認知症になっても、生きやすい社会になったと思います。

しかし、認知症の人の家族の思い、家族の精神的なつらさは、昔と変わらないような気がするのです。

確かに、介護保険制度ができて、いろんな介護サービスを使えるようになりました。

週に数回、デイサービスに行ったり、ヘルパーを頼むことで、家族の介護負担を減らすことができます。

ある程度の要介護状態になれば、特別養護老人ホームなど、それほど高額ではない施設に入所することもできます。

それでも、家族の精神的な負担は、なくなるわけではありません。

デイサービスや、ヘルパーを頼んでも、それは日中の数時間のことです。

それ以外の時間は、同じことを何度も何度も聞いてくる、老いた母や、数十分おきにトイレに連れて行って欲しいという、老いた父の介助をしなければなりません。

たとえ施設に入ったとしても、完全に、人に任せられるわけではありません。

病気や、転倒などのトラブルがあれば、その度に施設から呼び出されます。

たとえ何事もなくても、ある程度の頻度で面会に行かないと、自分が不安になってしまいます。

24時間、精神的な介護負担から解放されることは、ないと言っていいでしょう。

それじゃ、どうしたらいいの?

お待たせしました。ここからが、ようやく今日のお話の中身です。

精神的な介護負担から解放されるには、自分の趣味の時間を持ちましょう。

どんなことでもいいのです。

認知症の家族のことを忘れて、何かに没頭する時間を持ちましょう。

わたしがデイサービスで働いていたときに、ご家族が出演される、日本舞踊の発表会に招待されたことがありました。

発表会の会場で「いつ出演されるのかな」と見ていると、なんと出演順の一番最後に、大トリとして、素晴らしい踊りを披露してくださったのです。

「デイサービスのおかげで、自分の時間を持つことができました。ありがとうございました」

と、感謝されました。

日本舞踊以外にも、バレエやエレクトーンなど、ご家族のいろんな趣味の発表会に行かせていただいたことがあります。

家庭菜園でとれた、立派な野菜やお花を、デイサービスに持ってきてくださる方もおられました。

仕事も介護もしながら、どうしてそんなことができるのだろう?と、当時は不思議に思いました。

でも、充実した趣味を持つ人ほど、介護破綻せずに続けられる人が多かったと、当時を振り返ると感じます。

家族の介護のことで、頭がいっぱいにならないように、何か自分の趣味を持ちましょう。

好きなことに没頭できる時間を持ちましょう。

これが、今日のアドバイスです。

また、次回の認知症ラジオで、お会いしましょう。

介護福祉のお悩み支援サポーター『夢 はるか』でした。

介護福祉士としてデイサービスや訪問介護の現場で働いてきました。職場の上司の指導で、研究会での発表や、学術誌へのケースレポートの投稿なども積極的に行なっています。また、子どもの頃から好きだった漫画やイラストを描くことで、認知症の知識や介護のコツをわかりやすく伝えることを心がけています。

【介護マンガ】夢はるかの最近の記事