【小2が最多】小学校で起こるいじめの種類とは?親が口出しするのはどこから?
5月下旬。入学や進級から約2ヶ月が過ぎ、学校での生活にもある程度慣れてきた頃です。
クラス内での人間関係も定着し仲良しグループが形成される一方で、
- ある日突然仲間はずれにされる
- 一緒に行動する友だちがおらずひとりぼっち
といった子どもが目立ってくる時期でもあります。
また、クラス内でいじめ問題が発生しやすい時期とも言えるでしょう。
年々増加するいじめの認知件数の中で特に注意したいのが実は「小学校低学年」。
今回は、いじめが起こりやすい年齢(学年)とその内容、対策法について解説していきます。
いじめは小2が最多って本当?
「いじめ」は何歳頃がピークなのか。
実はあまり知られていない事実ですが、文部科学省の調査によればいじめは「小学2年生」が最多とされています。
実際に、令和元年度・2年度・3年度の3年間のデータを見てみると、小1~高3の中でいじめの認知件数が最も多いのが「小2」であることがわかります。
小1~小6のデータを見てみると(令和3年度のデータ)、いじめの認知件数の多さは
小2 > 小1 > 小3 > 小4 > 小5 > 小6
といった順になります。
いじめは特に小学校低学年に多いことがわかりますね。
そのため、この時期は特に親も子どもを気に掛けてあげた方が良いと言えるでしょう。
小学校低学年というと、まだまだ自分の気持ちを友だちや先生にうまく伝えることが難しい子もいる年齢です。
子どもの小さなSOSを見逃さないためにも、
「小学校低学年はいじめが起きやすい」
という認識をもって子どもと関わることが重要です。
どこからが「いじめ」になる?
「これっていじめ?」
「ただの子ども同士のケンカ?」
といじめであるかどうかの判断に迷うこともあると思います。
例えばいじめられている側が「いじめ」と認識していることでも、いじめている側とすれば「友だちとふざけあっただけ」と思っていることも多いのです。
しかし、いじめかどうかの判断は、「被害者側がどう感じたか」ということが基準になっています。
いじめの定義
いじめの定義は時代とともに変わってきましたが、現在は「いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)」によって定められています。
つまり、加害者側がどういう思いで行動したのかは関係なく、あくまでも被害者側が「心身の苦痛を感じている」という状態であれば、いじめになるのです。
加害者にしないために
小学校低学年くらいだと、友だちの立場になって物事を捉えることができずに
「そんなつもりじゃなかったのに……」
と思わぬ形で加害者になっている可能性もあります。
子どもをいじめの加害者にしないためにも「どんなことがいじめになるのか」を家庭でもしっかり教えておくことが必要になるでしょう。
そこで以下では、実際に「いじめの態様別状況」として挙げられている項目について紹介していきます。
小学校で起こるいじめの種類とは?
小学校で起こるいじめには、どんな種類があるのでしょうか。
いじめの実態調査(いじめの状況及び文部科学省の取組について 令和4年11月24日|文部科学省 初等中等教育局)で取り上げられているいじめの種類を発生件数の多い順に見てみましょう。
小学校で起こるいじめの種類TOP6
- 冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる
- 軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする
- 仲間はずれ、集団による無視をされる
- 嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする
- ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする
- 金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする
つまり、上記のようなことは「いじめ」に該当すると考えられるため、子どもにはこういったことがないように日頃から注意を促しておくと良いでしょう。
また、子どもが上記のことで悩んでいる場合には、いじめであると判断し、早期に対応することが大切です。
「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が最多
上記の項目は複数回答ありとなっていますが、小学校で発生するいじめとして最も認知されているのは「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」です。
令和3年度の調査結果では、構成比が57.0%となっており、半数以上のいじめがこういった類いであることがわかります。
「嫌なことを言う」といったことでもいじめになる可能性があることを、子どもに伝えておく必要があります。
親が口出ししても良いラインは?
子ども同士のけんかなど、正直「親が口出ししても良いのか」と迷う場面もありますよね。
いじめとして認知されている中でも、「嫌なことを言われる」という項目は特に難しいところです。
「仲間内のけんか」ではなく「いじめ」として扱った方が良い"線引き"に迷う親御さんも多いのではないでしょうか。
客観的な意見が重要
自分の子どもから聞いた情報だけだと、場合によっては子どもの都合の良いようなストーリーを聞かされている可能もあります。
そのため、まずは事実確認をすることが重要です。
相手の親御さんと連絡が取れるようであれば、状況をお互いに整理するのも良いですし、担任の先生に相談をして状況を確認することから始めると良いでしょう。
まずは冷静に状況を把握し、客観的な意見を求めることが重要です。
ただし、子どもが傷ついているときには、まず心のケアを最優先にしてあげてくださいね。
いじめの線引きで迷ったら
「モンスターペアレント」という言葉が一人歩きし、最近では子どものことを学校に相談することに消極的な親御さんも増えています。
「こんなことを言ったらモンスターペアレントって思われる?」
「こんな些細なことで担任の先生に相談しても大丈夫かな?」
と躊躇してしまうこともあるようです。
しかし、いじめだとすれば早期に解決することが大切ですし、そうでなくても子どもの心配ごとを学校に相談することは決して恥ずかしいことでも迷惑なことでもありません。
ただし、「学校に相談しにくい……」と感じたときには、他の相談場所を利用することもできます。
学校以外で相談できる場所とは?
学校以外にも、いじめについて相談できる場所があります。
何か相談したいときには、以下の2つを利用してみると良いでしょう。
子どもの人権110番
いじめや虐待など、子どもの人権問題に関する専用相談電話です。
全国共通フリーダイヤル:0120-007-110
子どもの保護者など大人が利用することもできます。
子どもの人権SOS
小学生と中学生以上の方がメールや電話で相談を行うことができます。
いじめの解決には、早期発見・対策がとても重要になります。
子どもの小さなSOSを見逃さず、「いつもと様子が違う」「最近なんだか元気がないみたい」と少しでも違和感を感じた際には、学校や上記の相談機関へ早めに相談をしてみてください。