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【秘密の話】クラス替えはどうやって決まる?仲良しの子とバラバラにされるのはなぜ?

YORI先生元教師/子育て・教育系ライター

子どもにとって、新学期を迎える際に最も気がかりなのが「クラス替え」です。

  • 仲の良い友だちと一緒のクラスがいい!
  • あの子とは違うクラスがいい………

と、春休み中もドキドキしていたのではないでしょうか。

今回は、元中学校・高校教師の私が「クラスの決め方」について解説していきます。

クラス替えはどうやって決まる?

教員時代、子どもたちから「クラス替えってどうやって決まるんですか?」と聞かれることがたびたびありました。

表面上は「成績順に自動で割り振るんだよ」と説明していましたが、実は半分嘘です。

クラスの決め方は学校によって異なるものの、だいたい以下のような基本方針になっています。

  1. 成績順に割り振る
  2. 部活動で偏りがないか確認する
  3. ピアノの伴奏ができる子の偏りがないか確認する
  4. 前年度に問題を起こした集団はバラバラにする
  5. 特別な配慮が必要な生徒は仲の良い友だちを同じクラスにする

※こちらはあくまでも経験談による一例です。学校によって異なりますので、参考程度に読み進めてください。

①成績順に割り振る

クラス替えで最も基本となるのは、やはり成績です。

特に小学校や中学校では、クラスによって成績の偏りが出ないようにしています。

そのため、学年全生徒の成績をまずは順番に並べ、その順番でクラスに割り振っていくのが基本です。

例えば3クラスの場合は、

  • 成績1番の子:1組
  • 成績2番の子:2組
  • 成績3番の子:3組
  • 成績4番の子:1組
  • 成績5番の子:2組
  • 成績6番の子:3組

といった感じで割り振るか、

  • 成績1番の子:1組
  • 成績2番の子:2組
  • 成績3番の子:3組
  • 成績4番の子:3組
  • 成績5番の子:2組
  • 成績6番の子:1組

といった感じで割り振っていきます。

こうして各クラスに割り振りをすれば、特定のクラスだけ成績の良い生徒が集まってしまうということがなくなるのです。

②部活動で偏りがないか確認する

中学校や高校になると、部活動も多少参考にする場合があります(※まったく気にしない学校もあります)。

単純に成績でクラスを割り振ると、

特定のクラスにサッカー部全員が集まってしまった

といったことも起こるため、部活動であまりにも偏りがある場合は、数人入れ替えることもあります。

③ピアノの伴奏ができる子の偏りがないか確認する

学校行事として、ほとんどの学校で合唱コンクールが開催されています。

その際に、クラスにピアノ伴奏のできる子が一人もいないという状況はかなりまずいのです。

そのため、そもそもクラス決めの際にピアノが弾ける子はある程度バラけさせています。

④前年度に問題を起こした集団はバラバラにする

最も重要なのは、前年度に何かしらの問題を起こした集団の割り振りです。

過去に集団で問題を起こしていれば、その子どもたちを同じクラスに集めるようなことは絶対にしません。

今後問題を起こさないように、なるべくバラバラのクラスに割り振ります。

また、何かトラブルになった生徒同士は別のクラスにするなど、担任や学年主任の配慮があれば、トラブルを未然に防げるようなクラス決めをおこなっています。

⑤特別な配慮が必要な生徒は仲の良い友だちを同じクラスにする

例えば

  • 不登校ぎみである
  • 友人を作るのが苦手

といった生徒であれば、なるべく仲の良い友だちを同じクラスにすることもあります。

特に不登校の生徒には、「お世話係」のような存在が必ずクラスに必要です。

実際に、私自身が学生だった頃、先生に頼まれて不登校の子のお世話係みたいな役割をしていた経験もあります。

こういった感じで、クラス決めは確かに成績が基本になるものの、実際には数々の調整が入るというのが実情です。

同じ部活動の子がバラバラにされるのはなぜ?

クラスの決め方にて「部活動で偏りがないか確認する」といったことを書きました。

しかし、そもそも同じ部活動の子たちをバラバラのクラスにする理由は何なのか、不思議に思う方も多いでしょう。

以下では、その理由について解説していきます。

部活動の偏りをなくす理由①多様性を重視

学校ではいろんな人と関わりを持つことが推奨されています。

そんな中、同じ部活動の生徒ばかりが集まってしまうと、多様性に欠けてしまいます。

部活動の生徒がいれば、クラスでもその生徒ばかりと一緒に行動してしまいますよね。

しかし学校は、人間関係を学ぶ場でもあります。

いろんな部活動の生徒と関わることで、世界が広がり視野が狭くなってしまうことを防げるのです。

そういった理由でなるべく偏りがないようにすべき、というのが1つ目の理由です。

部活動の偏りをなくす理由②居場所を作る

例えばクラス内でも部活動が同じ生徒でグループを作ってしまうと、

  • 部活動を辞めた
  • 部活動でトラブルがあった

といった際に、クラスでも居場所がなくなってしまいます。

万が一、部活動の人間関係がうまくいかなくてもクラスで別に友だちがいれば学校に来やすいですよね。

しかし、クラスに同じ部活動の友だちしかいなければ、学校自体に来れなくなってしまう可能性があるのです。

部活動とクラス、それぞれで居場所を上手に作れると、どちらかがダメになってもなんとか頑張れる、という子どもが多いと思います。

もちろん何もないのが一番ですが、人間関係にはトラブルがつきもの。

子どもの居場所は多ければ多いほど、逃げ場所や相談場所として活躍してくれますよ。

仲良しの子とバラバラにされるのはなぜ?

「仲良しの子といつも違うクラスになる」

そんな経験はありませんか?

しかしこれは当然のこと。

クラス決めの基本は成績順です。

誰と誰が仲が良い、というのは関係ありません。

そのため、仲良しの子とたまたま同じクラスになることもあれば、運悪く別のクラスになることもあるのです。

仲良しの子と同じクラスになるよう配慮されるのは、不登校であるなど特別な配慮が必要となる生徒のみです。

そのため、一般的には仲良しの子と同じクラスになれるかどうかは運次第となっています。

まとめ

クラス替えについては、学校によって方法が違うものの、だいたい上記のような流れになっています。

そのため、

特定の生徒とトラブルを抱えている

といった場合には、事前に先生に相談すれば、クラス替えで考慮してもらえる可能性があります。

もちろん、まったく希望が通らないこともありますが、何か気になることがあればクラス替えの前に担任の先生に相談してみてくださいね。

元教師/子育て・教育系ライター

出産前までは中学校や高校で教員として働いていました。これまでの教員生活や自身の子育て体験を活かして、学校生活や学習、育児での悩みが解決できるような情報を発信していきます。

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